すべてのおすすめ
あさはまだくらいうちから
うしうまにえさをやり
いどでみずをくんで
ひえつぶのういたしるをすする
ひがのぼれば
たはたにでて
はるはあぜぬり
なつはくさとり
あきはかりとり
....
あの日
僕の夜空は燃えた
僕は君を許せず
君も僕を許せず
裏切りと涙の
炎が燃え立った
僕は酒も飲むし煙草も吸うけれど
憎悪に近い炎を
一杯の酒で流せるはずはないよ
....
僕の欲しかった
犬のぬいぐるみ
お母さんが
買ってくれたんじゃだめなんだ
お父さんに買って欲しかったんだ
僕は
お父さんを写真でしか知らない
天にいるのか
地にいるのか
....
わたしは小鳩をはなす
わたしの小さなコトリ
まだ小さな頼りない翼で
まっすぐに大空へ飛べと願いを込めて
寄り道するのも楽しいよと付けたして
わたしは小鳩をはなす
小鳩はわたしからは ....
雲のない
ブルー・スクリーンを仰ぎ見ても
語るべきものなど何も残されていない
サイレント、ひとつ
崩れながら包み込まれる
ネイティブ・アメリカンに
インディアン・サマー ....
あめあがりの
まちはしっとりして
やさしい
のうたんが
ひろがっていた
きみはときおり
みずたまりに
ぱしゃん、としずくを
はじけさせて
....
雲は糸で動かされているのよ
これは君が私に残した最後の言葉
ここから見えるあの猫のあくびさえ
君の目には糸が見えた
庭に咲く白い花も
風が動かしているのかと問う君に
....
式に歌う最後の曲は
嬉しさと寂しさで
下手くそになるね
仰々しく受け取った
証書もただの紙切れかもね
これっきりの帰り道
証書の筒を振り回して
今まで
たいして好きでもなかった ....
奔走するガラスから
ちりちり洩れる
直角に入れば致命傷になるのだと
甘く甘く射しぬかれるたび
強張る頬に受けとめる
僕は
足を埋めてしまった
土筆のように ....
詩を書きたいと思ってて
座って何も浮かばないでいる
君はUFOに乗ってランチを食べながら
友達たちとおしゃべりをしていているね
君の笑い声が一番楽しそうに聞こえてくる
他の女の子たちとは、ま ....
黄色
ただ一面の
春混じりの風に揺れ
さらさらと
ぱっと明るくなったようなその中に
ぽつんと一人立ってみると
どこが始まりでどこが終わりで
なにが理由でなにが結果で
それば ....
その目は空を見つめるばかり
見えない何かに追い詰められ
見えない何かを常に恐れてる
{ルビ孫娘=わたし}の声も届いているのかいないのか
間違いなく{ルビ嫁=かあさん}の声はもう届かない
....
「長江ですか。
うちから電車で三日ぐらいです」
と中国からの留学生
遠いのか近いのかさっぱり分らないよね
例えるならば月
星々や太陽よりは近しく
雲よりも空よりも私た ....
君のことを考えていられるのは
今から、この詩を読み終えるまでの
たった3分の間だけなのだろう
気を抜くと置き忘れる感情移入
応えのない呼びかけと、持続力の欠落
....
たまねぎを剥く事くらいに
泣くのは簡単だと言うクローゼ
とても静かに
自分の作った暗喩を慰めている
すり減ったローファーを履いて
路地裏でメントスを噛むクローゼ
クローゼのメン ....
何でも書ける気がするよおれ!
じゃあ書きたいことについて書くんだ
えっ?
つまり見たいように世界を見てそのありのままを書くのだ
書きたいものを選ぶのだ
そして何を見たかったのかについて知 ....
小雪舞う 朝焼けの
オレンジ色の結晶の
構成単位の隙間から
瞳 合せて
大山 眺む
空 裂けて
捲れたのに
おしなべて
振り返らずに
発つしかなかった
....
ハロー、ハロー
周波数はあっているか、こちらはDJ
十三年ぶりに新種のサンショウウオが発見されたそうだよ、皆さん
サンショウウオが好きなDJとしては久しぶりに嬉しいニュースだ
寒い日が続く ....
細かい雨が明るい空から降っていた
私はそれを両手ですくい取ってみた
今この掌の上の雨粒も
毎日私から湧き出す想いも
どこか遠いところに染み込んで
いつかはまた私の前に辿り着くのだろう ....
石鹸のにおい
休み時間の度に手を洗っていた娘がいた
両手で水をすくい
端からこぼれ落ちるところから飲んでいく
こんなふうに
僕の書く文章なんて
いつも隙間だらけの言葉足ら ....
花が咲いた
名も知らぬ花が
花が咲いた
名も無い花が
まるで
自分のようだ
名も知られず
名も無い自分
生きるのに精一杯で
他のものには目もくれず
生きるのに精 ....
瞳を通してしか君を見つめられないのがもどかしい
どんなに君の近くにいても
このガラスはきっと分厚い障壁で
この想いを一滴さえも通してくれない
耐えきれなくて 涙を溜めれば
余計にガラ ....
年寄ると
雌牛の乳房はずるりとながい
地面につきそうなくらい
搾乳器にもかけにくい
隣の牛に踏まれると
乳房が裂ける
裂けると
いつものおじさんがきた
麻酔したのかしないのか
....
牛が生まれる
大騒ぎしているのは人間ばかりで
牛は慣れたもの
これで五度目のお産だ
まだちいさいわたしは
目をみひらいている
子牛は逆子で
おじさんは苦労している
どうやったも ....
あなたの背中に吹いた風が
ここまで届くようにと窓を開ける
どこからか
たどたどしいリコーダーの音が聞こえる
この星はとても小さい
Son of a time machine
Don't say goodbye
Open your eyes
This is not the end of time
Stay for a ....
そのひとは
もう いないけれど
たしかに ここに
いたことを
ぼくは しっている
アラームが鳴りだすまえに
「夢」のせいで半分目覚めてしまい
その人の 匂いがする
その人は も ....
きゃらめる 5
よる
1
なにもみえない
から
こわいんじゃない
なにもみえる
はずがない
から
こわいんだ
....
黒い筒の中に入った卒業証書を昨日
僕はうちへ持って帰った
そいつは本当は
日の目をあびていたいんだろうけど
丸まって黒い筒に収まっているのが一般的で
そいつは本当は
沢山の視線を浴 ....
この道を通ると
君を想い出す
君は本が好きで
いつも本を抱えて角の本屋から出てきた
本で手がふさがってると
にこっと笑った君
手を小さく振った僕
君は幻だった ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23