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雨でもないのに
ピンクの可愛い絵柄の傘をさした少女は
「お父さんに、新しい傘買ってもらったの」
と微笑む

雨でもないのに
ピカピカの赤い長靴を履いた少女は
「お父さんに、新しい長靴買っ ....
 コーポR・402をひっそりと辞し
 もう二度と戻ってこないことになってしまった
 あなたへ

 (えっ、本当にもう二度と戻ってこないの?
  どうしてなの?
  わたしには訳が分からない ....
午後三時の道の上
薄目を開けて寝そべっている


おまえの見る夢は多すぎて
電車がすぎても目覚めない


食い散らかして 蹴飛ばされ
胸も腹も治らない


同じ道 ....
 曇天の風のない日
 窓の向こう
 歪んで映った一本の線は
 確かに電線で
 姿も見えないのに
 鳥の声が聞こえる
 洗面所の水道が止まらない
 蛇口のひ ....
ママが呪文を
唱えると

家庭は崩壊
する
正気なうちに 帰ろう

まっかな顔で 父さんが
にこにこ と ひそっと 言う

あはは と 笑いながら
母さん に よっぽど 言われたな
私は 濃いめの お茶を入れる

 ....
なでなでしてよ
そんなところじゃなくて
ちゃんと頭を
なでなでしてよ

優しくなでなでしてよ
大丈夫だよって
なでなでしてよ
もう誰も
わたしを
なでなでしてくれるひとは
いない ....
ひとりの子が
ひとつの楽器の生まれる様を見ている
作るものも
奏でるものも去ったあとで
子は楽器に愛しげに触れる
おずおずと うずくように
楽器は
花になる



新しい言 ....
シトロエンBXで旅に出よう
からっと晴れた涼しい日曜日に

それはゴールデンウィーク
暑くもなければ寒くもない
理想的なゴールデンウィーク

エアコン効かないからね

渋滞しない道は ....
ここはどうも、とても乾いた場所のようだ、
湿度計は40%、まぁ普通みたいだけど、
でも喉が乾く、乾いてしかたない。

明日のことは明日になってから考えよう、
今日はゆるりと流れていく、
サ ....
開いた空に手をかざす
高い太陽からの光線が
透き通る
通過


在り来りなものに
ときに目をとめてしまうから
歩みは加速しない いつまでも

初夏の影がちらつき始めた
散らばった ....
ねえ、ほら こうやって
指と指の隙間で
絡み合い、てのひら合わせて
肘の先まで密着させたら
何だか、抱き合っているみたいでしょ

ねえ、ほら そのまま
てのひら 少しだけ解いて
折り曲 ....
桜散るのは夕日の丘か
日暮れ近づく夕日の丘か
散りゆく桜は薄紅色
薄紅色の十二単
十二もまとった春の衣
一枚脱げば夏の予感


呼んでいるのは母の声か
遠い故郷の母 ....
夕暮れ発 明日行き
手をすり抜けた紙飛行機は
いつまでも落ちない


深まる緑の季節も
夕焼けを背景に影になる
傾いていく時刻に
明日を見ながら祈って
紙飛行機を折る

飛ばした ....
駅のホーム
喫煙コーナーのベンチ、夕暮れでは少女が
メールを打つ少女
メールを打っている

少女はメールを打つ
指、その速度の指で
穏やかな夕暮れ、穏やかな煙
少女よ、今、僕はカフ ....
音の無い空
音の無い花
近づきながら 離れながら
混じることなく
川の上に重なる川
川を映す川をゆく


花に触れ
鎮む流れ
陽は分かれ
影は過ぎる
花は音 ....
深夜、男友達から『お前のことずっと上海してた』と電話。ひどく
驚き、『ごめんなさい』とだけ応えて電話を切る。自分の言動を振
り返り、しばらく彼には会わないでおこうと決める。図らずも点と
点 ....
底面の アスファルトまでも
濡らす五月の緑を
どれほど丁寧に踏みしめても
足音は奇妙に乾くのでした


その足音に含まれた 一連の私は
ぱらぱら 小さくほどけ散るところで ....
大切にしていた 洋服を
服喰い虫に食べられた

もったいないので自分で
リフォームしてみたけれど
見るも無残な有様で
着れたもんじゃない

長い間書き溜めた 日記を
紙喰い虫に食べら ....
 私の家には、かあさまととうさまと私の妹が住んでいた。

かあさまのゆりかごはいつもの窓辺でゆれていた。
その窓辺からは心地よい風だけがかあさまに吹いた。
ゆりかごに座ったかあさまは、瞳を閉じ ....
週末の淀んだ駅の構内で
すれ違う人々の心の{ルビ懐=ふところ}に
「ある独りの人」がおり

