彼 の 夏 に

溺 れ ぬ や う に と 閉 ぢ た 空

無 人 で 回 る

廃 観 覧 車
白鳥を見つけた人は飛んでいった

白鳥の話をするとき
すでに空を飛んでいた

美しい白鳥はイルカのような瞳で話しかけ
その傷跡に柔らかな手を差し伸べた

白鳥を見つけた人は自由になった ....
天動説の子どもが増えてるらしいのですが
それはまったく自然なことです

地球が回っているのだとしても朝が来るのは退屈なのですから
僕はお布団で魚になって
箱舟に乗ったかあさんとはなしをします ....
(森では)
ハ短蝶の二指が劣等な塵に沈むワーゲンで踊る
破綻した星座を弔うシガレット。

(森では)
五指のヘ短蝶が春の終わりに激しくワーゲンを叩く
ゴシック聖歌は沼の辺端で炎上した。
 ....
静寂が満ちるのを待つ

あなたは
広げた想像の張力に身をゆだねて
空を映す水面に静かに浮いている

手のひらをつぼみにして
ゆっくりとふくらませるとき
わずかな空間の揺らぎが
水中を ....
ささやく声が空気を揺らす

消えてゆこうとする白い空気の鼓動

伝えることを止めた白い空気の残像


ささやく声が空気を引き寄せる

薄まってゆこうとする白い空気の躊躇

流れる ....
横たわる詩人に砂を投げ入れよテロリストのかなしみ知らぬなら

閃光のあとに残りしひとがたが刻まれており道路の上に

欠落を埋めないこと背を伸ばしカクテルグラスごしの詩の文字

血のにじむ指 ....
私が暮れた
それは見事な暮れ方だった
爆竹が散って
散っただけで火の気がない


何か分からないものが
動物に乗っていた
乗り回して
尋常でない速さでいってしまい
草原は暮れる
 ....
なぁんにも期待しないから突然に欲望だけを素直に告げる

ライバルを口説きたがるの悪い癖知っております言われなくとも

ねぇ蛇さんわたしはイヴよつややかな知恵の木の実を手にする前の

パソコ ....
水色の箱に雪が降る

白い箱から遠ざかり
気付くとそこにあった水色の箱

積もった雪の幻影が
白い箱を思い出させる

水色の箱に雪が降る

自ら発する温もりが
雪を溶かしてゆく水 ....
優しく濡れていた
公園の池が凍りわたるという法則を
冬だから寒いのは当たり前でしょうと片付けた母の
手の平の保温性が
今も強く、わたしの身体へと、わたしの眼へと
柔らかいままの金 ....
1 一  一つだけわがまま聞いてくれるなら曲馬団には売り飛ばさないで
2 二  二人ともそれぞれに夢を見て眠るとてもよく似た夢ではあるけど
3 四  鶴亀算宿題ならばよくお聞き、坊やよ亀の足は ....
血のにじむ指くわえようとするあなたから手をひっこめるさびしみがある

背後から抱かれて息が首筋にかかるぬくさを忘れはせじと

深呼吸忘れたことに気がついて深く重なる森の天井 

きみの ....
あなたは私の姿を追い求めて
時を計るものの上をさまよい続けてね

私もあなたもお互いを知らないし
知らないのだけれど・・・

私たちの横はひどく                    だ
 ....
海の底にある箱は
水色を反射して
白く眠る

光りが届く深夜には
そのシルエットだけが
ぼんやり浮かぶ

海の底にある箱の
空っぽという
存在感

光りを拒む深夜には
海の深 ....
覚えてる
迷ったときの指先のちょっとした仕草とか
暑い室内でむっと漂ってきた身体の匂いとか

正午、君がサイレンの口真似をすると
僕らは作業を中断して
いつも小さな昼食をとった

今日 ....
蛾か何かの最後尾が
視界の斜め上をかすめ逃げ去る場面、に似た
或いは、目尻の痒みにも似た
地下鉄の、蛍光灯の、黄緑色の、光芒の
消える寸前の瞬間と消えた直後の瞬間、との
交互 ....
笹公人さんの歌集『念力家族』http://po-m.com/forum/bookad.php?did=29415から32のお題を拝借してつくったものです。

