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かなしさは夜のなかにある。
体育の時間、ぼくはだれともペアをつくれ
ずに、みんなが踊るフォークダンスを眺めて
いた。それは濁った河を渡る水牛を眺めるの
....
ねえ
これが、
産まれたての時間。
そう言いながら少女が
綿飴をひとつ、ぼくにくれた
まぶしい屋台の{ルビ犇=ひし}めき合う
貧しげな七月の ....
まるでこの世の始まりから
僕を待っていたように
茶色い床に君の
十二枚の写真が散らばっている
秋の風が窓の外で
穏やかにはためく午後
僕はグラスに冷たい ....
言うなよ。
コンビニがどうとか、
前提がどうしたとか。
言うなよ、もう。
そういうの良いねって、
なんかオトナだねって。
言うなよ。
捨てるように ....
つめたいものは
夏にある
傷つけられたもの
貶められたもの
苛まれたもの
生きていたもの
葬られたもの
冷蔵庫を開ければ
....
歩いてみようと思ったんだ……
朝、
ドア開けた。
心、まぶしくて。
大げさなことかな?
ほら、街、
眠たい目をしてさ。
い ....
夏の、
カンセイケイ。
できたての、
街、足音。
おもいつめた、
顔、言葉、記憶、
その気配。
そう、
カンセイケイ ....