すべてのおすすめ
 たびびと しずかに
 歩き出す
 手ぶらで
 どこかに
 しずかに

 太陽の光
 腹いっぱい
 吸い込んで

 たびびと どこかへ
 歩き出す
 着のまま
 のんびり
 ....
笛の音が滴る 波紋が暗やみに満ちてゆく
私は白く閉ざされ動くことができない
ほんの数ミリ 口から暖かい息が動くのを誰に感づかれまいとしているのか
視線が拡散し 霧の一滴一滴に乱反射する

私 ....
ゴミラは疲れてしまった。
うつむいて
とぼとぼと茶色い海辺をあるいた。

テトラポットが陽気な声で
「あたしはゴミじゃないわよ」と言った。
でもゴミラは知っていた、
テトラポットはゴミラ ....
{ルビ金野成貴=かねのなるき}は金のなる木を育てていた
金のなる木は金野成貴に育てられていた
金野成貴は金のなる木に毎日毎日水を遣っていた
金のなる木は金野成貴に毎日毎日水をもらっていた
金野 ....
『永遠』
という言葉を僕は辞書で調べてみた。
時間が限りなく長いこと。とこしえ。

とこしえ。の意味を知りたくなった僕は辞書で調べてみた。
『とこしえ』
いつまでも変わらないこと。永久。
 ....
コンビニで買ったパンと
手には古い釣竿
ヘッドライトを頼りに
必死でたどり着いた
飛沫にぬれる岩礁

これはいささか無謀ではないか

岩を砕く波の音におびえながら
一人地球の先端に腰 ....
 久しぶりの電話や会話で
 「なんか」という接頭辞だけを繰返して
 うまく喋れない

 話しがしたいのに
 言葉を紡ぐことが出来ない自分が
 もどかしくって涙ぐんでしまう
 
 僕 ....
突然目の前にいかにも怪しげなおっさんが現れて言ったんだ
『恋人と親友、どっちを取る?』
そんなこと聞いてくるから
「両方だよ」
って言ってやったのさ……そしたらどうだい
『欲張りな奴だな、1 ....
私はもう涙しません
何故なら、そう決めたからです
だからもう涙しないのです

地球温暖化が進んでいるといわれている昨今
これからの降雨量も心配でしょう?
だから貴重な水資源を失いたくないの ....
たわしはもう
わたしのことなど忘れて
海に帰ってしまった

たわしのかわりに
いわしで風呂の掃除をすると
少し生臭かったけれど
自分も海に帰れたような気がして
そのような気がして

 ....
たわしを買ってきたわたしは
綺麗な洋服を着せて居間に飾った

たわしはどこかわたしに似ていて
わたしは一度もそのように飾られたことなどなかった

日曜日
わたしはたわしを使って風呂掃除を ....
薄幸そうな女が歩いていく
カツカツカツカツ通りを歩いていく

お気に入りの赤いコートを着て
カツカツカツカツとブーツの音を響かせて
薄幸そうな女が歩いていく

背筋をピンと伸ばし
 ....
いろんなものがぶら下がっていたので
ついつい拾ってきてしまった
天井から吊るすと
いろんなものがいろんな色に光り
窓を開ければ夏の風に吹かれて
いろんな音をたてる

シャリン、チャリ ....
夢の中で
年老いた象が悲しそうな顔をしていた
どうしたのか、と聞くと
故郷のアフリカに帰りたいのだと言う

草原で捕獲され
動物園に運ばれてからの調教師との親交や
子供を出産したこと ....
台所に落ちていたピーマンを
コロコロと転がす

窓の外
喪服を着た人が数人通り過ぎていく
誰かの死はいつも何気ない

昨日より少し蒸す部屋に
何の比喩にもなれない私がいる


 ....
駅前で冷蔵庫が名刺を配っていた
私も一枚欲しくて列に並ぶ

冷蔵庫の中が無性に見たくなって
ドアを開けようとすると
少しムッとしたみたい
ガサガサ音をさせる

もらった名刺には冷蔵 ....
ようかんが街をつつんで
今日も夜がやってきました

駅からの帰り道なんですが
星々は百円ショップのようにチープにまたたいて
さしずめ月は壊れたひょうたんってとこですか

秋の虫がいい ....
ねえ、雨

+



+

遠い

+

いつも

+

記憶

+

遠い

+

ねえ、雨

+

崩れる?

+

崩れない ....
二十数年前
大量の醤油を飲んで自らの命を絶った科学者がいる
それが私の父だ
いったいどれくらいの醤油を飲んだのか
警官が説明しようとすると
母はそれを遮り
私の手を引いて長い廊下を歩き ....
【透明人間の憂鬱】

透明人間の悩みは
最近、髪の毛が薄くなってきたこと
これでも若いころは
リーゼント、ヨロシクきめて
ハマのあたりでバリバリに透明だったぜ、ってなもんで
今ではバ ....
ボーリングの玉をひとつ持って
旅に出たことがある
あてのない旅だった
いつ終わるともわからない旅だった
右手に
疲れたら左手に
15ポンドの重量を感じる旅だった
旅路のはて
帰るこ ....
(一)すべてのものは

日が翳っている
四月は末日
冷たい図書館の
その片隅で


ある日、男が生まれ
ある日、死んでいった


たった二行の
歴史書が
誰にも読まれること ....
街中ですっ転んだ
視界にあるのは人の脚

何事も無かったかのように通り過ぎる脚
立ち止まってこちらに視線を投げかけている脚

スーツの脚
ジーパンの脚
スカートの脚
ルーズソック ....
狸亭さんの自由詩おすすめリスト(683)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
放浪する人- 弥生兎自由詩103-9-12
- 岡村明子自由詩503-9-11
ゴミラの消失- 佐々宝砂自由詩5*03-9-11
金のなる木- 桜 葉一自由詩103-9-10
永遠は永遠に終わらない- 桜 葉一自由詩103-9-8
夜釣り- まんぼう自由詩103-9-5
だからキスしようよ- マッドビ ...自由詩403-9-5
恋人か、親友か、…- 桜 葉一自由詩403-9-3
炒めた玉ねぎは涙の味がするのだ- たもつ自由詩403-8-18
それからのたわし- たもつ自由詩803-8-11
たわし- たもつ自由詩603-8-11
薄幸そうな女- たもつ自由詩303-8-7
夏の音- たもつ自由詩503-8-1
象の夢- たもつ自由詩403-7-29
梅雨入り- たもつ自由詩303-7-25
生きていくこと- たもつ自由詩1003-7-23
家に帰る- たもつ自由詩403-7-15
- たもつ自由詩703-7-11
醤油- たもつ自由詩9203-7-9
透明人間と- たもつ自由詩4703-6-23
15ポンド- たもつ自由詩403-6-18
旅路- たもつ自由詩1003-4-20
人の脚- たもつ自由詩2103-4-2

Home 戻る 最新へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23