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名前を呼ぼうとして
ことばに拒絶される
あなたのくちびるなのです
だきしめたいのは
いえ、むしろ
ことばでは居られないから
そばにいて感じたい
あなたのおこす幽かな風まで
....
カップ酒飲みながら描かれる似顔絵を横目に
不忍池にむかって階段を下りる
もう大阪焼きの屋台はなくて
飛べなくなったオオワシが
うずくまって水面を見つめている
上野には
飛ぶ空がないのだ ....
呆然としているだけで流れていくものを時と呼ぶな。わたしたちの
いちばん大きな乗り物は、生まれてきたときの速度を保とうとして
いるだけで、あなたの生き方とは関係がない。冒険せよ勇気を持っ
て自らの ....
手すりのない屋上で
そらをとりもどす、わたしがいる
{ルビ限界線=ちへい}に浮かぶ遠い筋雲の
気流の音に耳をすます
わたしがいる
まぶたの裏に
真昼の月を新月と焼き付け
まぼろしではない ....
世界が希薄になっていく
高い高い、高い場所で
不純な核にとらわれて連れ戻された
綺麗なだけの名前で呼ばれるもの
海は無限のやさしさでとかして
吹き抜ける音や打ち寄せる色だけが ....
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=96138
「父さん」櫻井 雄一
空港という場所は時間地図におけるもっとも重要な指標の一つ ....
いつまでも、それを手に入れたいと
弱々しい手で、僕らは汲む
井戸の底に微かに照らし出される
月の光の輪郭のようなものを
楽しいといっては ひとつ汲み
愛しいといっては ひ ....
奇跡は待つものじゃない
起こすものだ
先輩はいつもそう叫びながら
改札を出るといつも
マニエルの打球のように
球場にむかいましたね
でもね先輩
僕は待ってしまったんです
大切な ....
切符を切るカチカチと
ポイントを温めるランプの炎の
二番ホームに雪を踏む
信号の腕木があがる
凍える両手に息を吹きかけたあと、空を見上げて吐息
....
奴は
山に登るのだ
そう言っては、ニコン党のくせに
私のオリンパスを借りに来る
高山植物を撮るのだという
いつも汚い日焼け顔をしわくちゃにして
稜線を越えていくホシカラスの夫婦
....
夕日を映した紅色の花を、永遠にするために
透明な棺桶にアクリルを満たす
飼っていた犬の面影を、永遠にするために
AとT、GとC・・・塩基対の配列を玲瓏の棺桶に刻む
光の秘密を刻んだ虹色 ....
窓風に
遮断機の音
終電が出たあとに
こんな音を鳴らすのは
長距離貨物か寝台急行か
レールの隙間につまづきながら
(一日、伏せてたのかい、それはしんどかったね)
それが見知らぬ場 ....
蘭州を出発してからもう2日も経つが
鉄路は大きな曲線をいくつか描いて
岩の転がる砂地と、とうめいな蒼色の空
それだけの風景はいっこうに変わる気配がなく
ホウロウのカップで
開水に粉コーヒーを ....
海が見える草っぱらで
どーんとひっくり返って
雲に手を伸ばす
生きているんだなって、思うんだけど
その正体がわからない
漫然と心臓を動かしたり、理念を唱えたり
そんなことじゃないみたい ....
アルバイト帰りの夜
いつもこのホームで
手を振って分かれた
僕は石切まで準急で
君は高安行きの各駅に乗り換えて
左右に分かれてカーブへ向かう
君の各駅停車が傾きながら夜景に溶けて
....
僕の部屋からは
プラットホームが見下ろせる
知らない人ばかり詰め込んだ準急を
この窓からいつも見送る
ここは始発駅だ
短い旅程の百度参りを
飽きることなく繰り返す
乗車率427% ....
涙がつたっていた
朝のことだ
見ていたのか
夢を
(思い出せない)
遠くから鈴の音
昨晩のことだ
届いたのか
手紙が
(治らない)
涙がつたっていた
朝の風が
....
窓のむこうに
降るのは
あかるい雨
夏の日差し
真っ白な雪
網膜の向こうで
立ちつくし暗転する
背中の音
いつも風景に
変移を求めていた。
わたしが変わっていく事になど
....
陽に焼けた黄土色の文庫本を開くと
なつかしいあなたの横顔が
鉛筆で、薄く描かれてていた
添えられた文字は
照れくさくって読むことは出来なかったが
横顔はまったく記憶の通り
....
皮膚が邪魔だ
熱だけが祭りのようで
街灯までが青白く貫く
ああ、皮膚が邪魔だ
この世界と私を
容赦なく隔てる
この外套を捨て去ってしまえば
多少は見苦しい液体を
ばら蒔くかも知 ....
適当に掘られているようなトレンチ
きちんと測量されて
合理的な設定なのだと
発掘で変な日焼けあとのついた
汚いヘルメットの学芸員
掘り出された破片は
プラスティックのコンテナで研究所に ....
