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書く端から
言葉がもろい陶器になって
ぱりんぱりん割れていくので
どんなに壁にしがみついても
もう書けないのです
コンクリートは湿ったにおい
かび臭い指先から滴るインクでは記号にならない
 ....
花が居て
狂いたい
と言った
なにもしてやれないので
川にうつる枝のなかに立ち
はらわたの森をひらき
ここにお入り
と 言った


蝶が来て
狂いたい
と言 ....
紺がすりのような夜を眺め
穏やかな一日を思ううち
心は幼年に浮遊して
小さな手から落としたごむまりを
おにいちゃんが思いっきり地面にたたきつける
ぽーん
ぽーん
空を見上げて
追いかけ ....
美しい憂鬱
高貴なる倦怠
曇り空の下のチューリップ
仔猫は路地を駆け出し
大きな黄色い車に轢かれた
子供たちはチョークで人型を描き
死体を学校の花壇に埋めた
その土によってしか咲けなかっ ....
いまひとひらの蝶
ゆっくりと私の眼を奪って
流れ着いたのは何の彼方でもなく
オフィスの私のデスクだった

電話の喧騒の中
不意の来客は用件を語るでもなく悠然としている
よく見ると胸に社章 ....
ある冬の朝
公園で
撤去された箱型ブランコの支柱の真下に座り
砂に文字を書いている
星が消えようとしているうちに
あらゆるところで細胞が目を覚まし
孤独な宇宙は
太陽に凌駕されていく
 ....
帽子の先から
玉の映像
ゆっくりと
重力に乗り

顔の岬
合羽の隙間
船で抉りとられた芝生へと

瞬間劇場
ふぉ と  ほと ほと

なにをすべくこともなく
なんのすべくこと ....
夕方と夜の境目
湖畔の輪郭が紫色に曖昧になったころ
湖に身を乗り出し水平に手を伸ばすと
足元に流れ寄る無数の細かな波が
浮力となって
まるで
湖の上を滑らかに飛んでいるかのような気分になる ....
あなたから溢れる潮の音が満ちてくる
私は抱かれながらあなたに浸されていく
こんなにも安心して
私は生きている、と思う
フローラの口から
花がこぼれるように
私とあなたの口から
流れ出す
 ....
腰のものを赤く染めて鳥が鳴く。
うぶめ、と呼ばれる鳥である。
産の穢れに死んだ女は鳥となる。
ほう、と鳴くが聞こえるか。

生まぬとしても女は女と男は言う。
うぶめの悲しみを知らぬは幸福と ....
新しい駅の階段を下りながら
夕焼けの美しさに見とれてつい 足元をあやうくする

帰宅を急ぎ行く群れの中で
私はくしゃみのようだったか
(誰も振り返りはしない)

毎日を同じようにくり返 ....
背中に
冷えた地球の大きさを感じながら
夜空にときおり描かれるひっかき傷を眺めている

ひどい振動がして
一台の車が頭上を通り過ぎたが
その一瞬に
私の視界を遮ったヘッドライトと
一晩 ....
笛の音が滴る 波紋が暗やみに満ちてゆく
私は白く閉ざされ動くことができない
ほんの数ミリ 口から暖かい息が動くのを誰に感づかれまいとしているのか
視線が拡散し 霧の一滴一滴に乱反射する

私 ....
24歳 買い物にゆく
湿った月のような太陽の光の中

ラヂオ体操の帰りに見た
雨上がりのあさがお 

そこに行ってしまった 
8歳のはずの世界
今にも零れそうに
鮮やかなアサガオはゆ ....
フル フル ウールにポリウレタン
レーヨンカーテン 綿パンツ

100エン入れれば ゴメイトウ 

スワヒリ娘 吹きまわり

ハバリ(こんにちは)

クワヘリ(さようなら)

ハ ....
1.
顔を洗って髭を剃ると
私の顔は鏡の中にあった

洗面所の窓
その外にはいつも外があって
夜がまだ薄っすらと残っている

貞淑なやす子は朝食の後片付けをしている
今までの毎朝 ....
二十数年前
大量の醤油を飲んで自らの命を絶った科学者がいる
それが私の父だ
いったいどれくらいの醤油を飲んだのか
警官が説明しようとすると
母はそれを遮り
私の手を引いて長い廊下を歩き ....
ハピネス。
幸せについて語ろうとすれば
それは光のように輪郭をなぞって透けていく
影はすべて
光を雄弁に語るハピネス。
流れ、を捉えることが難しいのと同じくらいに
私たちが生き残るのは ....
(一)すべてのものは

日が翳っている
四月は末日
冷たい図書館の
その片隅で


ある日、男が生まれ
ある日、死んでいった


たった二行の
歴史書が
誰にも読まれること ....
ダーザインさんの自由詩おすすめリスト(319)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
迷羊- 岡村明子自由詩603-10-9
ノート(緑透火)- 木立 悟自由詩1703-10-6
ごむまりの月- 岡村明子自由詩703-9-30
- 岡村明子自由詩603-9-30
- 岡村明子自由詩703-9-28
メッセージ- 岡村明子自由詩103-9-23
雨の日の失敗- 湾鶴自由詩3*03-9-19
フライング- 岡村明子自由詩903-9-17
無題- 岡村明子自由詩303-9-15
私は石である。- 佐々宝砂自由詩24*03-9-14
夕方- 岡村明子自由詩103-9-14
高原の夏の夜- 岡村明子自由詩203-9-11
- 岡村明子自由詩503-9-11
あさがお- 湾鶴自由詩503-9-11
コインランドリー(乾燥機編)- 湾鶴自由詩103-8-14
時代- たもつ自由詩1703-7-11
醤油- たもつ自由詩9203-7-9
ハピネス- いとう自由詩5703-5-12
旅路- たもつ自由詩1003-4-20

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