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てのひらの紅い花
恋とともに散りました

頬をかすめた桜花
友とともに散りました

胸に抱いた白い花
母が亡くなり散りました

空を仰いで流れる
涙を
そっと指でなぞり

想 ....
ほんとうのことを、
ただ、ほんとうのことを、
触られたくないばかりに、
腹に膜をつくった。
人はそれを「ウソ」と呼ぶだろうか。
半透明のしらたきみたいな私の膜は、
私をみるみる肥らせて、
 ....
仔犬を胸に抱いた少年
あるいは
眠っている赤子を
抱っこ紐で抱えた母親
のように

買ったばかりの
ラナンキュラスの
花束を
両手で持ち

包装紙の隙間から覗いて

微笑ん ....
素因数分解した僕らは
裸足になって砂浜を駆けていく
照りつける日差しはひたすら加法だ
無限が婉曲に伸びて
規則的に押し寄せる波は
静かに四本の絃を鳴らして去っていく
これ以上はない
その ....
圧力鍋の中で椅子取りゲームが行われていた。
「誰もその椅子に座りたいのだ」と言い出したのは
課長補佐だった。
「トレンドとブレンド間違えちゃいけないよ」と笑ったのは
有閑マダム。
三ツ星だか ....
鏡を覗くと、
影の目がこちらを見ていた。
私も影に視線を返した。
すると鏡から影の手が伸びてきて、
私の輪郭を包み込む。

*

黒い塀がどこまでも続いていた。
私はび塀の向こうの世 ....
あるとき哀しみがやってきて
壁紙を引き剥がし読みかけの
テーブルの上の本を引き裂いてゆく

暗幕で覆われた部屋には夜しかない
そう曠野はいまこのこころに映る風景なのだ

それでも半額のシ ....
人は
ひとひらの
花のように舞い
着地するまでの
風を感じ
陽の光を浴びて

寂滅の歓びの中に埋もれてゆく

歓びも悲しみも
大したことではなく

ひとつひとつの現象がただ通り ....
暗い夜 かの女はやって来る
静まりかえった廊下にうつろに木霊する甘い声
その濡れたような声 きつく漂ってくる麝香の香り
そのとき ぼくはいつも自然に布団の中で目覚めている


やがて襖はお ....
柔らかな
背中の地図を這う指先に
明日を占い
地獄を垣間見て
白蛇のような舌先で
あなたを舐めつくす
不思議なその眼差しに
見入られて
心が波立つようです

巡りあったのはレタスの ....
束縛されない生なんて一時も無い
愛しきれたひとなんていなかった

孤独は平気だが
孤立しては生きてゆかれないから

哲学書を逆から読む
偏ったじぶんの人生観の途上で

ニーチェや仏陀 ....
海になりたい

あなたの上に
覆いかぶさり

あなたの上で
おんおん
泣くんだ

あふれんばかりの
わがままで
あなたを
根こそぎ奪うんだ

行かないでって
言えばよかっ ....
海に向かって叫ぶことではなかった 出会い頭の事故というのがある
この狭い家にも

トイレのドアを開けると
出会い頭の事故にあう

風呂に入ろうとして
ドアを開けると
その人はいつもそこにいる

襖を開け ....
蛹の中で身じろぎする幼生の
息遣いほどの微雨
清流に屹立する山岳の岩は
主たる寡黙な黙想に耽り
棲みつく生物たちの呼吸を内包する

母を疎う駄々としてか
広野に下りた者は口々に囁く
懐 ....
昨日今日明日、
きのうきょうあす、
くりかえして、
くりかえして、
私たちの雑巾はもうぼろぼろだ。
日々雑巾を絞る。
木綿糸で繋ぎ会わせた縫い目からは、
明日の台所がみえる。
絞る手の ....
実験工房にて
神学を爆破する導火線に
火をつけてみる

解体工房にて
蔓延するヘイトスピーチの
舌の根を根絶する
スナイパーロボットと
遊ぶ

あの建物は
もう誰もいないのに
 ....
水中花の生き死にを
誰が気にすると言うのだろう?
美しければそれで良い
上辺を飾る強さが欲しい

死臭を香に混ぜ込んで
命(いき)を留めて時を止め
美しければそれで良い
愛されたいのダ ....
砂のような
罵詈雑言を
浴びせられても
べつに痛くもかゆくもない
友達だったこともないヤツから

