ゆくすえ
そらの珊瑚

ゆくすえは
どこまで見まもることが
できるのだろう

吃音のことで
それほど悩んでいたなんて
知らなかったけれど
親は子の悩みを
まるごと肩代わりすることはできないし
してあげたいけれど
してはいけない

ゆくすえの
ゆくすえを
想像すれば
そこに
わたしはもういないから

紙の扉に
うすあおい朝が
透けている
始まったばかりの
雨の季節の
ゆくすえを
誰かが
無言で
見おくっている



自由詩 ゆくすえ Copyright そらの珊瑚 2013-05-29 13:36:39
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