種子が私を追い越そうとしている
それはとても嫌なことなので
速度を上げる
と、背が少し伸びる
冬に逝った人の名を
夏の終わりになって
帳面に書き足す
遠くが見えるということは
かわ ....
あの頃、君に告げられなかったことを今


 ***


ねぇ、君
冷やし中華を誰よりも早く始めたいの、とはりきる君の姿が僕は好きだったんだ



ねぇ、君
扇風機の首フリに合わ ....
灯台で夜明けを待てばすこしずつ世界は回り海が生まれる

田園を静かに渡る鉄道のすべての窓に死者達の顔

寝室にまき散らされたビー玉の光のなかに夜が満ちてる

熱帯夜大家に黙りバスタブに ....


これより10分間

朝を発信します



周波数を

合わせてください

花を差し出されたら
黙って口に含む
蜜を吸う

疑うという言葉は
知らないふりをしなくてはいけないルール

ねえ
毒って、甘いんだってね


   *


追いかけられるの ....
ほんとうに欲しいと思ったんだ
あの夜

だから
ここにいるだけで
しあわせ

夏が終っても
君が胸を泳ぐから
 

クロール


息つぎをせずに
どこ ....
夏の闇は思ったより深いのか
それだけが
ほんの小さな鬼火のように
灯っている




その人は息を吸った
白いランニングの大きな腹がふくれ
コオッ、と
鬼火は点滅、そしてお ....
練炭がにおい吊金具が軋む

裏表がなくてしのび笑い

整列完了ぼくらマドモアゼルのしもべ

崖に靴下の自ずから白く

鈴虫を噛んでめまいを飼い慣らす

飲みほせば樹海もさわやかな緑 ....
口紅がはがれた後のりんご飴 確信犯のうつくしいきみ


こんなにも渇いていたと知らされる 始めのひとくち貪る夕べ


日に焼かれ濃縮された僕達を還元しては味見する海


やわらか ....
夕立が無色透明装って世界の色を塗りかえていく


夏草で作りし花冠捧げればいろどり添える幼い香り


真夏にしか開かない扉見つけ出す触角のばせ跳ねる子供ら


縁側で午睡のさなか風鈴 ....
{引用=エレクトラ、たったひとつの恋なのに琥珀の瞳に総てを凍らせ}



{引用=041:迷}
「迷ったら、やめる」家訓の中ひとりメビウスの輪を愛する小娘


{引用=042:官僚}
 ....
夏の空は不必要に青過ぎて
まるで現実感がない。
蝉の不協和音も陽炎も
在り来たりの遠さでしかない。
立ち止まって振り向いても
君が居ないのと同じように
希薄。


印画紙に切り取 ....
いつか(ラ)数えることをやめてしまった
ピンク色の蜜柑がつぶれたような
きみの、空の


ざ、わめく
風の木に暮れた(ラ)流線が振り落とされて
ふ(ラ)、としたときの
苦くつぶれた顔を ....
サンディの煙草は誰にも止められない
と、誰もが思っていることを
サンディはなんとなく知っている
黒く長い髪
茶色のひとみ
その他の身体的特徴
にもかかわらず
サンディといえば
 ....
恋を知り少女がひとり懐かしむ灰をかぶった安寧の日々


階段の踊り場の恋は吊り橋の上の恋よりまことしやかに


12時で魔法は解けて ここからは本気であなたを落としにかかる


ラン ....
鋼線伝いの道
丘へと
君をつれ
君は犬をつれ

ふと目をはなす
その隙に
君は増え
君のつれた犬は増え

群れる
群れてゆく
君君
君君の犬犬

が、を
が、を
 ....
わけもなく
海に行かない


青ざめた
この肌の下の水脈に海の素質があるとしても


夏において
情熱的な、情熱的な
世界中の観察眼と観察眼が合い続けているとし ....
水色をまとい眺める水平線南の国は晴れだよ兄さん



マスカラの黒に瞳が見え隠れそんなふうに怒るな妹



空き瓶をカチリといわせ運んだね僕にとっての紅姉さん



紫の水晶送 ....
みずいろに
きえた
ほたる
なつの
まぼろし
さんかいきのあおぞら
追いたいと思う心理を知り尽くし残り香すらも残さぬウサギ


いつもはね慎み深い私なの 貴方は特別“私を食べて”


