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散ル散ル朽チル

September, high tide 気がつけば
波高き9月になって風の音が憂鬱を
足元の砂に埋めて 耳元でいつまでも
鳴り続けていた千のアリアをそっと
水に溶いて空 ....
陽ばかり 集めた
葉緑素のいざないに
うなずいた 午后の中庭
見まがうほどに 想いをこめ
緊張も痛みも しみだし きえゆく 空に
投げ捨てる ガウン/ バンデージ/ 車椅子
罪も罰も  ....
私が一人だってことくらい
わかりますよ
どうせ生まれたときからこういう運命なんです
でもそれでも生きていかなきゃなんないの
でも
でももう駄目かも
私神様知ってるからわかるの
『孤独』と ....
秘密が
秘密が欲しいの
太陽の光に照らされて
私あの娘の秘密知ってる

ごめんね山田さん
私止まらない
ごめんね先生
私止まらない
ごめんねヒロくん
私止まらない

私止まらな ....
眩しい舗道に
蝉、おちた

鳴くのをやめて
飛ぶのをやめて
褐色の羽根に
ちりちりと熱が這い上っても
黙って空を仰ぐ

  
  湿った真昼をまとい
  木陰にくっきり分けられた ....
ほんとはみんな大嫌いだし
みんな大好き
世界が僕/私たちだけのものになればいいのにね
そしたらあのスコットランドの大きな古いお城に世界中の不思議な動物たちと一緒に住むの

でも君はやっぱりあ ....
なんの兆しもなく
啓示が降り注いでくる
みどりの空の彼方から
呼応するように
たましいの最深部で
あらゆる種類の
絶望のかたちが
砂糖菓子みたいに
崩落してゆく
無限に共鳴する
あ ....
こんなとこで
一人暮らししてる女の
アパートはめちゃくちゃ質素で
内装がどうとか
隣の空き地が草ぼうぼうとか
それ以前に
とても悲しい

おれが帰るときに
また絶対来てや、とか言う
 ....
今年もまた
死にぞこないの夏の息の根を
ひと思いにとめてやる
そんな季節になりました

終電に揺られながら
窓の外を流れる夜景と
イヤフォンから流れる音を
頭の中で混ぜ合わせます

 ....

幼いころ
妹はお風呂が嫌いで
兄は爪を切られるのが嫌いで
わたしは歯を磨くのが嫌いだった
だからそのころのわたしたち三兄弟ときたら
妹は髪から極彩色のきのこを生やし
わたしはのどの奥 ....
こういう場所に来ると
スクレロフォビィによく会う
スクレロフォビィが
いちばんいなさそうな場所なのにね
なぜか集まってるのは
スクレロフォビィばっかりだったりする

   *

私達 ....
 感情のもつれを
 解きほぐすように
 受話器から延びる線を
 逆に回している
 回線の向こうの
 静かな苛立ちが
 ザーッと時折混じる
 誰か妨害しているの?

 向かい合わなくて ....
窓の外に火星が出ている 部屋の中にグロキシニア
手のひらにひやりとする不在と堆積する夜 闇夜
少女のいない部屋で道具にぐるり囲まれ
憧れに取り残されてシャツを濡らす惨めな男

目に見えるもの ....
第一幕

私に穴があいてしまった

安物のメビウスを架けて

これはピアスだと言った


第二幕

私に穴があいている

冬場は雪で埋まるけど

夏場の私は晒し首

 ....
ねえアリス、君と私って天使なんだよね、だって君の背中には小さいけれど白い翼が生えてるもん
私にも生えてる
今すぐ家を出て飛びに行こう?
あそこ、学校の近くの橋の下の大きな川
私あの暗くて深い緑色を見る ....
神様
ありがとうございます
やっぱり私今日は会えない気がしてたの

大雨
大雨が降ったの
しかもアリスお腹痛いって
だから今日は無しになった

変わりに私たちはお互いの写真を送りあっ ....
風が目を瞑ってる

 大鴉のブランコに乗ってきたの?

綿毛のメロディを髪飾り

 青空の銅像たちと仲良しになれた?

春夏秋冬 どれが好き?

 キミのことが好き
 ....
灰色の目をしていた
水の切れかかった
向日葵のように
いつもうなだれていて
青空ももう写らない
死を模して
日常を葬って
あたしには
そんなに大きな棺は
要らないの
一輪の小さな野 ....
 帰り道、そこは国道が傍にあるので車の音がごうごうとするのですが、一瞬はまるで、その一切が無くなってしまったようでした。

 鳩が仰向けになっていました、体には少しも傷がついていませんしかし、首か ....
きみをわかつ
やんわりとつつみこむ
きみをこきゅうする
きみでこきゅうする

よるをわかつ
あぁかいほのおでわかつ
こきゅうをりかいする
かんかくでりかいする

まんじゅしゃげはて ....
一学期の終わりに盗まれた一本の鉛筆の
HBの日々の夕刻にサラサラと落下した
「ばいばい」の落書きみたいなひとり言には
いつだって行間が無かった


下校時刻だった、タ、タ、タ
無 ....
忘れた景色のことは
もう、分からないから
私を追うのなら
出発は
最終列車がいい

戻るつもりのない時間帯に
その街を出てきたことだけは
今もまだ
覚えているから
どう ....
 あの小さな赤い魚が
 どうしようもなくイラつくので
 近頃はもう
 祭には行かないことにした。

『可愛い』
ということだけが
存在意義の
小さな魚に
子どもたちが群がって
頼り ....
そろそろゴミ箱から自分の声がして
「馬鹿だなあ、甘い夢が見れるまで、とっとけばいいじゃないか」
と言われて
それじゃあ誰かを思い浮かべるのは
そんなの面倒臭いんで
そのまま寝てしまう夢を見そ ....
/7月14日

バスを待つのは孤独な作業だ
ショーウィンドウに映写したすがたは
まるで霊体みたいにみえ
もしほんとうにそうだったなら
きみにもおんなじ
感謝と崇拝と
それいがい ....
私が永遠に朝にならないので
後続する螺旋は、夜空にひねりこみだしました
すると我先にと町工場が巨大プラスドライバを打ち上げて
夜のネジをぐるぐると外してゆくものだから
空からたくさん落ちてきた ....
自転車を転がして
きみの帰る坂道を
すれ違っていく

街灯の影が頬を寄せて
わたしの帰路を
こっそりと示したけれど

すぐには帰る気になれずに
坂道の終わりで立ち止ま ....
記憶を
残す
出来るだけ
美しい形のものを
渡す
それが
なんなのか知ったのは
ずっと
後の話





いつか
死ぬことを
知らずにうまれ
しばらくは
その ....
宇宙で
きみと待ち合わせして
渡しそびれたままの手紙を
きみに渡したい

そしてそこから
もう一度だけ
やりなおしてみたい

終電が終わったあとの
ちいさな水たまりみたいな
駅前 ....
 ぱぱ

 ぱぱ

 大好きよ

 心の中は、あなただけ


 会いたい

 いますぐに


 あなたの声を聞きたいの

 優しい声を聞きたいの

 手 ....
ゴースト(無月野青馬)さんの自由詩おすすめリスト(1436)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
散ル散ル朽チル- 瀬崎 虎 ...自由詩8*09-8-29
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