空 に 見 つ け た
君 の 羽 根
あなたの自転車の
前輪ホイールの中に
くたばったハムスターみたいな
雪
鍵をかける
指のやわらかさ
にすら蓋をする
ないことになっている
あたしのこのこい
....
■宮澤賢治
さて、先日図書館で宮沢賢治を借りてきたのです。ネットで詩をはじめた自分にとってあんまし本てのは食指が動かんかったわけです!!!!(ダメすぎ)面白いくらい詩を読んでないわけなのですが ....
冬の暦にすらりとのびる
夕を青に染めながら
ひらりひらりと降り始め
静かに白の服を着る
夕暮れの図書館で
あなたは時間を忘れて頬杖をついていましたね
わたしは夕焼けに見惚れるふりをして
ずっとあなたを待っていたのですよ
あなたがわたしを思い出すまで
....
冷静と冷たさは
別勘定だと思うけど
マヨネーズ舐める
から揚げ食って
マヨネーズ舐める
感情移入も優しさではない
箱を思い出してみる
あるはずのない出口から
いとも簡単に私は
抜け出し
あるはずのない入り口を
きっともう私は
見つけられない
箱を思い出してみる
それは
美しいもの ....
公園が
冬のアスファルトに落ちている
黒く、その輪郭が切り立っている
黒く、切り立つ枯れ木立が鉄条網に混じり
黒く、その輪郭が主張されている
けれど
空は、白濁した眼球 ....
冬の木漏れ日の中で懐かしい歌を聴きました
懐かしくてももう泣けない自分がいました
それが寂しくてそっと瞳を閉じました
太陽が淡く輝いた冬の日のことです
太陽 ....
きちんと切ってお皿においてあった青林檎が
きれいに無くなってしまった
もしかして
ちゃんとした林檎になりたくて
ウサギになって野原に行っちゃったのかも。
レールに雪がつもっている
雪がレールにつもっている
あけましておめでとう
そして僕たちはそのように死んでいく
あけましておめでとう
死んでいくのではなく殺されていくのだおそらくは
お互いに
殺されあいながら
あけましておめでとう
生き ....
イメージのない世界で
イメージのないわたしが
イメージのない夢をみる
ここでは光だけが目ざめている
(世界の外で
おびただしい子供たちが
黒く笑う)
....
ひとが愛した草花の名前を手帖に書き留めて、日記にしましょう
ああ、憐憫というものは
秋の日の袖口に風があたり空がやたらに高く仰ぎひとがいつまでも遠くにいてぼんやりとした輪郭をにじませている ....
さなぎになることにした
沈黙と言う薄い布をまとう
触れないで下さい
生まれる前に蝶が死ぬわ
堅い 青い海の上に君は立つ
黒い 傘なんて持ちながら
庭の木にセミの抜け殻があった
手にとって握りつぶすと
ぬちゃ
それはセミの抜け殻ではなく
抜け殻のようなセミ
もて余した僕はこっそり
ぬか床に隠してしまった
夕食の時
今日のぬ ....
おぼろ月夜にみる夢を
語るくちびるくれた人
色なき世界に沈みゆく
くちびるが探す静かな面影
明日こそ、と、思えない夜の後には、今日こそは、と、思えない朝がきっと来る、きっと来る、そうとしか思えないまま、お休みなさいを念じる1:08am。
* * * * *
....
夕暮れになると
ばくは星間に漂いはじめるのだった。
追いつめられてすきとおっていた
声なき声は銀河の構造
肉体を失って誘いを待つあなたは光の粒子
粒子は崩れぼくは光速で見えないあなたを通 ....
ようようくりかえすことばを
きみにいえるわけがなく
しらぬまにきれたひふが
ゆっくりとすなにしずんでゆくので
「ゆーとぴあ」とぼくがいったが
きみにいえるわけがなく
た ....
娘は将来アイス屋になりたいと言う
好物のアイスを好きなだけ食べられるから
ではなくて
沢山の人を幸せにしたいからだそうだ
いっしょにお風呂に入ると必ずその話題になって
バニラ ....
消えていく
痛みをなぞりながら
その痕こそが
証であるかのように
鮮やかに
鳴いている
幾羽か、を、目に
焼き付けることもなく
空の夢をよく見るのだと
その人はうつむく
....
体育座りを催促する床、壁、天井
ドアとカーテンが万が一に備えて閉じられている
尖った切っ先を心臓に突き立てたら指が震えて命乞いをするので
ベッドの木材に打ちつけると中指の天辺から血が吹き出 ....
こんな日は自分以外の誰彼の必要性を問うたりしない
遠い日の約束 あれが最後だと分かってたなら守っていたよ
東から西から差し込む宵闇が君をさらってさよならもせず
....
愚かにも駅の天井を何故
消化器官に似せてしまったのでしょう
そこでは、羽音震わす蛍光灯
その仄青い痙攣から逃れ切れず
静かに分裂した影の群れが
仄青く集う硝子、地下鉄のドア
....
トンネルに入ると僕と弟は息をとめた。
車窓越しに流れていくオレンジ色のランプをながめていた。
出口はまだ見えない。
出口が遠くに見えはじめた。僕と弟は苦しくなりはじめ、
父はアクセル ....
という先にない、
に君が口付けしている
明日ばかりをぼくはいらない
落ちてくれたら考える、
よ
残念でした。もう少しだったんですけどね。ほら、あなたの回答にはひどくムラがあるのです」
市役所が募集した屠殺係の試験に落ちた
受験者はどれくらいいるだろう
市民グランドに学校机が6つ
その ....
褪せた街に似合う青い蛇のようなものが夜、落雷のように足元をするり抜けていった。「早いよ、早いよ」と、遠い声。ネオンの西新宿に降るか降らぬかの小雨に湿り髪の毛のぼくが、古ぼけたコンクリートのビルが濃くす ....
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