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はずしたメガネも夜に包まれていった 私は部屋を作った
始めた頃の記憶さえ霞むほど
長い長い時間をかけて
がらんとした真っ白い部屋

いろんな場所に出かけて
美しいと思った光だけを集めたら
真夏の南中した太陽の光に似た
真 ....
■街灯の下■
ずっとそこにいたのですか
ずっと一人でいたのですか

私は何度
あなたを通り過ぎてきたのですか。





■氷■
私の中には氷があって
子供のころからずっと ....
足の下の土の地面は
昔とちがって歩きやすい。
水はけもよくてジョギングに適した土が
使われているそうだ。

それでも 私の足は覚えている。
ジャリジャリの小石の入ったデコボコ道
塗れて指 ....
あなたの眼差しを入り口にして抱かれる
薄青色の抱擁はとても温かい
奥へと進めば進むほど
現世は力強い鼓動の音に打ち消され
忘我の境地へと潜り込む

何も食べず、何も必要としなくていい
あ ....
道ばたに
若いビジネスマンが
うずくまっている

心配して声をかけると
苦しそうな顔をして
ほとんど象になりかけていた

大丈夫です
と、忙しそうに立ち上がり
がんばっ ....
  開き箪笥の蝶番がこわれたの

そう言えば10年前にもこわれたな
  
  今度は違う蝶番

貧しかった頃に買った
安価な開き箪笥の蝶番は
僕たち家族の生活を
ささやかながら支えて ....
つまんないもので塀を築いて
おもろいものには目もくれず
いったいなにが楽しいのと聞いたら
「これが人生よ」と言われた

安いものを至上と信じて
ありきたりの色を重ねて
どのへんに君のこだ ....
隣の家の目覚まし時計に起こされた 沼のほとりにあなたは立って
覗き込む
濁る水底
揺らぐ藻の影
素早くよぎる魚の気配に
煌めく泡が
まっすぐに
昇ってくるのを待ちながら

言葉の淵にあなたは立って
覗き込む
尾び ....
あの草原のうえに浮かんだ雲はいまもかわらない
風はやわらかな吐息とともに春をはこんでくる

春待ち鳥は歌声を整えてこぼれる季節にそなえる
翻弄されながらもまた花びらとなって流れてゆく
ひとの ....
左腕に
浮き出た内出血の痣
八年前に受けた
ハーセプチンの点滴は
あたしの血管までもぼろぼろにして
以来 採血は
看護士泣かせの儀式となった
その痕を
老いた母は
かわいそうにと
 ....
私の中に言葉がやってくると

私はつい沈黙してしまいます

・・・私、詩人なんです

馬鹿馬鹿しい事に



私だってジャニーズが好きです

特に、亀梨君が好きです

真面 ....
西側の二脚の椅子に
座っていた
子らは
ふくふくと育ち
ようようと三月へと出かけていった

つながったひとつのベンチに
結果 残されたようになった
夫婦は
横に座って
同じ景色を眺 ....
月が昇らぬ夜もドカドカ歩く ひとの心に降るという
ましろな雪に
触れたくて
ずっと
ひとの命に寄りそって
ひとの命を
慕ってきたけれど
それは
もしかしたら
ひとの命を奪うことに
なっていたのではあるまい ....
寒すぎるサーバー室で眠った彼は
真冬に新月で小指を切る夢を見た
次の朝になって彼が目覚めると
世界の半分が失われていた

空腹の彼はコードで繋がったまま
駅前まで歩いて喫茶店に入った
注 ....
今日は悲しい

失敗は誰もが怖い

高い理想をもつからこそ
プレッシャーに押しつぶされたり

完璧な自分を想像するからこそ
同時に崩れてしまう恐怖に襲われる


空想の中の世界は ....
都合の悪いことや
不快なことは
予め伏字にするという
配慮が
いつからかこの国では
行きとどいているので
よほど気をつけていなければ
事実は見えない
まして
事実を都合よく見誤ろうと ....
【人間】
初めてのアルバイトは中学1年の冬休みだった。
親戚の雑貨店でのレジ打ちの仕事だった。
年末のある日、事件は起きた。
その日の昼食後、レジに戻ろうとしたら、おばあさんが
お茶碗を買い ....
音のない窓辺で
ねこは多摩川の景色を見ている
遊びたいなと思って
幾人かの子供達を見ている

