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朝の土手のチンピラの遠吠えから(採録)

  *

 ちょっとだけ
 オレのはなしをきいてくれ
 土手をあるいていたら
 ひとりばあさんがいたんだ
 ばあさん
 さむいのに
 はん ....
空はややこしく物悲しい
こつこつと誰かの一人帰る音がきこえる
車の高いクラクションがなる
冬の風が耳にしみる

先ほどまでうすいシャツ一枚でいられたのに
わたしはカーディガンをはおり
つ ....
私は、私を 
君に伝えた 伝わった?

国道38号線へ

わからないことは 
ますます増えてゆくけれど
信じていることは
これっぽちも変わらない

許せない許せない許せない
 ....
あなたは、加藤商店で
アイスキャンディーを
買ってくれました

川沿いの道並んで歩き
アイスキャンディーを食べました
おばあちゃんが待つおうちへ

「あ、おばあちゃんのがないよ」
 ....
[バリケードのこっち側]


その前日
あたしは工場で残業した
まんまるいちんち段ボールの箱と格闘して
それでもまだ働けとベルが鳴った

自転車をこいで家に帰ると
戦いは明日だと言う ....
いい天気ですね
がはじめの言葉だった
G線上のアリアが流れていて
あんまりできすぎたシチュエーションに
笑いをこらえるために
コーヒーを一口すすってから
やっと私は
ええ
と答えたのだ ....
ゆらゆら揺らめく
かげろうの下にある水に入りたくて
僕は走り出そうとする

遠くに行っちゃだめよ

手を引き寄せられた
夏の日のいつか

日傘を差した母を困らせるなんて
したく ....
まちがいさがし

赤い帽子は青い帽子
青い手袋 赤い手袋 
ショルダーバックのかけかた逆で
ついてるひざは右が左
積もった歩道に あしあと増えてて
くつひもを結んでいるおとこのこ

 ....
「町田康みたいになりたい」
と言って出ていった人は
「みたいに」
と言う時点で
きっと 駄目なのだけれど

そういう私は

映画館で赤い便箋を買って
別れたい男に
「愛しています」 ....
[か]


彼女は語る
空笑いを髪に飾って
かりそめに交わすカタルシスを
からみあうカドリールを
軽やかなカデンツァを
金切り声で語る語る

彼は彼で
寡黙な肩で風切って
 ....
[あ]


憐れみを集めても
飽きられあしらわれ
愛されない

諦めはあたしに合わない

綾織りの雨を浴びて
あてなく歩こう

嵐のあと
あげひばりは
明るくあらがい
 ....
おいしい
ためいきと沈黙の時間に
脇にはベッド
シャワールームには
不思議な大きな女の子の絵が
目隠しに貼ってある
濃密な時間を過ごすための空間

おでんが冷めていく
こういうホテ ....
この世がひとつの鍋ならば
阿呆らしきことのごった煮じゃ

杖を頼りに散歩から帰り
ブラウン管を開けば
空母から戦闘機が
美しい水平線へ消えてゆく

イラク人の出稼ぎ労働者がバスに揺られ ....
お姉ちゃんが
こまぎれになって
道路に落ちていた

わたし
ひきずる
お姉ちゃんの右腕
ずるずるとひきずって

「はやく帰らなくちゃ」

アスファルトに
右腕が描いた
赤 ....
  

笛の音

振り返らない君には
耳鳴り


笛の音

振り返るばかりの僕には
聞こえず


笛の音

誰もが通る道をただ歩いて
行くだけ


笛の音

 ....
鼓動の響く夜に
僕らは
互いの石を探しに海へ駆けった
ひざ下まで埋まる光の棉を踏みしめて
薄い呼吸を散らして
僕らは
過去を ひそめる

今宵
君があんまり強く握るから
はしゃぐか ....
朝が沈黙している
少し開かれた窓辺の片隅で

その隙間から海に似たものたちが
ぼつり
ぽつり
と入り込んでは
満たそうとしている

出会ったばかりの幼子は
「さようなら」と ....
途方もなく大きな岩です
上空に浮かんだ岩が頭上をすっぽりと覆っていて
地面からのびた一本の柱が支えています
大勢の人がその下で暮らしています
街の周囲には巨大な壁があって
だれも外に出られま ....
あてもない夜を歩いていると
石門だけが残った丘の門番に出会った
夜も長いので空の話を聞かせてくれ
という ので
十二番目の石から昇る太陽について
ありったけの知っていることを語ってみた
そ ....
課題:『「決められるもの」は(カミ)デアルとはかぎらない』を証明しなさい(制限時間100年)
---------------------------------------------------- ....
悲しみは忘れた頃にやってくる

