すべてのおすすめ
ぼくらは
たがいの
ふちの
うえに
たつことは
あるけれど
その
ふちの
そこは
きっと
ひとり
ひとりの
ばしょで
きこえては
いるけれど
ぼくしか
....
張り裂けそうなこの心を
必死に抱えて歩き続けた
誰もが安息の地を求めているのに
どこにも止まることを許されはしない
地下鉄の風に吹き上げられて
薄っぺらい仮面など剥がされた
ただ立ち尽 ....
14:34発
皐月のシャツ着た
ゆふいんの森5号
水平線を描く
電線を
斜め下から
追ってゆく
風景も
ゆったりと
融けて
車窓の後ろへと
帯びてゆく
電車の中は
か ....
さいきんなぁんもかんもわすれていきよるち
おかあちゃんがいいよった
なーなー、おかあちゃん
ぼくんことも
いつかはわすれてしまうん?
こーえん
ゆうやけこやけのあかとんぼ
うしろのし ....
狭い檻に入れられて
ぼうっと人の足を見ている
スリッパの音がうるさく
臭い匂いで頭が痛くなる
おとといシャンプーを
してもらったので
わたしの毛はつやつや
ショーに出る訳でもないわた ....
みんながちゃんと
よけて歩くような穴に
簡単に
落ちてしまう
気をつけて
歩いているはずなのに
でも
やはり
落ちてしまう
穴の中で
「ここはどこだろう」
「暖かいか」
....
田舎の小さな駅に
僕と君の靴音だけが響く
君は今にも泣きそうに言ったね
もう少しいられないの
東京に帰るのは明日でいいでしょ
そういうわけにはいかなかった
まとまっ ....
傾きかけた夕日に
静かに染められていく放課後の教室
たわむれあそぶ影法師たち
その風景からひとりひとりを
輪郭にそって丁寧にきりとり
ノートに貼り付けていく
ふるえる手で
間隔が
....
気がつけばすべてがあの日に返っている
ポケットに突っ込んだままの右手を
思い出して引き抜くと
零れ落ちていく ぽろぽろと
ありふれた困難とか
いつまでも続く分かれ道とか
乗り切るた ....
幻の終わりと塩の光を抱き
鳥はひとり 海にたたずむ
波に重なり ゆらめく陰
待つもののない午後の陰
船を終えた船の列が
小さな声に照らされている
空をゆく声 落ちる ....
季節のざわめきは
ふきのとうの頭から軽く跳ねて
たんぽぽの綿帽子よりも、緩やかに
歌声に、散った
空
飛んで行く
、飛んで行け
遠く日本海側からの寒風に彩りを添えて
....
澄んだ青空を飛び交う鳥達が
どこまでも続く永遠に 涙すると
風に乗る桜の花びらがゆっくりと
地面に落ちてピンク色を 敷き詰める
夏 緑は生い茂り濃い空気の層が
霧となって 大地に降り ....
輪郭の街が
徐々に織りをなし
時計はだらりと腕をさげ
ほぅい ほぅい と歌う
海にでると
肌がちりちりと
焼ける心地よさが
足跡にたまって
潮に吹かれた
8mmフィルムが
からくり ....
冷ややかな朝に
渡る風の行方を見つめていると
どこかで古いレコードが回りだす
草原の朝もやの中から
湿った石の階段が現れる
五段ばかりで
他には何もないのだが
時を経て少し苔むしたまま
....
この先
いきどまりです
木陰の看板を
すぎてゆく雲
誰かの何かが持ち去られ
小さなものひとつ分だけ足りない世界の
午後のガラスの路を歩む
春は銀 ....
1
正直、高校を卒業した時の成績はよくなかった
偏差値にして40前後
空を飛ぶ試験にうかるには絶望的な数字だった
なにしろそのころ
空を飛ぶための試験を通過するには
偏差値にして6 ....
夜
きれた煙草を買いにコンビニにいったら
店員である友人のBが
マルボロ新しいの入ったよ
とレジ打ちしながら眼の前に立つ
ぶす・でぶの大学生らしき女を ....
空に標識がないのに
飛行機がぶつからないのは不思議だ
と母がつぶやく
風のはじまりはどこなんだろうねえ
風はどこで終わるんだろうねえ
お母さん
あなたと同じように
私も
いつの ....
不揃いな足音は鳩 鳩 鳩の
何かを象徴して下さることを願った赤い皴の寄る足でした
逸らした塞いだ目に耳に染み付いた 赤の皴 皴 皴に
自らの底面の砂利を明け渡す為ベンチの上面へ足を抱え上 ....
紅色に蕾んだハナミズキの予感の
爆ぜるように的中した枝の 昼間の春の
染み込んだ雲は少しも耐えたりしないので
自在に 夜は春を濃くして暮れ
紅を翳らせてゆく 通りの並木の直立の ....
わたしの夜のとなりに
ことばがたくさん住んでいて
ときどきベランダで
お話をする
こどものかたちをしてる
一緒にトマトを食べたり
くっついてみたり
ゴミを片付けたり
たのしいね ....
連続していく
足元で繰り返していく季節
飛び越える音も聞き慣れた
回り続ける円の内側を
ただ一列に連続していく
繋がっていく
足元で連なっていく蟻の行列
長く長く終わりが ....
誰だろう?誰かに見られてる。おかしい。ゾクゾクする。
男だ、と思う。わたしは女だから、見ているのは、たぶん。
わたしは、うつくしくない。いわゆる美人さんではない。
わたしは男に見られることは少な ....
空家が
売りに出されてる
もうずっと長く
庭に
小さな
池がある
いつもお散歩をする
通り道にあるので
毎日のように
のぞく
その小さな池には
金魚がたくさんいるから ....
ひとりでだれかがそらをみている
そのよこであたしは性を超える
ぶんかつでかったたましいのいちばんくらいぶぶん
せいふくのふくらみから聴こえるでしょ
噛み合わないはなしさえ ....
いたずらしようと思ったんだだからこんなにも勃起してきて
こんなにも勃起してきて誰も言ってくれないおまえは見かけよりいいやつだって
ユーモアがあったら切り抜けられるって ....
ツタヤの女が面倒臭そうに歩いてる
外に出た用事の一瞬の間
おれはタバコの自動販売機の取り出し口に手を突っ込んでる名前も知らない女を
バックで轢き殺す
ことを想像 ....
鳴きちる鳥の満ちる朝に形が満ち
形を得た形たちを再び濁らせゆくのは
千切れけぶる花の煙
それは なれの果てではなく
気が遠くなるほど緩やかな横溢
浮かされ翻弄されているのは
....
曇天とは無関係に翳った夢の後
ぎゅっと
その翳り残るこめかみを圧する
スピーカーからの果汁
光みたいな酸味、沁み
やっとのことで
鈍すぎた朝に気がついたのは
昼に ....
春の電撃作戦。開始。
街のいたるところで僕らは耳に手をあてる
どかん
それは小さな破裂
作戦が始まった合図だ、ほら
そしてまた、どかん
コンビニで働くあの娘、最近きれいになったね
と ....
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