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四時半夕刻
思い立ち
洗濯機まわす
陽が伸びた
空の
視線がちょっと痛い
わかってるよもう
春だってんでしょ
湿ったシャツと
生乾きの髪を
これみよがしに
風が撫でてく
....
サクラサク
桜 咲く
君の美しさは
僕を酔わす
恋の初めのように
桜よ
君の妖しさは
僕を惑わせる
恋の痛みのように
桜よ
君を誰もが愛する ....
(?)
夜の路地裏で
また一歩
靴音が連れ去られていくのを見ていました
静寂の胎で
わたしは叫びにも満たないのです
壁にもたれて煙草を吸いながら遺された足跡に浮いた灰汁を眺めていた ....
君の笑顔は椅子に似ていて
笑うと誰もが顔に座りたがる
散歩途中のお年寄りや
旅に疲れた旅人
アイスキャンディーを持っている人
ただ夕日を見ているだけの人
誰かが座ると嬉しそうにする ....
出会ったとき
あなたの笑顔は
その輪郭も儚げで
僕の硬い指が触れたら
壊してしまいそうですらあった
桜が
もうすぐ咲くわ
紅をさした蕾に
そっと触れてそう言った
あなたの瞳に ....
おつきさんのえだが
するするおりて
わたしのかみを
もてあそぶ
おつきさんのこえは
ほつほつしてて
わすれたころに
きこえてくる
おつきさんのはっぱ
やわっこくって
....
俺の心にも
花は咲いている
小さな小さな
花だけど
薄紫色だよ
あなたが好きだった色
スクーターを
薄紫色に塗装したくて
失敗した話
よく
....
セロリは食べたくない
俺の眼前にセロリが出てきた空間は
覚醒と蹂躙のプレリュード
でも あの
他者が食べてる様から醸し出す
俺だけが感じる音は好き
水が注がれた透明のガラスのコップに
....
サードとショートは楽しそうに話をしている
ああ、いいなあ、と思ってセンターを見る
そこには人数あわせの地蔵
ということはチェンジになるごとにあれをベンチまで運ばなければいけない
はるか彼方 ....
プールサイドに、咲く
チューリップの花びら
清潔な横顔からこぼれ
水色の迷路を流れてゆく
僕たちの、しずく
人工レモン
人工レモン
デンプン質の知性から
いちごの香りが、する? ....
心地いいくらいの
暖かな日差しに
桜の花びらを連れた
春の風
そんな
よく晴れた日には
陽だまりの中
嫌なことなんて
忘れ去ってしまうくらいに
走り回って
疲れ果ててしまっ ....
たとえば悔いることも
不意に 喜ぶことも
時とともに 偶然にとけてゆきます
午後4時半
Tシャツの上に羽織るこのニットを
褒められたのは 初めてです
それはなんて 心躍るできごとで ....
ぽえむのことを ぜんぶ
ぽえむのことを ぜんぶ
きみに うちあけたい
ぽえむのことを ぜんぶ
おとなになっても わからないままだと
きみに うちあけたい
ぽえむのことを ぜんぶ ....
例え辞めろと言われても僕はあなたの葬式を泣きたいのだ
自分が死んだとき世界中の人に祝って欲しいと謡った詩の通りに
臭い水に潜って焼かれるあなたは
肉の焼ける生臭い蒸気で汽笛を鳴らしながら
ひら ....
にんげんのやることじゃないです
と にんげんがいう
にんげんのこういにたいして
人間だけが原水爆をつくる
人間だけがアウシュヴィッツをつくる
人間だけがサリンをまく
人間だけが手を汚さ ....
ここから出なくてはならんのである
いつもよりは前向きな気分なのである
なんとかせなならんのはわかっているのである
何をどうしたらいいのかもわかっているのである
こんなことしてる場合でないのも
....
{引用=右手と左手のための協奏曲 より}
●雨の精
一度書いては捨てられた詩のように
誰にも知られることはないけれど それでも
人の心に光と影を投げる一瞬があります
ちょうど水たま ....
?
一発やり終えて俺の上で抱きついたまま、お前は
ある歌を歌いだしたんだ
俺も知っている歌だったから適当にハモっていると
俺があまりにも音痴だったせいか、急に歌を止めて
....
ぽっかぽかの
日干しされたふとん
お日様のにおいが
ほんわか
あたたかくて
心が
溶けてゆくみたい
そんなふとんを
頭まで
すっぽりと
かぶったら
その日の
嫌 ....
君は春が来るのを
楽しみにしてる
特別
何か変るわけでもないのに
でも
君は自分の春が遠いことをしっている
俺も自分の春が遠いことをしっている
俺が歌ってあげ ....
金髪の中年
若い未亡人
ぎこちない青年
3人はうどんの出る喫茶店で
食事を共にしていた
丸テーブルの真ん中に
輪菓子(ドーナツ)が置かれていた
スポンジの空洞の上で
3人は ....
世界の偉い人達が 島に来た
この国の偉い人達は おおわらわらしい
島の偉い人達は 自慢げで
でも
愛する僕の家族は いつも通りだった
島にとって 大切なものはなんだろう
この ....
檸檬は今にも飛んでいきそうな色と
形をしているけれど
決して空を飛ぶことはない
朝、テーブルの滑走路で
ワンカップを自販機で購入した人間の
いったい何割が自滅しているのだ
タクシーの運ちゃんが
酔っぱらってませんよ、って
さっきから赤ら顔で小物入れからワンカップ
出したり入れたりなで回し
蓋 ....
ひんやりした おんなのひとの細い指先を噛んで
ゆるくウェーブがかった髪のなかに 僕の手を差し込む
そう こんな 汚いネオン街を見下ろす山道の中で
ぼくは お ....
Res:ミキ 題名:南仏にて 投稿日 : 2004年3月7日<日>22時03分
近藤君、
僕は今南仏の田舎町にいる
鉄道も一時間に一本しか通らないくらいの、
ぶどう畑に囲ま ....
三月九日午後四時時四十五分
僕は友達に会う約束を破られたので
しょうがなく家まで帰っていたら
前方の空 遠く彼方でカラスが堕ちていった
南無。
思ったのは それく ....
卑猥だ
どうしてか 椎茸が卑猥である
もう寒くもない夜に自転車を走らせて川べりに行く
警察官に止められて ライトをつけろと言われ
彼らもこう見えて 楽しく生きているといい
上々な証拠 ....
ぬくもりは、いつも
土の匂い 木の匂いで出来ている
どれほど年老いても、銭湯の湯気の中
その存在感には
富士山も
霞んで消えて、行くばかり
角材を担ぎ上げる姿 のこぎりをひく横顔
....
ふと右を見ると三塁手が君だったので
僕はすっかり安心した
うららかな春の日、デーゲームは淡々と続いている
スタンド、ベンチ、フィールド
いろいろなところからいろいろな声が飛び交っている
....
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