「首を切れ!!」怒鳴るクィーン黙々と従うスペード恋は盲目


30 ....
屍に悉く空恭しく

夏の水道唾液のぬるさにて

設計図に紛れて一本になる

真夏日に晴れの予報を見て死んだ

弁当と残像を家に置いてきた

返り血を浴びて太陽燃えている

目覚 ....
耳をふさぐと雨は遠くの国みたい 目をふさぐのをためらいながら



台風の日だというのに 僕たちに降る風はもう諦めている



キャミソール の 裾 を破いてもう少し生 ....
 わたしたちは小学校のプール跡に住んでいた。
 もちろん家に住んでいた。
 プール跡に、家が建ったのだ。

 
 ともすれば思い出したように、夏にはテーブルの上にサトウくんが立った。水泳大会 ....
私はやはり、と
言わざるを得ない
やはりあの{ルビ畦道=あぜみち}を
脇目も振らず
私は歩いていたのだと


炎天、真昼、陽炎
夏が侵攻していた
それはいつも匂いから始まる
濃厚な ....
すれ違った自転車の子供を
振り返る


白線が
鮮明に割き続ける
通学路だったアスファルトから
子供たちの声が古いものから順に遠のいてゆく


肌で増殖する蝉の羽の ....
溺死者は死にたかったの 思想の瀞





歯の痛みわがものとせず皿を噛む

ねむれないひるまを足掻きようもなく

切ればゴミ髪も小指も恋人も

狙われた記憶もなくて行方不明
 ....
ねえ 南十字星ってどれですか
と恋をしていた
空はあんまり星だらけだったので
はたして
その星をあなたが知っていたのか
わたしは知らない
し、
知らなくてよかった



白線を
 ....
きっと死にゆく人の目に非が映り

食べ方を教えてくれれば霞でも

マジシャンのような手付きで爪楊枝

濡れている 傘も記憶も閉じている

腹ペコリ頭ペコリの職探し

ラブホテルの明 ....
まぼろしの握手をすれば手の中に土の味するひまわりの種

夏の夜の平均気温が2℃下がり僕は機械の夢を見ました

青空に君が裸で泣いている 機械の僕は近眼のまま

コーヒーを眼鏡の縁で焙煎し3 ....
レモン水一口飲んでいる間に

地球が生まれ
消えていきました

桜がとてもきれいだったので
あなたに伝言を残そうと思いました
本木はじめさんのおすすめリスト(1021)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
自由研究- たもつ自由詩14*05-8-30
君に宛てて- Monk未詩・独白187+*05-8-29
世界の回る音- シアン短歌605-8-27
鉄塔の朝- たりぽん ...携帯写真+ ...15*05-8-26
花とスピード- RT自由詩18*05-8-24
クロール- umineko自由詩18*05-8-24
煙草の火- フユナ未詩・独白205-8-23
- 黒川排除 ...川柳305-8-22
夏わずらい- ソマリ短歌13*05-8-19
夏を濯ぐ- ソマリ短歌9*05-8-18
ダディ,Mr.マイダーリン(題詠マラソン2005_041-0 ...- 汐見ハル短歌805-8-18
夏の死- 有邑空玖自由詩10*05-8-16
ゆれる、とびきりの算数のように- nm6自由詩11+05-8-16
サンディのこと- たもつ自由詩43*05-8-14
ガラストゥ_ガラスヒール- ソマリ短歌13*05-8-10
きみづれ野- Monk自由詩605-8-10
海に、行かない- A道化自由詩1705-8-9
血縁肖像- ふるる短歌10*05-8-9
君に- 草野大悟自由詩6*05-8-8
恋色アリス- ソマリ短歌13*05-8-7
- 黒川排除 ...川柳405-8-6
- ピッピ短歌1305-8-5
プール跡- フユナ未詩・独白6*05-8-5
侵攻する夏_(2005.8.3)- 和泉 輪自由詩1605-8-3
真夏淘汰- A道化自由詩1705-8-1
無季定型1- 佐々宝砂俳句405-8-1
夏の影- フユナ未詩・独白11*05-7-29
- 黒川排除 ...川柳405-7-26
キカイのカラダ- りっと( ...短歌705-7-26
童話(伝言)- たもつ自由詩19*05-7-25

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