すべてのおすすめ
凍結する
冬の寒風に身を晒し 、立ち泳ぐ
辺りには静寂が満ちていて
指先から徐々に冷えてゆく
あらゆる感情の蛇口は
かたく閉じて
それがいいことなのか
悪いことなのか
判断すること ....
冬枯れの樹の下でなぜ孤独を感じる必要があるのだろう。
そんなことを自分に問うた事のある人が一体いくら在るのだろう。
自分に課した約束を反故にした人は一体幾人いるのだろう。
犯した罪の ....
カーテンを開ければ あたり一面銀世界
「朝食食べたら、雪だるまを作ろう」
ホストファーザーが誘う
「えっ!でも私会社に行かなくちゃ!」
「えっ!何を言ってるんだい?こんな日に会社に行くバ ....
マシンガンに撃たれたい夜がある
主人公であるなら
殺されてはいけない
最初に殺される被害者は主人公ではないからだ
犯人か探偵であるべきだ
だが誰かが殺されなければ
犯人は犯人たりえず
探偵も登場しないだろう
つまり殺さ ....
言葉にしないことがある
このことを言葉にすると
君の不安が増えるから
だって
言葉は
安心より不安に寄り添う力が強いから
言葉にしたいことがある
このことを言葉に ....
ギャフンと言おうとして舌を噛んだ
パスカルの「パンセを」を開いたまま
{ルビ転寝=うたたね}をした、瞬時の夢の一コマで
見知らぬ教師は
黒板の上から下へ
まっすぐ白い線を、引いていた
そこで目覚めた僕ははっきり、{ルビ識 ....
正しくありたい
そのときどきに
間違いなら間違いの中で
正しくありたい
他と違う
そんな風でなく
まったくおなじように
正しくありたい
いつでも
違っているから
自分が だ ....
光の子供たちが浮遊する緑野に
きっとこころの種もあるのでしょう
跳ねてはしゃいだり転げたり
悪さをして群れている子供たちに混じって
金色の繊毛におおわれてふわりと浮かんでいたり
葉に ....
夕暮れの空を見上げると
今日はお月さまがいない
と思ったら
真上やや後方から呼ばれた
「ココニイルヨ―」
ふりあおぐと三日月
こないだ見たときは
真っ黒な空の真ん中で
薄笑いの口みたい ....
明日は待ちに待った卒業式だ
そして
俺はこの日を待っていた
明日で中学は終わり
みんなバラバラと散らばっていく
背水の陣
退路は断った
まゆみに
俺は今日告白する
「大事 ....
かつて 営業時代に
一度だけ 映画を観に行ったコトが 有った
何処から サボリなのか
何処までが マジメなのか
線引きをしたかった お年頃
あの頃は 若かった なんて
十年 ....
婚期の逃げ足に追いつけない
年賀状をもらったら
ほめことばにくるんだ
苦言が書かれていた
つまり
頑張りすぎる貴女
見ててしんどい
そういうことね
それで
新年の抱負ができた
別に頑張ってないから
....
瓶の中にとり残された
ピクルスひとつ
蓋が開くのを ただ
待っているだけの日々
見通しが良すぎて
すっぱい孤独
《ピクルス:2013年11月10日》
十六で嫁入りした祖母は
まだ娘だったから
近所の子供達と鞠を突いて遊んでいた
すると 嫁入りした女はもう
そんな遊びをしてはいけないと
誰かの叱る声が聴こえて来たという
春の夜 ....
東京駅構内
3歳ぐらいの男の子が
しまじろうのぬいぐるみを落とす
ハイヒールを履いた女性が
しまじろうをつま先でカスるように蹴飛ばす
20cm程前方に滑るしまじろう
し ....
腰が大きく曲がった
近所のおばあちゃんが通るたび
あの中には何が入っているの?
と、母に質問して
そんなこと聞いてはいけません
と、言われた
大人はいつだって
ほしい答えをくれやし ....
花柚子を貰った
実家のお向かいの家で
段ボール箱3箱も採れた内
実家でいただき、
そこから、
わたしも鍋いっぱい分けて貰った
柚子は好き
柚子胡椒も好き
柚 ....
露草な心のまま こぶしを天に突き上げ
リズムを刻むたび 霧が 晴れてゆく
遥かな思い出は 縁側の飛行機模型
竹ひごをしならせて 夢は青空
若くて死ぬことも
老いて生きることも ....
私の記憶が確かならば
去年の今頃は猫がいました
私の膝の上に私とは正反対の
とても品のある猫がいたのです
気づいた時にはもう既に
あたり前のようにいたのです
私の記憶が確かならば
去 ....
呆けた猫が毛づくろい忘れている
港街のとある酒場で出会った爺
コップ酒で赤ら顔、威勢は良くて饒舌で、昔語りを捲くしたて、嘘か誠か話の先で、次第に次第に静かに眠りこむ。
小柄な爺の世迷い言
小僧よく聞けこの俺は
十五の ....
手渡しされた新しい年は
少し
湿り気を帯びていて
私の砂時計は
サラサラと流れていかない
古い年に取り残されたものたちが
色を失い
塵、となって積もっては
風に吹かれて
冬空に溶 ....
変態がたくさんいて心強い
半年ぶりの実家はいつも通り
父は孫と はしゃぎ
母はセカセカと 動いている
ちょっと気になる
カレンダーと
冷蔵庫に貼られたメモ用紙の枚数が
カレンダーはもう日付がわからないくらい ....
伯父さんのお葬式の日に
父に会いに行った
病床で 夢と現のあわいを
ゆっくり行き来している父は
「今○○さんが来て行った」と
仲良くしていた兄の名を言う
その人が亡くなったという事を
お ....
栗色のたてがみをなびかせ
どこまでも駆けて行く
その凛々しい姿どこまでも
草原の果て 日の昇る場所
おまえは駆ける 駆ける
休むことを知らない
この大地をどこまでも
おまえはひとり駆けて ....
ことしもあたらしいかなしみがやってくる
それでいいのだと思う
ことしも友が去ってゆく
それはしょうがないこと
遠慮なく時は過ぎひともかわる
すべてをうけいれてはいられない
僕の ....
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