すべてのおすすめ
北風が かたく きつく しめつけてしまえば
少しは私も落ち着くだろう
冬の空から放たれる薄い陽射しの中で
動かない空を見つめていた

冬の空には何かがある
いじらしく思わせる何かがある
 ....
土と風の間を
蝋燭の火が流れてゆく
緑の夕方を
横たわるひとりの子の上を
枝の影は伸び
透きとおり 重なり
森のなかの道を指さす


雲が雲を吸い
空を明るくに ....
散る空があり 重なって
地にひとつの花を描いた
子供がたくさんの光を飛び越えていった
声の飛沫はらせんに昇り
かがやきとかがやきとかがやきの差異が
手をつなぎ かすかな羽 ....
長いこと沈黙していた
アスファルトの隅で
地面のざらざらの下にある
本当の地面を思って

空の底には
まだ底がある
底の底は
地球の裏側の
空の底

夕暮れ
ノアの箱舟に
オ ....
風があり 葉があり
木々はゆっくりと点滅する
空にとどまるもうひとつの空
もうひとつの深緑
風になれないふたつの風


一本の木が
朝をさえぎり
音をさえぎり
 ....
白 灰 午後 虹
放られたままに響く冬
窓に映る野を馳せる
手のなかの声 粒の声
まわる色 重なる色
水に濡れた小さな神話の
終わりとはじまり


陽から降りつづ ....
頭がしゅうしゅうする
曇り空に
赤い点
落下傘が流されていく
ごまつぶのような黒い人かげ
大きな指が
垂れこめた雲に
文字を描く
地上にひしめいている
誰もが
しゅうしゅうしている ....
みかがみが
てらり、と照らすので
波紋がまぶしそうに空気をつたっていく
みだれ飛ぶひかりがひとしずく
手のひらに落ちた
代わりにチェリーをひとつぶ落として
みなもを揺らし、くり返す

 ....
ビンいっぱいに詰まったビー玉
フタに開けた小さな穴を
片目で覗き込むと
不思議な光の模様が見えた
きれいでしょ
となりん家のけーたくんが
得意げに笑った
世の中には
キラキラ光る透 ....
  感じない掌の上に
  鳴かない鳥が
  人のように瞼を閉じる

  冷たい雨の降る
  コンクリートの上で
  静かに眠りにつく
  戯れるように
  温度を残して  ....
ボートから転げ落ちて溺れた
一人目の男は
すぐに飛び込みすくい上げてくれた

ボートから転げ落ちて溺れた
二人目の男は
携帯電話で助けを呼んでくれた

ボートから転げ落ちて溺れた
三 ....
つたえたい
ひとが
みつからないので
てを
ぶんかいしてみた
なかから
ないふがころがりでてきた
ころりん

つたえたい
ことが
みつからないので
かみを
ぶんかいしてみた
 ....
いい天気ですね
がはじめの言葉だった
G線上のアリアが流れていて
あんまりできすぎたシチュエーションに
笑いをこらえるために
コーヒーを一口すすってから
やっと私は
ええ
と答えたのだ ....


野村さんの奥さんにはきちんと名前があるが「野村さんの奥さん」と呼ばれても野村さんの奥さんはあまり気にしない
野村さんの奥さんは決して「若奥さん」なんて呼ばれないことを知っているがそ ....
赤いセーターの女
ひっつめの髪
きみどり色の閃光
作業
眼鏡
作業