優しくうつむいていたり
寂しくほほえんでいたりする

「ある独りの人」は

(声をか ....
あちこちに光を反射する海と
緩やかに登っていく山の斜面とに
張り付くような町を
通り過ぎる

ざあざあと
長い波間を
滑り込むようにして
通り過ぎる

穏やかと
それ以外に言いよ ....
冷蔵庫のモーターの音だけ響く部屋で
ベッドに横たわると
たった一人の自分の呼吸さえも
聞こえなくなる

こんな夜は毛布に蹲るしかない
枕と頬の間に絡まる髪をかきあげ
コットンの感触を確か ....


夕空と海の混じり合うそのすきまに
すべり込むうみどりの影のさみしさ
赤い包みのキャンディーをポケットから取り出すと
口に入れる間もなく風景に溶ける




”ちかみちはこっ ....
                       きゃらめる 10


  あめ

  1

ひとつぶの
しずくは
すなにとけて
あとかたもなく
きえてしまう
かぞえきれない
 ....
眼下に広がる海では
白波が立ち
うさぎのごとく 跳ねている

岩を打った波のしぶきが
わたしのところまでとどき
涙のごとく 頬をつたう

それが波だ、と言い張るわたしを
それは涙、だ ....
こぽこぽこぼれる 透明なグラスに
わたしが点滅するというのは
こういうとき なのだろうか
あふれる濃縮還元ジュースは
せつなくて

地下鉄の降り口をまちがえた
まちがったとわかっても
 ....
この頃は心境の変化からか、つげ義春ばかり読んでいる
萩原朔太郎に耽るのは止めた、鬱が止め処なく成るに足るから
(痰が絡んで仕方が無い)
止め処なく、

酒に浸って惰眠など貪れば、虞美人草に深 ....
その喫茶店は
電車の形をしていて
街外れにぽつんとあって

わたしと彼のお気に入りだった

彼といるとき
わたしは何も知らない
女の子でいられた
彼は
はじめての人だったから

 ....
墨の ように 
雨が 落ちて


朝の駅に向かうひとびとの
ぼんやり
傘までが 喪に服している
今日失うものの分まで 
悼む顔つきの 薄い朝


雨を 追いすぎて 私は
 ....
ダーザインさんの自由詩おすすめリスト(319)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨の中の少女- 桜 葉一自由詩104-5-13
コーポR・402をひっそりと辞し- Six自由詩604-5-12
ノート(犬)- 木立 悟自由詩604-5-11
蛇口のひねり方を忘れた- カンチェ ...自由詩11*04-5-10
- チアーヌ自由詩2404-5-10
村祭り- 砂木自由詩15*04-5-10
なでなでしてよ- チアーヌ自由詩7*04-5-9
器の子- 木立 悟自由詩1204-5-7
ゴールデンウィーク- チアーヌ自由詩5*04-5-6
子宮内部- チアーヌ自由詩704-5-6
過ぎ去ってしまったものへ- 霜天自由詩604-5-6
はじまりのはじまり- 自由詩304-5-6
さらば_春の日- ワタナベ自由詩11*04-5-5
夕暮れ発- 霜天自由詩1104-5-4
穏やかな夕暮れ- たもつ自由詩1104-5-4
降り来る言葉_XIII- 木立 悟自由詩904-5-4
上海された- 石畑由紀 ...自由詩55*04-5-3
五月の枯渇音- A道化自由詩1004-5-3
虫くい- 千月 話 ...自由詩2*04-5-3
明日に最も近い夢- 玉兎自由詩404-5-2
漏声_ー夜の車窓ー- 服部 剛自由詩604-5-2
やまない音- 霜天自由詩504-5-2
ワンルーム- 野島せり ...自由詩304-5-2
なないろ- ワタナベ自由詩8*04-5-2
きゃらめる_10- アンテ自由詩604-5-1
海うさぎ- 望月 ゆ ...自由詩3*04-5-1
点滅- 湾鶴自由詩11*04-4-30
- 自由詩804-4-30
電車の形の喫茶店- チアーヌ自由詩10*04-4-30
- A道化自由詩404-4-30

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