雨の日に浮かれ
這い出てきたのだろう か細い
蚯蚓が

ぺかぺかに光って
張り付 ....
岩を砕き
オリファルコンを突き
水を求める
それが俺の仕事ならば
もう何処にも彷徨うことなく
水を探せ

固い地盤を爆発させて
水を得るのだ

透明な
透明な
碧い水を分け与え ....
どこか
骨の
奥底に
黙って居座る
黒い眠りのような
小雨の朝

歯ぎしりする歯が
もうないのです
そう伝えたいけれど
そこには誰もいなく
部屋の中には
少年のまま
老いた私 ....
枯れてしまった花々が横たわる道端で
明日来るバスを待っている
夕方まで降り続いた雨のせいで
街は水のにおいがする
ターミナルのベンチはわたし一人
これ以上誰もやって来ることはない ....
浮かんでは消え、
浮かんでは消え、
イマージュを繰返し、
私の胸をえぐり抜いていくもの。
ことばとは、憂鬱だ。
生まれてくるまで、
腹痛のような鈍い痛みを孕む。
突き放そうとしても、
 ....
鳥は、
空を空と名づけない。
鳥たちにとって空こそが、
果てしない大地だから。
鳥たちは、
彼らは翔ぶことを意識しない。
彼らは空を駆けている。
全速力で、遠く、遠く。

魚は、
 ....
万年床に二人
背中を合わせて眠った日々
コンビニ弁当だけを食べていた
明日の幸せを祈りながらも
現実というナイフは許さなかった
馬鹿だと承知しているものの
本能は許さなかった

西新宿 ....
地上の夜がすぎさって
ぼくはずっと散歩してた
ように思う
すべては 夜の中

さびしいひと
無理でもげんきになって
また、体を出しにいく

夜の中で
あすになるまで待ってら ....
世界でいちばん大好きな君に
上海美人の君と
玉川温泉に行こうとおもう

蘇州は水の世界
上海のなんとか空港は海のそば

テレサテンの空港を
しっとり歌うきみは

僕の恋の予感を
 ....
憎しみが始まる
気づかぬうちに

理由も動機もないまま
操られ

私の敵は
君じゃない
君が憎むのも
私ではない

互いに見えないのだから
気にすることはない
なのに
君の ....
もみの木のてっぺんで何してやがる
季節外れの煤けたお星様って訳じゃあるまいし
カラスのくせに風見の真似か なに
風は見るものじゃない 乗るものだって?
違いない 世のなか乗ったもん勝ちよ
だ ....
垂直な疑問符を諳んじる水晶体に
「お前は誰か」と問われれば
動揺はあらわな宣誓を開示する
ありふれた病名さえ二重傍線に埋もれ
白いハンカチで覆われれば
ありふれた終末期を万年筆が叩く
その ....
イナエさんの自由詩おすすめリスト(3366)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
流れるままに- レタス自由詩516-5-13
風船- あおい満 ...自由詩516-5-12
街角- Lucy自由詩17*16-5-12
青空の下で- 乱太郎自由詩9*16-5-11
圧力鍋- 為平 澪自由詩216-5-9
吸い殼- あおい満 ...自由詩516-5-8
窓から見える曠野- 梅昆布茶自由詩1416-5-7
花埋み- レタス自由詩1316-5-7
骨女- 本田憲嵩自由詩316-5-6
刺青- レタス自由詩1216-5-5
使命- 梅昆布茶自由詩1116-5-5
海になりたい- umineko自由詩14*16-5-4
海に向かって叫ぶことではなかった- 北大路京 ...自由詩616-5-4
出会い頭の事故- 小川 葉自由詩716-5-4
◎改行されゆく地平線- 由木名緒 ...自由詩12*16-5-4
- あおい満 ...自由詩616-5-3
実験工房にて- 梅昆布茶自由詩1116-5-3
水中花- 梟 由香 ...自由詩3*16-5-2
乾燥地帯- Lucy自由詩16*16-5-2
水守- レタス自由詩10+*16-5-2
5/2- 山人自由詩12*16-5-2
夜明け前、記憶の中で明日を- ホロウ・ ...自由詩10*16-5-2
空の十字架- あおい満 ...自由詩516-5-1
遠く深いものたちへ- あおい満 ...自由詩716-4-28
還らざる日々- レタス自由詩516-4-28
あけて- 唐草フウ自由詩14*16-4-28
私は何者でもない。- 梅昆布茶自由詩5*16-4-28
所属- Lucy自由詩14*16-4-27
風談義- ただのみ ...自由詩13*16-4-23
◎奇術師- 由木名緒 ...自由詩916-4-23

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