女同士
そらの珊瑚

娘の反抗期も
そろそろ終わりかなあと
やれやれと思う反面
なんだかそれはそれで
一抹のさみしさもあり
手放した自覚もなく
ああ、季節というものは
こんな風に過ぎてゆくものなんだと思う

かあさん、下向くと二重あごになるよ

あえてそんな指摘をしてくれるのは
世界に一人だけだろう
三重あごになったとしても
だんなや息子はそれに気づきさえしないだろう
そうか
そんなら上を向いて行こう

目、腐ってんじゃないの
とか
とにかく口が悪い
でも針穴に糸を通してくれるのは娘

福はうち、といいながら
福の神も
豆ぶつけられるって
なんだかかわいそう、と殊勝なことを言う
その昔
豆を鼻に入れてしまい
取れないと言って
泣いた娘の顔が
なぜか浮かんできて
私は思わず吹き出した
節分の朝

ああ、季節というものは。



自由詩 女同士 Copyright そらの珊瑚 2014-02-03 08:41:05
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