作業
反復
業務



複写機
吐き出される
モノクロ
ドット
三千枚の
「@」の顔
 ....
今朝の夢は 覚えてないが
今夜みる夢が幽かに 見えてきた

お昼を食べたベンチに座り
待っている

きっと来るだろうと信じている訳じゃなく
決められた日課のように

傾くサーチライト ....
口笛が遠くまで聞こえるのは
まわりに誰もいなかったからだ
分かっていたんだろう


少女よ
どこにも行かなくていい
君が知ってる誰もかもは
どうせ君の知らない場所で笑っている


 ....
灰が積もってゆく
鬼百合の傘をさしていると
晴れた日のようだ
 初雪ですね
 はい、きれいですね
火山灰は肩に降り積もる

  *

葉がチル
玄米茶のスカートをはいていると
町 ....
白い砂浜に続く足あとが
あなたの逡巡の時間だった
五月
私とあなたが確かめ合った
ただ
それだけ

テトラポットの陰で
立小便をしていた男の子が
唯一の愛の証人であったことなど
知 ....
雨の下にずぶ濡れていた
左手にワイン
右手にパン
行き場なく

真夜中のスーパーの駐車場
雨を吸い込んだ衣服が鎧のように私を固定する
じゃりじゃりした下着の中では
排泄物が雨と親密にな ....
夜はどこにあるのですか
しまってあるのですか
どこに
すぐそこに
見えませんか
そんなに澄んで見えますか
あなたの見ているあれは
実は
空ではないのです
あれは
ただのふろしき
 ....
赤やら黄やらだいだいの粉を撒き散らしたような
圧倒的な紅葉折り重なる奥羽の山々
夕陽に最後の輝きを放ってまもなく
稜線が青色のコントラストを描き出し
やがて灰色ににじんでいく
夜には黒色の厳 ....
滑車の前で 光を背に
腕をひろげて 動けずに
崩れ重なる門の残骸
霧を貫く鉄の橋から
したたる滴を聴きつづけていた


霊はいて
雪の地に立ち
応えを受ける
 ....
鳥の家の庭には
コガネムシがころがって
日向ぼっこしております
鳥の家の扉には
「鳥も住んでいます」と
上質のフンでかかれています
夏の暑い日なんかは
ススキに埋もれた家を建てようと
 ....
低い雑音が
長い指で部屋を握る
振り落とされそうになりながら
いつかは終わる
いつかは終わると
言葉を噛みしめながら
揺れを震えを聴いている



誰の声にも触れ ....
お互いに歳をとったら
春の日の縁側で
あなたの膝枕で
眠るように死にたい
と言ったら
あなたは泣いた

六畳間の安いパイプベッドの上で
まだ社会にでることすら想像できなかった
若かっ ....
かにを飾っているのよ
私は自分のことを露出狂みたいに
何でも話して同情を乞うのが嫌いなの
けどかにを飾っているところは見せてあげてもいいわ
流しの排水口から毎朝ね
かにがでてくるの
小さい ....
青白い校庭のすみで
二人手をつなぐ
土管の中
ひんやりと湿ったコンクリートの円形が
彼らの頭から足先を連続させて
皆既月食のように輝いている
静かな夜

土管の外側は小さなタイルのモザ ....
 みずうみの底に咲く花
 そのように
 抱かれたい夜もある

 深いあいいろの
 一重の花びら

 湖上の月はどこまでも細く
 微かな光さえも
 さざなみに散らされて藍きに染まる
 ....
棄てられた道のざわめき
野に沈んだ鉄の轍が
震えるたびに運び来るもの
蒼と紫の光が軋み
激しく小さな 
数え切れない夜になり
雲を鳴らす音とともに
草の波をつくりだ ....
ダーザインさんの自由詩おすすめリスト(319)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
北風が_かたく_きつく_しめつけてしまえば- 野島せり ...自由詩604-1-3
降り来る言葉_Ⅳ- 木立 悟自由詩204-1-2
降り来る言葉_Ⅵ- 木立 悟自由詩303-12-30
球形の休憩- 岡村明子自由詩403-12-29
降り来る言葉__Ⅷ- 木立 悟自由詩403-12-28
降り来る言葉_Ⅹ- 木立 悟自由詩503-12-26
低気圧- 岡村明子自由詩403-12-26
隠れる湖- からふ自由詩503-12-25
原石- アンテ自由詩5*03-12-13
優しい鳥- つきのい ...自由詩2903-12-7
溺れる- 岡村明子自由詩1103-12-6
てがみ- アンテ自由詩403-12-4
Air- 岡村明子自由詩803-12-3
つみうみ- いとう自由詩1903-11-26
その女は派遣で時給千二百円だった- 岡村明子自由詩703-11-22
ホームシック- 湾鶴自由詩203-11-20
いつか大人になる少女達へ(おもいで)- からふ自由詩2603-11-12
フタリノセイカツ- 湾鶴自由詩303-11-11
初恋- 岡村明子自由詩503-11-9
アスファルトの磔刑- 岡村明子自由詩403-11-8
ふろしき- 岡村明子自由詩703-11-8
COLORS_in_Fall- 岡村明子自由詩103-10-29
滑車の前で- 木立 悟自由詩603-10-27
鳥の家- 湾鶴自由詩203-10-25
十五の春の走者- 木立 悟自由詩603-10-24
四月×日- 岡村明子自由詩503-10-21
かに- 岡村明子自由詩203-10-20
土管- 岡村明子自由詩403-10-11
みずうみの花- こん自由詩6*03-10-9
鉄と緑- 木立 悟自由詩803-10-9

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11