すべてのおすすめ
手をつないでいたことを
忘れていた
君のほうからほどいてく
そんな
当たり前なことに気付かぬまま
いつのまに
手をつないでいたことを忘れてしまった
手を
つなぐこと ....
独り 楽しむ と記し
独楽(コマ) と読む
独り楽しむためには
独りで己を支えなければならない
独りで支えるためには
日々 回り続けなければならない
そして回り続けるためには
己 ....
正義と正義のせ
めぎ合い 置き
去りにされる血
と涙 見え透い
た手口のイカサ
マ 手札は不条
理のフルハウス
パンドラの箱の
隅を 爪楊枝で
つついているの
は いったい誰
....
涙はがまんをしませんでした
「子ども達を徴兵させる…」
―――子ども達が軍事訓練をする姿など
考えたくもございません
この子達は何もしらない
ご飯をたくさん食べて
明るく優しい子になってほ ....
大きなひとかたまりの石の下
あたしたちはゆっくりと
水を
手放している
昨日より
今日
ことさらに
ひたむきに
あたしたちはゆっくりと
命というものを
凝縮させている
冬の寒い空
空が澄んでいて
星が輝いている
清らかな気持ちが
コポコポ湧いて
シュワシュワ
浮いて弾けて
飛んで星になる
夜空に浮かんでいる
星々は親しげで
すぐそこまで行 ....
もう二度と子を抱かぬ手で撫でる
金の無い人間を殴りつけ
ときどき金を恵んでやり、
金のある人間には金をせびり
躊躇しないジャンキーで
金のある時は大盤振る舞い
金の無い時はけち臭く
外の乞食に金をせびる
育 ....
つい涙が出てしまうのは、思い出が夕立のように降って来たとき。思い出が大地を少しずつ削り、大地の裂け目からやがて泉を探り当ててしまうとき。孤独の泉、傷心の泉、夕立は私ですら忘れていたような泉をつ ....
やまいだれの多い日記に鍵をかける
青い扉の向こうに
雪原が広がっている
かすかなノイズ
そのなかに紛れるように
一頭の白い馬
あれはあなたが放した淋しい夢だ
指で触れて
夢だと知りながら
その長い首を抱きしめる ....
詩学園は人工惑星にあった
右手に夜で
左手に光があった
脳と繋がれず魂のみで生きていた
詩学園に属していた僕たちは仲良しの友だった
詩薀蓄の授業は必須科目だったから仕方のない潰し時間 ....
卵と牛乳
砂糖を入れて
シュコシュコかきまぜ
食パン浸す
フライパンにマーガリンを溶かし
焼いたらシンプル出来上がり
小さな頃に初めた食べた
異国の香りは
本物ではないけれど
う ....
ウォーミングアップで力尽きた
リンゴを木の枝にうまく乗せることができない
その人は寒空に部屋着のまま 油断したのだ
やっと乗せ終えたところを見計らって挨拶すれば
かじかんだ「コンニチワ」と鼻水少々 そそくさと家の ....
バースディケーキの上は綺麗に飾られた素敵な世界。いつもはジミィな醤油色に彩られたばあちゃんの食卓が、がぜん夢見がちな乙女色になるから不思議。白いくりいむからは甘い香りがしてきて、苺はまるでお姫様みたい ....
握られ
ねじられた硝子の器から
水があふれつづけていた
指のかたちの溝を
無音が浸していた
樹の傍らに立つ鏡
どちらにも在るもの
片方にしかないもの
片方から片 ....
たとえば
今君が僕を好きと言ったとして
僕はどう思うだろう?
最近、怖いんだ
何か生み出したいのに
何も生み出せない事が
自分には何もない空虚
それを飲み込む事が
....
むしゃくしゃくしゅん
気持ちのスイッチパチンと
切り替えられたらいいのにな
どうでもいいことが
どうにもよくないからよくないね
むしゃくしゃくしゅん
花粉の前触れか
誰かが噂している ....
対向車を運転する老婦人が
お辞儀をして直進していった
交差点で
右折待ちのわたしに
丁寧にお辞儀をしてくださった
法律上
直進が優先されるのだから
お辞儀など必要ない
....
バラードでもヘッドバンキングするのか
オイラおっさん猫2003年生まれだからおっさん猫
同年にあかねちゃんに拾われたから毛食住セレブ猫
時が流れておっさん猫 でもかわいい健在の猫パン チ
最近は赤ちゃんがオイラを ....
猫砂に埋もれた二人の思い出は
一部は綺麗に乾涸らびて
形だけくっきりと存在している
一部は砂がかけられずに
異臭を発して、未だ砂の上の鎮座する。
軋む心と身体を引き摺って
ほん ....
めざめは はるかとおく
めざましは なりやまない
汽水域からの 電話の呼び鈴が
あんなに激しく鳴っているというのに
あらたな就職口からの
電話だというのに
めざま ....
私が不治といわれる病気になった時
学校のことや
子供会のことなんか
代わって引き受けてくれたママ友に
「いろいろごめんね」と謝ったら
事情を知っている彼女は言った
「そんなこと、気にし ....
ひとり双六で『1回休み』のマスにとまる
まるで、
天国へ来たみたいな
魔法の王国、
奴隷たちの楽園
貧乏な家の子供たちや
家のない少女たちが
一生に一度は行ってみたい
憧れの、別世界
ブルーランド
外は寒くて ....
わたしを見て
瞳に映るわたしだけがわたし
わたしがわたしでいるために、わたしを見て
大陸を渡り海を越え
渦を巻き
街を空を
夜を冷気をかき混ぜる
降り落ちた闇を雪をまき上げ
小枝を折り幹をしならせ
あらん限りの嘆きを呪いを
憎しみを籠め
声を震わせ
吠える
呻る
....
たくさんの人と
映画を観るのもいいものだ
レンタルビデオ世代の私は
ワタクシの空間で
ムキムキのヒーローや最新技術のおとぎ話
古今東西憧れて漁るように
観てきたけれど
最近映画館で観るの ....
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