すべてのおすすめ
たとえば
丸の内の横断歩道
腕に巻きつけられた
時
が刻まれる
雑踏
で
私だけが自由だった
大きな意味で
宇宙の時間は絶対であるので
自由にはなりえないのだが
もうすぐ昼の ....
はなないろ
虹を見たい といつも言うあなたなので
「は七色」なのだろう。
でもごめん
「花な色」とあなたは書いたのだ、と思いこみ
待ち受け画面にしてました。
だんだんだんだん
待ち受 ....
(百年後ニハ
生キテイナイ)
二人連れと犬
雨上がりの夜
犬は
道端の壁やら草むらを
ジクザグにはしゃぐ
見えないものを見る
ひんやりした空気を恐れたりしない
世界 ....
赤い衣服から
す と 引き抜いた
ほつれ糸
を
クルルルル
弄んで・まわして・弄んで
クルルルル
赤らんだ指の模様 切ながって
更に赤らんで・赤らんで・堪らないため
....
薄暗い部屋の中に一つ
薄汚れた小さな匣があった
その匣は幾重にも封がなされ
絶対に匣が開かないようにされていた
すぐ向こうから何人かの男女がこちらへと向かってくる
……
....
小さい頃
朝起きて カーテンの隙間から一直線に差し込む光
そこが
天使が人間界に来るときの 入り口だと信じてた
夏の空が 澄んでる日
雲の上に 天使がいると信じてた
大きな雲を 見つ ....
たださまようだけではなく
裸 なのだ
ただし
きらりんと光る瞳を持つ
裸の羊
裸のために役立たずと裸のために群から追われ
けれど裸のために僅かな陽射しにぬくもりに
狂喜する
....
かぐわしいてんごくのような体験は
薔薇体験
といいます
いっぺんにしらがになるような体験は
灰体験
といいます
きみのことばで
薔薇になったり
灰になったり
おお いそがしいこと ....
20時半発の夜行バス
わたしは財布片手に飛び乗った
12時間かけて向かう先は東京
海山川を越えて
わたしは東京に向かう
ただ埴輪に逢うために
前の席に坐ったサラリーマンのいびきに
仕 ....
サイレンが変なメロディつけて鳴っていて
校舎の窓にほおづえついていると
校庭ペンギンが
横目でこっちを見てる気配
すべりだいの隣のやつ
昨日ノリちゃんが
すべりだいの時にパ ....
夜の憂楽町線は
疲れたメガネの顔でいっぱいで
うんざりしていたら
隣に座っていた女の人が無言で泣いていた
女の人は下を向いていて
しゃにむに手で前髪をすいている
耳をすますとポツ ポツ ....
トビウオがサンマの仲間であるのと同じくらい
パラシュートはビニール傘の仲間であるので
空から降ってふわりと揺れる君の昨日のことばと
肌を冷やす冬の雨を避ける僕のかなしみとは
そんなに変わらない ....
夕焼けの頃)
机の上、広口ビンの透明な壁面には
「真空」と書かれている
私はただ、じっとそのビンを見つめているだけだった
あなたはそんな私を若かったのだと笑うだろうか
あるいは、 ....
凪沙の歌
ぱぱ
ぱぱはきのうおそくにかえってきましたか
あたしとままがねてるおふとんのよこに
もうふだけおしいれからだして
おきがえもしないでねましたか
ぱぱ
ぱぱはきのうば ....
笑顔は
その下の無数の筋繊維と毛細血管だけじゃなく
いろんなことも隠してくれているようだ
第二製鋼所もとうとう夜間休止だという朝でも
工長のおっちゃんはいつもの調子で
次の夜に ....
夜から朝の香りが漂いはじめると
冷えた青暗さが産まれてしまい
わたし
朦朧の海の前に立ちつくす
霧に包まれた濃紺の砂浜
埋まってゆく足元を
記憶の波がおしよせて
砂粒軋ませ揺らしてく ....
濃い緑色の瓶は
ひんやりと冷たい
ラムネっていうのよ
ヒロコちゃんが
わたしの耳元でささやいた
花壇の柵に二人もたれて
瓶を高く掲げると
緑の濃さが変化した
きれいな瓶
....
さいきん
じぶんの
はんぶんが
じつはおとこで
ななしの
ははおやであることに
きづいて
とこにふした
いやなこった
せけんのはなしなんかじゃない
にんげんは
に ....
白い壁の
薄黄土色のドアの向こうに入る前に
これを持ってて
と渡された
エアキャップ
ぷちぷちと
つぶして待っていればいいんだろうか
それとも
ドアの向こうから戻ってきたら
自分 ....
マンモスは氷の中にしかいない
過去の或る時
きっと氷河期の氷の上で
跪いたきり
起き上がれなかった
マンモスは
それきり一頭残らず
地上から消え
今はマンモスは氷の中にしかいない
....
秋の連休の最終日に
剣神社のほうらい祭りがある
小さな町のことで
老若男女こぞっての縁日というところだ
小学校低学年の女の子がボールを投げ
オッチャンが外れ ....
あなたのことが気になって
気になって
眠ることができなくて
あなたのことばかり考えていた
翌日、八百屋に行き
店先にあなたが並んでいないのを確認すると
ようやく安心して眠りに落ちた ....
すでに13,264回の公演を終え
僕は13,264回
僕を演じ続けた
誰よりも上手く
誰よりも正確に
ところで
この脚本を書いたのは
いったい誰なんだろう
時々、ありがとう ....
祈りをこめてやれば
たどりつくと
おもっていたんだから
赤いくちびる
霧でみえない
やわらかな膜
せなかの音
呼びたいのは何
赤い点々
地図のうえ
おちる
うかぶ
....
赤いセーターの女
ひっつめの髪
きみどり色の閃光
作業
眼鏡
作業
光
作業
反復
業務
右
左
複写機
吐き出される
モノクロ
ドット
三千枚の
「@」の顔
....
かつて滅びた文明
メソポタミア文明
それが今私の中で蘇る
ホットケーキは石で焼いて
チョコレイトは石で溶かして
ミルクセーキは石で泡立て
「石ばっかりやな」
私とあなたでは意 ....
あさ ame 滲む顔
ひる ame ぼやけた顔
ひる2 ame 20pxの顔
女の子の部屋に期待していた子供
夕方は無い
カラスが明け方に自殺をしたら
お天気雨になった と ....
目をとじると
だれかの鼓動が聞こえる
机のすみや天井やそのダンボールのかげからも
だれのものかはわからない
けれども だれのものでもいい
わたしの気配をうかがう
いくつもの鼓動
....
「口数の少ない{ルビ女性=ヤツ}が良いぜ」
「野性的な{ルビ男性=ヒト}が良いわ」
まるでファミレスのメニューを広げるような出会い
会計が済んだらこっそりテイクアウトのオバチャン
....
今
そんなに強張っているけど
肩の力を抜いて
眉間の力も抜いて
下唇の下の力も抜いて
そしてなにより
心の力を抜いたら
自然に腹の力も抜けるから
そしたら
Boo ....
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