あしうら
そらの珊瑚

明け方
素になった
あしのうらが
のんびり呼吸をしていた

朝、起きて
人が再び活動を始めたときから
あしうらは忙しい
意にそまない誰かであっても
一緒に過ごさねばならない
破れかけた靴下と
汚れた運動靴と
坂道をのぼる自転車のペダルと
学校へ行けば
長いこと洗っていない室内履きと

汗と
臭いと
汚れにまみれて
歩く
歩き続けていく
あしうらは
今日も
二拍子のリズムさながらの
息継ぎを繰り返しながら

娘のあしうら
無防備なようで
実は強い地
くぼみには透明な水が湧き
ゆるやかなカーブを描いた丘の先に
丸い果実のような指が
横一列に鈴なりに並んでいた

未来へ続く長い道のり
たった
にじゅうごせんちの長さで
彼女の全体重を引き受けて
踏みしめていくだろう
あしうら



自由詩 あしうら Copyright そらの珊瑚 2013-05-15 14:48:13縦
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