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雨はいつ止むのだろう
あなたの柔らかな胸のなかへ
いっぴきの野犬をときはなちたいのに
この雨はいつになれば止むのだろう
決意にみちたやさしさよ僕を睨め
凪より ....
晴れた朝は寒いよ
抱いた膝さえも
もっとどんよりと
できれば空から
私に呼び掛ける様に
何かが降れば良いのに
何も無い自由と
そんな呼び方
良くはないけれど
そう思う
独り ....
漠然とした不安に
暑苦しいくらい重ね着させて
頼りない平気に
大袈裟な添え木をして
大丈夫という
お題目を唱えながら
見て見ぬふりの
巡礼の列は果てしなく続く
弓なりに反りかえ ....
あなたのために
と前置きしてもらわないと
わかることができない
愚図な女の子がいて
街頭でこの年の終わりにも
募金箱をかかえている
お金は思っていたように
集まるし
思っていたように
....
まぼろしをみているのではない
みずうみが現れて問うのだ
「なぜ来たの」
「だってわたしのなみだがみえませんか」
躊躇わずに応えていた
確かに泣いていた
さびしさと
寒さに
いくども ....
四歳くらいだった
目覚まし時計を
何を思ったか
分解バラバラに
親に殴られ
組み立てを試みた
ちゃんと
組み立てられたかの
記憶はありません
どうやら
私の癖らしい
そう言え ....
ふくれあがるは悲しみ
こぼれるのは涙
ひとすじの涙
12月の日本列島に、台風より大きな低気圧が上陸した。
「かつてない規模の雪雲が流れ込み、
猛吹雪、記録的な大雪のおそれがありますのでご注意ください」
落ちてきそうな厚い雲を透かして私のあやふや ....
女の人の持っている鞄が気になってしょうがなかった
遠くへ行けば行くほど 鞄を欲しがる様になっていった
ピンクのショルダー
黒のハードな合成革に金の鎖のアクセントの物
軽量ダウン地のブ ....
体が動きません
息が少ししか出来ません
瀕死です
妻に毒を盛られました
してやられました
瀕死です
今日の晩御飯の味噌汁に
入っていたみたいです
妻はなめこ嫌いなので
....
深夜の寝覚め
小便もしたくないのにどうしたのだろう
開いた瞼の上に
電球色に落とした蛍光灯が温かい
冷蔵庫が時々なる以外は
とても満ち足りた静けさだ
隣を見る
そうか、あいつはも ....
例年にない大雪で
なれない除雪に悩む市民をよそに
ひたすらアパートの除雪に精を出す
あいつ
――大丈夫 おれ 雪国育ちだから
観測史上初を連日更新する中
近所の家々をまわり除雪 ....
冷血漢なしののめに
よだれを垂らすカーテンを開ける
おいぼれきったおひとりさま
「時」がうつつを抜かしていた
「空」はうつつに拡がっていた
「風」と「光」を ....
とんとんとんとん
すり鉢で
ぐるぐるぐるぐる
潰して
がしがしがしがし
裏ごしまでする
上手にごっくん出来るように
私はこの愛情を楽しんでいる
食事と愛情
....
胸に巣食った小さな影が
あなたの時を刻み続ける
砂時計のオリフィスを
いつの間にか歪めていたのかもしれないと
あなた自身が気づいてから
あなたはきっと違う風景を見ている
そう、残酷な告 ....
立ち尽くす交差点
違う、ここはどこだろう
詰めこんだばかりの新しい考えで
詰めの甘い、詰め甘い世界に失望する
手の届くはずだったのに
どこだろう、いったいどこにあるのだろう
#あいうえ ....
しゅんしゅんと音を出すヤカン
熱のこもった部屋
薬瓶をシャカシャカ振る
飲もうか飲まないか
この症状を誰に伝えよう
熱をあげている
証明できるせっかくの機会。
教えようか教えまいか
....
見よ 夕焼けを照り返すほの暗い進化の井戸に化石した都市はうずくまり
たわわな花火をしげらせ枝はしなだれて
反転する視界に渦巻く積乱雲のふもとの石の階段
奈落の淵にさえずる木の実の色のように君の思 ....
そうして物語の行間
壊れた時計から逃げ出せない二人は
互いの体臭を帯びた愛の上澄みのやるせなさが
ゆっくりと肺を満たし魚に変わるまでの昼と夜を
ナイフのような耳で削りながら冷たく灯していた
....
ヤケドしそうな体温も全部私が選んだ君
空から雫が降ってくる
そんな日がすきだ
同じものがからだのなかにある
こわれた玩具の痛みをしらない街に棲む
風に翻って反転する記憶の陰翳を編む
この電話も壊れてるんだ
だから意味を ....
期日前投票が許されてんなら
期日後投票だって許されんだろ
と役所に今から行くって
電話したら、病院の電話番号を
教えてくれた
さすが行政サービス行き届いているねえ💃
仕 ....
昇進の日に丸いものを食べてはいけない。あるいは、昇進の日には誰にも挨拶してはいけない。私が通勤していると、電車の中で誰かが「昇進」と呟いた。するとその呟きはたちまちに感染していき、通勤電車 ....
学校で
話しちゃダメよ
うちでどんな
新聞とってるかなんて
話しちゃダメよ
お父さんとお母さんが
どこの党に投票したかなんて
どうしてお母さん
戦争は人が殺されるから
反対っ ....
もっと上手く生きられたら
傘も飛ばされずに済んで
水溜りも避けて通れた
気づかないふりをして
痛みに触れてみても
生温かいものがあるだけ
きっともう動かない
ねえ、用意は ....
ずっと前から
大きな壁があって
私は背が小さいから
ジャンプしてもなかなか届かなくて
今はそれをも超えるような
大きな声が欲しくて
気持ちを伝える勇気が欲しくて
どうも上手く ....
こぼれた言葉が夢を覚めさせない
もうずっと遠い昔に
絶望から一歩を踏み出して
歩いてきた僕だから
これ以上裏切られることもないし
やけのやんぱちにもならない
光りあふれ
花咲く道の途切れる先に
真っ暗な口を開け
....
コンビニを出ると
タクシーに ひかれそうになる
青い光だ
熱のない
遠い大地で
祝福されたその光に
私は
音もなく追われてる
ふと
私はあなたを想う
強い光だ
だけど
....
教育を受ける権利
発言する権利
投票する権利
を放棄する自由
国民主権
平和主義
基本的人権
を軽視する自由
歴史の途上で
辛酸と苦闘と犠牲の挙句
民衆が手に入れてきた
....
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