外に雪が降り積っても
ねこは多摩川の景色を見ている

外に出たいなと思って

同じ時刻 ....
いのちの素描 
躍動の結晶を背景に
白い天啓の不規則性
欺くように舞って

――つめたい耳たぶに腰をかける
   そとには沈黙が降り積み
   うちには言の葉降り積む

  
   ....
ボールが転がる音がして
振り向いたら
それは冬が去っていく音なんでした

冬は寒いものを転がして
古くなったものを巻き取って
辺りをふかふかの風景にしていきます

それが春なんでした
 ....
乙姫をアンプにつなぎ流水爆音 道化者
僕はただの小心者
小心だから
嘘をつく
ばれるに決まっている嘘を

はじめはうまくいっていた
あまりにも
うまくいきすぎて
引き返す道を失った

ばれるのが
怖くて
 ....
夏の夕方に訪れるあの湿った憂鬱は何なのだろう。世界がいつもと異なった網の目に組み替えられるような、あの憂鬱は。目を楽しませてくれていた植物も奇怪で滑稽なものに思えるし、耳を楽しませてくれていた蝉の ....      寒かったから
     息を吐きかけ
     こすり合わせる
           
     店先のディスプレイは
     パステルカラーが
     華やかさを競って ....
人は殺しあった
動物も殺しあった

植物もまた
日向と日陰に生まれ
殺しあうつもりもなく

日陰の植物は死に
日向の植物は育った

人は人を殺すために
生まれてきたの ....
時空を超えてある街に出る。
星のない夜だったが、街中は人工色のネオンで煌びやかに輝いている。
立ち並ぶクラブの扉の向こう側から活気に満ちた音楽が流れてくる。
アルコール臭の漂う中、道端に散乱 ....
再就職先の紹介をした知人に
立派な菓子折りをもらった

上用饅頭が詰まっているものと
内心ほくそ笑んだが
上品な包装を開けてみると
見事な上げ底であった

しかし
饅頭を取り除けた底 ....
イナエさんの自由詩おすすめリスト(3365)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
はずしたメガネも夜に包まれていった- 北大路京 ...自由詩514-3-1
穏やかな日- 山部 佳自由詩614-3-1
街灯の下_など六篇- クナリ自由詩5*14-3-1
この足は覚えている- bookofheaven自由詩4*14-3-1
回帰- 由木名緒 ...自由詩5*14-3-1
象さん- 小川 葉自由詩814-2-28
蝶番- ichirou自由詩10*14-2-28
塀のある暮らし(2014.2)- 新嶋樹自由詩414-2-28
隣の家の目覚まし時計に起こされた- 北大路京 ...自由詩714-2-28
沼のほとり- Lucy自由詩19*14-2-28
流れる- 梅昆布茶自由詩1314-2-28
【紫の華】_詩人サークル「群青」二月のお題「紫」への提出作品- そらの珊 ...自由詩13*14-2-28
詩人女子- yamadahifumi自由詩514-2-27
二月は未来を調整します- そらの珊 ...自由詩17*14-2-27
月が昇らぬ夜もドカドカ歩く- 北大路京 ...自由詩614-2-26
暴風域- 千波 一 ...自由詩614-2-26
ある朝- 自由詩1214-2-26
悲しいのは今日のこと- 葉月桜子自由詩414-2-26
配慮- Lucy自由詩24+*14-2-25
アルバイトの備忘録- ichirou自由詩19*14-2-25
多摩川とねこと雪- 2012自由詩314-2-25
二月・北国では- ただのみ ...自由詩16*14-2-25
春待ち- 小原あき自由詩11*14-2-25
乙姫をアンプにつなぎ流水爆音- 北大路京 ...自由詩1114-2-25
ピノッキオ- Lucy自由詩11*14-2-25
- 葉leaf自由詩514-2-25
隠したのは袖口でした- 石田とわ自由詩14*14-2-25
一瞬の、平和- 小川 葉自由詩614-2-24
乾いた現実- ヒヤシン ...自由詩4*14-2-24
饅頭- 山部 佳自由詩814-2-24

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