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日々の果ての
朝、(辛うじて未だ夏の、)
誰よりも先に、空が
窓で泣き出している


日々、とは
ひとつづきの熱風だった
その果ての、床と素足に
夏だったものが生温か ....
夏の
体の
着衣のまわりくどさを
一枚、一枚、可愛がるように
指でしか剥ぎ取れぬ熱を
一枚ずつ剥ぎ取ってきました


あ、
そういえば、
非常階 ....
夜のアスファルトと
それに密着してゆく夏と雨とへ
車の落とす赤が付着しては
ひゅっ、と
離れてゆく一秒一秒、その風に
肌寒くなれる体の、少女である体の、わたしが
 ....
ガタン、ガタン、ガタン
ガタン、ガタン、ガタン


光線状の白昼が、車両の
力のないグリーンの床に
夏帯びて明らかな窓を落とす、その熱を
打ち消す、不自然な音 ....
ある五月
限りある少女の果樹園は
体中で太陽を吸い
体中で緑を吐きました


太陽へ、よりも、体へ
そう、太陽を忘れたときに最も太陽由来になる体へ、体へ、
の感嘆が ....
10センチメートルに
来てはくれない



ので
美しいオーツーと
悲しいシーオーツーが
かすか、乱れ
誰かの名として震えては
10センチメートルの位置で消 ....
見たことのある大人の
さらりとしたもうお帰りなさいの言葉が
肌の羞恥で
ぽた、
と、密かに融けた夕方5時


ええ
子供はわざと赤
のち、黒でした、その速度を把握でき ....
何かを待つ
ということは
何もしていないことに酷似している
と、感じて
せめて俯いた
アスファルトが好きです、って目つきで


いま
手のひら
差し入れたポケットが
 ....
 早朝、携帯電話のアラームがいつものように作動して「んんんんんん」と寝返り打ち「…ん」と起き上がってからやっともっともっと眠ってもいいのだといつまでもいつまでも眠ってもいいのだと気がついて「ア…幸せで .... ただひとつの意味でだけ
朝であればそれでいい


女は、暗がりから
チチチチチ、が発されるのを待っている
さあ、と
鳥が開かれるのを、鳥が始まるのを
待っている
 ....
秋になっても
ずっと忘れそびれていた少年を
冬へ、冬へと
ぽろぽろ棄てるころ


秋だったのに
冬へ、冬へと
粗樫の木から少年の証拠が
呆気なく消えるころ
 ....
朝の
冬の
わたしだけの酸素分子が
冷たく、サラサラと
肺に触れてくれわたしは
震えました


少しの日のぬくさにも圧され
再び惰眠の目つきで
食卓に傾斜してゆく
 ....
繰り返される
果実の落下・落下・落下、の
地面で重複してゆく破裂の匂い


それだけを呼吸し、それだけを呼吸したら
わざと気化したくなるほどの、それはひとつの悦びか
 ....
どうしても肌寒い蟋蟀質の摩擦によって
むしろ冷却されるわたしたちは概ね
低温のまま一生を終える腹部だ


脆い部分からアルコール消毒されてゆき
ついには殺虫されてしいんとす ....
しっとり、これは
濡れるために、素足


群れる草の土に冷たく踏み入り
行き場を失くしたことのない、
何処にも行かない、素足でした、濡れるために


こっそり、あれは ....
わけもなく
海に行かない


青ざめた
この肌の下の水脈に海の素質があるとしても


夏において
情熱的な、情熱的な
世界中の観察眼と観察眼が合い続けているとし ....
すれ違った自転車の子供を
振り返る


白線が
鮮明に割き続ける
通学路だったアスファルトから
子供たちの声が古いものから順に遠のいてゆく


肌で増殖する蝉の羽の ....
無数のソーダ水の泡が
ソーダ水から夏へ飛び立つ
そのときの一頻りの冷たい破裂音を
私たちは聞きます


ね、
それは、模範的な別れの際だと
ほら、そのあとに残るぼんやりとし ....
 眠れない。
 昨夜23時の就寝時にこれから読もうと思っていた本が見当たらないことに気がついたがそのまま眠ったせいか、まず、1:00a.m.に覚醒。真夜中の家の中を探すも見つからず、諦めてまた横 ....
優しく濡れていた
公園の池が凍りわたるという法則を
冬だから寒いのは当たり前でしょうと片付けた母の
手の平の保温性が
今も強く、わたしの身体へと、わたしの眼へと
柔らかいままの金 ....
蛾か何かの最後尾が
視界の斜め上をかすめ逃げ去る場面、に似た
或いは、目尻の痒みにも似た
地下鉄の、蛍光灯の、黄緑色の、光芒の
消える寸前の瞬間と消えた直後の瞬間、との
交互 ....
風上に立つ冬が
耳に届くすべての海を
耳鳴りに
します


遠く
遠くに
此処には無い海が
あるとして
それは遠くの
ずっと遠くに
此処には無い海が
あるとしても ....
公園が
冬のアスファルトに落ちている
黒く、その輪郭が切り立っている
黒く、切り立つ枯れ木立が鉄条網に混じり
黒く、その輪郭が主張されている


けれど
空は、白濁した眼球 ....
 明日こそ、と、思えない夜の後には、今日こそは、と、思えない朝がきっと来る、きっと来る、そうとしか思えないまま、お休みなさいを念じる1:08am。

   *   *   *   *   *
 ....
愚かにも駅の天井を何故
消化器官に似せてしまったのでしょう
そこでは、羽音震わす蛍光灯
その仄青い痙攣から逃れ切れず
静かに分裂した影の群れが
仄青く集う硝子、地下鉄のドア

 ....
余りにもあどけなく捨てられた
紙屑 に
余りにもあどけなく捨てた
指 に
同じように宿るものを
冬と 呼ぼう


乾いたマンホールの薄い模様を通り過ぎたあと
歩道の段 ....
こんにちはの時刻の欠落の日々の続き過ぎで、ね
胸いっぱいにレトロを溜めこんだ
公園にはゆきたくない、幼稚園にも何処にもゆきません
正当な主張ではないことを知りながら
こんにち ....
一度切りの湾曲をとうに終え
錆び果てたガードレールは死んだように安堵している
その影に紛れた舗道の一部は黒々と陥没し消滅している


その上空を傷付ける有刺鉄線、私ではな ....
ビルディングの肩はとうに壊れていて
投げ損ねられた昼がアスファルトで砕け続ける
どれが致命傷なのかわからないくらいの夜が始まる
黒々と割れたビルディングの窓は
誰かの死に愕然としたまま死ん ....
指、で押す
蝉のお腹の柔らかさのことを
私はぼんやり考えている


お腹、を
開いた人は
仰向けになり空の方角へ開いている


光、の直進は
結局ことごとく挫折し ....
本木はじめさんのA道化さんおすすめリスト(35)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
柑橘系の太陽- A道化自由詩1306-8-17
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- A道化自由詩406-5-28
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光わずらい- A道化自由詩706-5-2
融ける帰路- A道化自由詩10*06-1-15
自然淘汰、ポケットの- A道化自由詩1306-1-7
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蟋蟀の骨- A道化自由詩1205-10-3
ビューティフル- A道化自由詩1905-9-12
海に、行かない- A道化自由詩1705-8-9
真夏淘汰- A道化自由詩1705-8-1
- A道化自由詩2405-7-3
日々の垂れ流し050404、快くて正しい眠気- A道化散文(批評 ...805-4-4
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鬼の行方- A道化自由詩705-1-8
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あるカーブで- A道化自由詩3204-10-8
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