椎茸とぼくらの夜
nm6

卑猥だ
どうしてか 椎茸が卑猥である


もう寒くもない夜に自転車を走らせて川べりに行く
警察官に止められて ライトをつけろと言われ
彼らもこう見えて 楽しく生きているといい
上々な証拠だ


椎茸が夜中にフライパンの上から
皿の上へと 醤油の海へと


夜は暗い
川の水は 月がぼやけた空は
負けじと ぼくの妄想をロープで引き起こす
ウェイク・アップ


ドライブをしよう
きっとぼくらには 夜中が似合う
椎茸を
冷めないうちに


多分いま 楽しそうに笑っているだろう
更けていく毎日に 浮かんで消えるきみは
そしてぼくは
甲高くちっぽけに 世界をはやしたてている
ビールの栓を抜きながら
妄想をつづける


自由詩 椎茸とぼくらの夜 Copyright nm6 2004-03-10 23:39:14
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