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この血であなたの心臓を突き刺したい
ナイフを手にその背中を追いかける
あなたは急に立ち止まり振り返って云う

刺せるものなら
刺してみろ

わたしはナイフを突き
刺し殴る
 ....
カンヴァスに描いた静物画に
わたしは真っ赤な色を置く
油絵を描く時は
その目に映るものの色と
正反対の色 ....
この部屋中にある
あらゆるものを突き刺して
壊れたオブジェをつくる
グラスも、時計も、棚も、オルゴールも、
本もめちゃめちゃに破い ....
今はもう忘れてしまったけれど
たったひとつ、
おぼえているものがあるとするなら
朝の理科室で
フラスコに入れた無色透明な液体 ....
確たるものばかりを求めていた
砂つぶてにしかすぎない自分に気がつかなかった
凡庸な日々に
埋もれ死んでいくのが怖かっただけだった
この歯を、
この腕を滅した理由を未だ知らない
診断 ....
到達出来ない極みがある
それは遥かなる山上の氷のなかに咲く花のように
近づこうとして
近づいてはいけない

わたしは、
ビニール袋を口にあてがう過呼吸症候群患者のように
こと ....
どこまでも広がる色彩こたえなき色彩
闇さえも色彩のなかにある
彼の描く世界は、
本当はどこにあるのか
見る者はその答えを探しに
際限ない色彩の旅に出る

彼が描くすべての色彩の背中に ....
忘れているものが思い出せない
そんな毎日が続いている

わたし以上に、
大切なものがあるような気がして
胸の奥が落ち着かない
賢明ながらも堕落した生活に終止符を打ちたい

十六 ....
雨のように止まらない衝動が
打ち砕くことばに
寄り添うのは自虐の情

人はいつも、
何かを忘れている、

組織でしか求めない行為というものは
何ものでもない怠慢の極み、

人は、
 ....
夜のわたしは
太陽のうしろで一人
藍色の鏡を抱いて泣いている

眠るように
唄うように

仄かに輝くことしか
ゆるされないわたしは
信ずる者は望まない

猫のように
従順ではな ....
どこかで
見たことのない
同じ夜を告げるのならば
眠らずにいよう
刹那の翳りも惜しまずに

空が目を覚ますまで
満ち欠けを繰り返し
地上を見つめ続けるのは
この世界の何かが

わ ....
灼熱の片隅で
擦れ合う声とこえ
喧噪が
水のように
ふたりを追いかけてくる

ことばが
喧噪に濡れながら
絡みつく薄い皮膜
喧噪が証明する
わたしたちは一人という事実

けれど ....
刹那の隙に覗く空も
今日は鈍色
目を閉じても
訪れない森のなかで
息をする音を探す

何かを発したくても
伝えられない感情が
冷たいシーツのなかで
絡まり縺れ合う

感情だけが
 ....
ぽつり、
胸に落ちた赤い雨を撫でる指先
午後の木陰が揺れる
冷えていく風
歩いてきた道を振り返る
真珠色の太陽が
かくれんぼをする雲の袖

刹那に覗く白い世界に目を閉じると
ひとつの ....
髪を束ねた
まだ十代の古典的なわたしが映る
露わになる輪郭が湿らせる傷痕
二度と同じ過ちを冒さないために
今がある現実に撫でまわされるこころ

束ねるという行為は
過去を受け止めるという ....
退屈という時間を抹殺したい
エナメル線に火をつける
行きつく先は爆発だが爆発の恐怖を忘れている
錠剤が、錠剤があれば大地震も大丈夫

(あのね、良い詩を書くときは服用をさぼるの)

錯乱 ....
肉に噛みつく
糸になり分裂する筋肉
絡め取る舌が捲るあからさまの白い現
尚も残る塩味の皮脂が依存症を掻き立てる

進め、進め、白い刃
開く、開く、咽喉のブラックホール

カチンと何かに ....
喧噪の夢がわたしを包む
喧噪は連鎖になりわたしをぐるぐる取り囲む
もはや出口はない
頭に白い注射器を射し込み連鎖を中和させる
軈て霧が訪れ眠りへと誘う

太陽が瞼を撫で
眠りから醒めても ....
 ずっと待ち焦がれていたの
 その手を
 あなたのその手を
 あなたに愛撫されるように

 夜のシーツに包まってわたしを宥めた
 あなたをずっと待っていたのに
 あなたの指がわたしに触れ ....
スライドする
夜の窓辺

あかい灯が
高速に乗って流れていく

ひかりの背に乗った
過去と未来

一秒先の遠い未来より

今があることが
今であることが

こんなにもあたた ....
透明な
軽薄と後悔の隅に
揺れ濡れるわたし
一秒先の未来にさえ
眠れぬ夜を過ごす

指先が
 
    痛い


ひび割れた仮面が
散らばる部屋で
やさしさも
どこにもない ....
月乃助さんのあおい満月さんおすすめリスト(21)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
『目指すもの』- あおい満 ...自由詩712-12-8
『流血』- あおい満 ...自由詩14*12-11-20
_『逆流』- あおい満 ...自由詩512-11-11
『枠のなか』- あおい満 ...自由詩12*12-2-11
『沈む月』- あおい満 ...自由詩311-2-20
『氷のなかに咲く花』- あおい満 ...自由詩4*11-2-6
カンディンスキーの色彩- あおい満 ...自由詩611-2-6
『ピアニシモ』- あおい満 ...自由詩610-12-5
『予測』- あおい満 ...自由詩210-11-14
『下弦の月』- あおい満 ...自由詩4*10-6-30
『月は眠らない』- あおい満 ...自由詩5*10-5-11
『喧噪』- あおい満 ...自由詩9*10-5-8
『鈍色』- あおい満 ...自由詩3*10-5-4
『シミ』- あおい満 ...自由詩2*10-5-3
『束ねる』- あおい満 ...自由詩3*10-3-7
『破壊遊び』- あおい満 ...自由詩4*10-3-4
『骨を喰らう』- あおい満 ...自由詩2*10-3-3
『喧噪の連鎖』- あおい満 ...自由詩5*10-3-2
『乳房』- あおい満 ...自由詩5*10-1-9
『夜の窓辺』- あおい満 ...自由詩5*09-10-10
『刻を游ぐ』- あおい満 ...自由詩4*09-7-5

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