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Boy
話のわかる先輩とグラスを重ね
生意気を言い放っては
頭を撫でられている
Boy
姉さん達より自分の肌を瑞々しいと言った後
懸命にフォローの言葉で繕って
やっぱり頭を撫 ....
「 あぁ あぁ あぁ あぁ
嗚呼 嗚呼 嗚呼 嗚呼 ・・・ 」
休日の公園
木々の上から
{ルビ烏等=からすら}ののどかな調べに
地上の鳩等も舞い踊る
噴水のほとり
餌 ....
金髪の中年
若い未亡人
ぎこちない青年
3人はうどんの出る喫茶店で
食事を共にしていた
丸テーブルの真ん中に
輪菓子(ドーナツ)が置かれていた
スポンジの空洞の上で
3人は ....
午前零時半
歌舞伎町の片隅
長旅で東京に辿り着いた女は
コートに{ルビ包=くる}まりしゃがんで
コンビニで買ったおにぎりを
むしゃむしゃと喰っていた
隣で塀にもたれた僕は
熱い缶コー ....
もくもくと
ただもくもくと
ふくらむままに
あなたをだいじにすればいいのに
入道雲の中では
小さくちぎれた雨雲が
ちくり ちくり と
針の雨を降らせ
あふれる想いを傷つけます
....
昨日見た夢の中で
銀世界の夜
雪だるま達が
無言の笑い声を響かせ
雪合戦をしていた
目覚めたベッドから
窓を開けると
おととい冬の子供等が
煙の吐息昇らせて
きゃっきゃっ とつく ....
ニッポン Japooon ・・・・・・・・
日の丸の太陽を
青いペンキで塗り替えて
水の惑星に小さく浮く
びみょうなくねりの島国は
僕等乗せた 沈みかかりの小船
21世紀
曇った ....
この世がひとつの鍋ならば
阿呆らしきことのごった煮じゃ
杖を頼りに散歩から帰り
ブラウン管を開けば
空母から戦闘機が
美しい水平線へ消えてゆく
イラク人の出稼ぎ労働者がバスに揺られ ....
最終の江ノ電を降り
乗車券を{ルビ車掌=しゃしょう}に渡す無人駅
夜の海を横目に歩き
{ルビ潮騒=しおさい}を背に
なだらかな墓場の階段を上る
振り返ると
西の夜空に暮れる三日月
....
小学生の頃 道徳の授業で
トマホークというミサイルの映像を見せられた
昼休みの図書室で
「はだしのゲン」を読んだ
全身を包帯で覆われた母親が
生と死の境目で
息子の名を
とぎ ....
新宿の路上 ヒッピーをきどる若者達は
ダンボールひいて妙な感触の良さを味わい
くだらないトークを楽しみ
夜明けを待つ 真夜中の歌舞伎町
消えぬネオン街に行き交う人々
ぎたあ弾き語る路上 ....