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 ―あのね〜、お母さん!
  今日ね、お弁当の時間にね、
  ちーちゃんが一人で笑い出したの。
  だから「どうして笑っているの?」って訊いたら
  「分からない」って。
  それでもちーち ....
パンジーの隣に
スィートアリッサムを植えようとして
移植ごてを手に
しゃがんでいた

視界をよぎる小さなプリズム

見上げれば
空はどこまでも青く

あたたかくなりましたね
本当 ....
さみしいと言えぬ口が春の歌 18歳の君の春は
新しい生活の始まり

知的障害を持ちながらも
厳しい自立を自ら課し
家族と離れ
グループホームで暮らし
工場で働く

そんな君の切実な悩み

そして
性欲
 ....
横浜の姉に電話する。
料理や家事のことでわからないことがあると
姉にきいてみるのだが。

姉もだんだん逝った母に似て
話が長くなってきつつあるようだ。

煮ると焼くしかない僕のレパートリ ....
「かわいい」
保育園の部屋に初めて入った周を
年長の女の子が、迎えてくれた

「じゃあね」
僕と妻はにこやかに手をふって
若い保育士さんに抱っこされたまま
きょとん、とする周をあずけてか ....
嬉しい嬉しいと動き回って 一時逆子になった君
この前2100グラム 少し大きめと

きっと愛情過多ね 今から親馬鹿ね 

嬉しい嬉しいと動き回って そんなに嬉しいの?
同じくらい嬉しいよ
 ....
抜けた髪を拾い集めて
飲み干せもしないグラスを舐めている

あんなに昔好きだったスツールも
今は
あんなに昔好きだった本の墓場

指先であばらをなぞる
骨がある
皮が包む

あん ....
春という素性の上に
細いすじがねを
うっかり高く伸ばしてしまった
ふたりは
よりかかりあう
その寸前で
定冠詞のような
小さな花を咲かせている

あなたはわたし
わたしはあなた
 ....
{画像=140426112527.jpg}

都会の一角に寄り添って
おまえは小さき声を上げていた

1月の薄い陽射しを浴びて
身体には輝く黒石の毛皮をまとい
丸まり
鞠のように丸まり ....
アンパンマンの首から下を食べるのは なし コーヒー豆を煎っている
剥けてくる薄い皮を丁寧に
吹き飛ばしながら煎っている

誰かのためでもなく、自分のためでもない
ただ美味いコーヒーになるように
細心の注意を払っている

窓から ....
昼下がり 
古いテニスコートを占領して
自転車の練習をする女の子
もうずい分上達したようで
ぎこちなくだが転びもせずに
不規則軌道を描いている
ヘルメットを被った人工衛星
昔は誰も被って ....
甘える
それは奮い立たせる刺激がない、もしくは、そんなもの、要らないから

私は、何かになろうという気持ちがないし、あなたは
病気を治し、社会へ戻ろうという気持ちがない
似たようなふたりが
 ....
鳩尾を透過していく
風のライオン
たてがみの感触に
背中が粟立つ

睫毛を蹴って逃げ出す
光のインパラ
ボンネットを飛び移る
逃げ足が眩しい

舗道に投げ出された
影のアミメ ....
私の目はどんどん見えなくなっている
ぼんやりと、ゆっくりと、確実に
どんどん見えなくなれば
みなの姿も あの人の顔も
どんな感じなのか 憶測で考えていくだろう
できるだけいい方向へと思う ....
 水は、万象の旅人

 生き物の身体は
 彼等の泊まる、仮の宿

 水よ

 お前が
 笑いさざめくのは
 春の林床に降り注ぎ
 小川を結び、走るとき

 お前が
 咳き込み ....
舟から生える樹
川岸の影
海を描く霧
器の水に
沈む糸くず


雪が雪を追い抜いて
土や花を振り返る
土にも花にも
雪は見えない


酒に勝つ甘味が見つからず ....
飛行船追いかけて知らない町 ことばに変換できない
内に断層の捲れ上がる感覚
{ルビ穿=うが}たれた二つの池が風もないのに細波立つ
千も万もの透明な手足を生やしては
縋るものもない空の空を
死にもの狂いで掻き毟る

 ....
私は卵を毎日産む
優秀な鶏
多くの同胞と同じように
一羽ずつ
ケージの中で大切に守られ
整った環境で
健康に育てられ
栄養が 無駄な筋肉や
要らない羽にいかないで
卵のみに集中するよ ....
自分が思っているようには
他人は自分を見てくれない

それで私は
極力自分を
客観視しようと試みた

気付いたら
他人の顔色ばかり伺って
ますます自分が
わからなくなっていた

 ....
番犬にならない犬がよく食べる わたしに
ゆ という文字を
教えてくれた人は
あたかもそれを
ひとふでがきのように
描いてみせるので
その曲線の美しさに
魅せられたわたしは
日暮れて
昏くなるまで
いくどもそれを ....
素直じゃないって言われた
すぐ屁理屈で反論するから
知らないくせに

じゃああなたは何を知っているの
教えられたことだけがただしいの

人を好き嫌いで色分けしていないの

無我を論じ ....
ハズレくじで折った飛行機が飛ばない 果樹よ
みはたわわか
きょうわたしは帰る
だれもいない故郷
だれも食べることない実が
熟れて落ちて土に帰るなら
わたしも帰る
静かな庭に
沈みおちる
音もなく
過ぎる
 ....
そのわらべうたは
作者不明だという

畑に添って
作られた石垣
その隙間から
シダやペンペン草が顔を出し
しっぽがふたつに別れた小さな虫が
忙しそうに出たり入ったり
雨が降れば
水 ....
拍手のタイミングがわからない 左手首の動脈を
右手の指先でさぐり当てる
脈に触れれば
自然とそれを数えてしまう
まるで
生きていることを
確認するように
えいえんに似たそのリズムを

日が暮れて
血の匂いがする ....
イナエさんの自由詩おすすめリスト(3365)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
八本のダフォディル- 夏美かを ...自由詩18*14-4-30
シャボン玉- Lucy自由詩13*14-4-29
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小さい靴_—入園の日に—- 服部 剛自由詩1614-4-25
母性本能- 朝焼彩茜 ...自由詩17*14-4-25
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相似形- そらの珊 ...自由詩1514-4-25
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アンパンマンの首から下を食べるのは_なし- 北大路京 ...自由詩1414-4-24
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21℃_31%_4m/s- nonya自由詩19*14-4-24
さよならの鎖- 唐草フウ自由詩16*14-4-24
透明な声- まーつん自由詩14*14-4-23
ひとつ_冬辺- 木立 悟自由詩414-4-23
飛行船追いかけて知らない町- 北大路京 ...自由詩714-4-22
軋む人- ただのみ ...自由詩16*14-4-22
白色レグホン- Lucy自由詩20*14-4-22
客観視- Lucy自由詩15*14-4-21
番犬にならない犬がよく食べる- 北大路京 ...自由詩514-4-20
- そらの珊 ...自由詩2614-4-20
不完全な買い出し- 梅昆布茶自由詩1014-4-20
ハズレくじで折った飛行機が飛ばない- 北大路京 ...自由詩614-4-18
そこにたどりつく夢- 遙洋自由詩7*14-4-18
アルカディア- そらの珊 ...自由詩20*14-4-18
拍手のタイミングがわからない- 北大路京 ...自由詩514-4-17
夜の洞窟で- そらの珊 ...自由詩12*14-4-17

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