1.念力
念力の半端にかかり雪解かな ....
これまで
何百人の壊れた瞳と
話してきたのだろう

何千人の傷を覗き
何万人の嘘を写してきたのだろう

そして
その中の
何人のひとの血となり得たのだろう
おれは
花粉症の季節になるたび世話になる薬局のひと髪型かわった

苺とかバナナはあまりよくないと教えてくれる口元がいい

帰りには苺じゃなくてグレープフルーツ買って帰って剥いて飾って

好きになる ....
妖精を やぶ蚊と思って 退治する あなたの手には 何が見えるの あっちょんぶりけ

ハムサンドだと思ったらハムちゃんズかじってごめんいたかったでしょ(と思って) 最果タヒ

ファイルする ....
水滴を鏡に落とし異世界の虜となりぬその未亡人

遺伝子の螺旋ドレスにして踊る女の口はひたすらに赤

水銀のぎらりを飲んでみせるからわたしと一緒に歩いて下さい

丸ボタンひきちぎっても ....
風上に立つ冬が
耳に届くすべての海を
耳鳴りに
します


遠く
遠くに
此処には無い海が
あるとして
それは遠くの
ずっと遠くに
此処には無い海が
あるとしても ....
 
 冬には空が降下する
 みんな誰も見てないし
 奪えるものがあるなら
 私から奪って構わない


(雪霧の向こうに浮かぶ
 あれは管制塔の光源だ
 低い轟音を響かせて
 離陸す ....
溌剌と黄色い実を
口にしても甘くない
思い出と同じ味がする
じーちゃんは 耳が遠い
ばーちゃんは 歯がなくて発音が悪い

二人の会話は
何度も聞き直し
何度も言い直し
互いの顔を
くっつけるように近づいて
可愛らしくて
仲がいい

ばーち ....
午前1時
上手く眠れずに

煙草を吸おうとして
小さな丸い換気口を開けると

コォー コォー
とガランとした舗道を
駆ける風の音がした


清らかで濃密な
午前1時の音だ
 ....
ラインストーンふた粒はがれた日のようにさよならって言ったほうが勝ちなの



彼氏くらいいるんでしょってモノグラムの財布撫ぜてるひとに問われる



ゆめのなかほんとうの家族に愛される ....
もぅ つかれちゃった

ぼくはなにもできないのに

みんな、きたいをかけてくるから

ごめんね おかあさん おとうさん


そう言い残して

四葉のクローバーは自殺して


 ....
今朝、あまりにも小鳥がうるさいので。

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

・・・・・闇で射った。

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・ ....
本木はじめさんのおすすめリスト(1021)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
記_憶- 有邑空玖携帯写真+ ...13*05-3-14
白鳥- mayaco自由詩205-3-11
天動説の子ども- 窪ワタル自由詩22*05-3-9
ring-Oの森- 六崎杏介自由詩505-3-8
睡蓮- ベンジャ ...自由詩3805-3-7
ささやく声- mayaco未詩・独白205-3-5
カナリアのかなしみ- 白糸雅樹短歌8*05-3-4
lack- サカナ自由詩305-2-26
セクシャル・フレンド- 白糸雅樹短歌6*05-2-25
水色の箱- mayaco未詩・独白305-2-25
冬の履歴書- A道化自由詩6*05-2-24
途中経過- 山田せば ...短歌2*05-2-23
海へ、帰ろう- 白糸雅樹短歌4*05-2-22
モラ/___/___third- ふるる自由詩7*05-2-20
海の底にある箱- mayaco未詩・独白2*05-2-18
サイレン- たもつ自由詩3605-2-16
擬態の森- A道化自由詩1005-2-15
念力俳句- 佐々宝砂俳句805-2-13
おれは- 草野大悟自由詩5*05-2-11
あまい- 吉原 麻短歌1*05-2-10
現代詩フォーラム短歌部創部記念第一回いちごつみ歌会- 山田せば ...短歌9*05-2-10
貝殻骨- 佐々宝砂短歌905-2-9
滅びる海- A道化自由詩905-2-8
揮発_(2005.1.16)- 和泉 輪自由詩1705-2-6
- 佐々宝砂携帯写真+ ...105-2-5
なかよし- さち自由詩25*05-2-2
午前1時- 松本 涼自由詩4*05-1-31
さよなら、人魚- 汐見ハル短歌605-1-31
クローバー- くしゃみ自由詩11*05-1-30
ルーシー・ダウト- 佐久間  ...自由詩3*05-1-27

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