驟雨だ
突然、空が明滅し
絞らないままの雑巾が
今の私
打たれてはじめて
体温に気付く
人間はそんな生き物
百貨店に駆け込み
ぬくもりを求めても
空気圧縮機がはき出す冷気 ....
君は
占いに出てくる星座しか
知らないというのに
アルタイルとヴェガには
とても詳しくて
毎年、同じ物語を
飽きもせずにロマンチックだという
私は
二星間、14.428光年を
冒 ....
梅雨の夜風に混じり込む体臭の湿気
雲にまいた砂混じりの渇いたため息
無気力にぽっかりあいた満月の
光子すらはらんで
みな本当の風を知らない
それらをすっかり失われた
古代の技術で精製し ....
なにもかんがえなくても
心臓が打つように
こうしてすごすのが
あたりまえになっていた
息を吸えとか、酵素を出せとか
痛点からの刺激に反応しろとか
具体的に生きなくったって
生きてゆけ ....
話し相手もいない
岩だらけの黄色い砂漠
高名な歴史学者も
優秀な地球学者も
天才的な物理学者も
知り得ない恋の秘密を
地下水に抱かれた砂礫層の中に
とじこめて
花が空ばかり ....
ねむれないまま深まっていく月夜
こうなったら
今日と明日の境目を見極めようと
なんでもないことを
考えてつづけた
(境界のないものをそのまま受け入れられない)
(君と僕には境界があ ....
窓の外は少し北風の吹く夕暮れで
これから南極老人星を見ようと
大きなパラボラのあいだを抜けて
昔、友をなくした修行者が
涙で掘り抜いた文字があるという
岩屋のあるこだかい丘に
向かおうとし ....
(遠くで星のトランペットが聞こえている)
ここに至ってなぜと考えるのはあまりにも無意味だ
だからといって世間並みのセンチメンタルな風情でもない
焦がれたような焦げたような
言葉の反照でのど ....
はじめてこころのなかに
さいたたんぽぽのはな
かぜにからだをばらまいて
ぶんしのように
げんしのように
そりゅうしのように
たびにでるたび
かけらひろいあつめるたび
(霧がする ....
和泉 輪さんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト
(31)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
旋回、なにかの輪郭のように
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たりぽん ...
自由詩
14*
07-2-7
駅・上野__(79/07)
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-2-5
踊るとすれば輪舞、できれば砂漠の真ん中で
-
たりぽん ...
自由詩
15*
07-1-22
その日、屋上の扉があいていたんだ
-
たりぽん ...
自由詩
17*
07-1-18
結晶核、とらわれて
-
たりぽん ...
自由詩
15*
07-1-7
■批評祭参加作品■_「父さん」櫻井雄一
-
たりぽん ...
散文(批評 ...
5*
07-1-6
僕らは海にまぎれて
-
たりぽん ...
自由詩
13
06-2-28
駅:藤井寺
-
たりぽん ...
自由詩
8*
05-8-28
小さき音と吐息と駅と
-
たりぽん ...
自由詩
10
05-8-26
奴への送らない手紙
-
たりぽん ...
自由詩
12+*
05-8-24
永遠のようなもの、をたずさえて
-
たりぽん ...
自由詩
7
05-8-22
踏切にて
-
たりぽん ...
自由詩
12
05-8-16
ひめりんごたちへ
-
たりぽん ...
自由詩
9*
05-8-14
遺跡の恋人
-
たりぽん ...
自由詩
9
05-8-13
駅:布施
-
たりぽん ...
自由詩
7*
05-8-13
駅:上本町
-
たりぽん ...
自由詩
9*
05-8-12
傷という祭り
-
たりぽん ...
自由詩
8*
05-8-10
きんぎょ
-
たりぽん ...
自由詩
7
05-8-7
落書きのある文庫本
-
たりぽん ...
自由詩
4
05-8-3
この皮膚がなければ
-
たりぽん ...
自由詩
14*
05-7-23
桜・平城宮跡
-
たりぽん ...
自由詩
5*
05-7-21
雨粒のハインゼンベルグ
-
たりぽん ...
自由詩
6*
05-7-15
光年の彼方
-
たりぽん ...
自由詩
6*
05-7-7
風に揺れる枝が言葉ならば
-
たりぽん ...
自由詩
7
05-6-29
いろだけになる
-
たりぽん ...
自由詩
5
05-6-6
花ならば
-
たりぽん ...
自由詩
5
04-10-30
寝不足な相変化
-
たりぽん ...
未詩・独白
2
04-10-24
星よりとおく
-
たりぽん ...
自由詩
7*
04-10-22
落陽・生駒山
-
たりぽん ...
未詩・独白
4*
04-10-16
飛翔する種
-
たりぽん ...
未詩・独白
7*
04-10-11
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