悲しみの上にも三年

悲しみ盆に返らず

千里の道も悲しみから

咽喉元過ぎれば悲しみ忘れる

悲しみの悲しみによる悲しみのための悲しみ

 ....
ママと一緒に、自由を食べたら、
出ておいで。
ここにおいで。

音も出さずに、いとも簡単に嘔吐することを、
生きていく術としている人もいることを、
目の当たりにしたのです。

パパと一 ....
ふと気がつけばあたりはきわめて複雑で
ちょっと説明のしようがないんだが
とにかく私の左胸ではトビウオが騒いでいる
右手にはねっとりべっとり蜂蜜がついている
左手にはお定まりの手錠で
ここらへ ....
 夕暮れの中へ
 白鳥たちが
 旅立った方角を見つめて
 僕も両腕を羽ばたかせている
 
 彼らは悲しみを捨てに行った
 南国のフラミンゴ
 陽気な友の声を聴きたいそうだ

 ま ....
最終の江ノ電を降り
乗車券を{ルビ車掌=しゃしょう}に渡す無人駅
夜の海を横目に歩き
{ルビ潮騒=しおさい}を背に
なだらかな墓場の階段を上る

振り返ると
西の夜空に暮れる三日月
 ....
シッテイル
キミガドウシテ此処ニイナイカ
キミヲ追イカケルコトハモウシナイ
ナンドモ待ッテイテクレタヨルニ
ナンドモマッテイテクレタアサニ
キミガ
ツムイダ声ヲオイカケタイカラ
(よるは ....
  

本島中部の小学校で よくあるように
高台を開いた土地に建てられていました
二年生の教室だけは校庭をはさんだ東側に
平屋建ての校舎でした
その校舎の裏に緑の小さな森山(ムイ) ....
スーパーで買い物をしている間に、外はすっかり暗くなって心細くなった。
自転車に積んだ荷物が重くて、よろけないように注意しながら、狭い四つ辻を車と車の間をすり抜けながら曲がった。
ふいに木に咲く ....
夜の空の下の方に
細い三日月がずり落ちかけていた
ここからは空が下の方までよく見える

髪をふたつに束ねた小さな女の子が
泣きながらかけて来て私の横を通り過ぎた
女の子は私を見なか ....
一対五で混ぜるのよ
カナコさんは慣れた手つきで
ビンのどろりとした白い液体を
コップに注いた
それから
冷えたペットボトルを冷蔵庫から出して
ぐわぐわっと振ってから
神妙な手つきで
 ....
狸亭さんの自由詩おすすめリスト(683)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
朝の土手のチンピラの遠吠えから- バンブー ...自由詩503-12-3
冬の、- 竹節一二 ...自由詩203-12-3
君は国道38号線をゆく- サダアイ ...自由詩503-12-3
ゆうべのアイスキャンディー- サダアイ ...自由詩603-12-3
小詩集「マルメロジャムをもう一瓶」- 佐々宝砂自由詩18*03-12-3
Air- 岡村明子自由詩803-12-3
かげろう- たもつ自由詩803-12-3
なくなっているものは- バンブー ...自由詩203-12-3
嘘つき- 山内緋呂 ...自由詩17*03-12-3
五十音頭韻ポエムか〜こ- 佐々宝砂自由詩3*03-12-3
五十音頭韻ポエムあ〜お- 佐々宝砂自由詩3*03-12-3
「猫」という名のホテルにて- 岡村明子自由詩603-12-2
ひとつの空- 服部 剛自由詩2*03-12-1
お姉ちゃんのヘビ- サダアイ ...自由詩603-12-1
日暮れて- AB(な ...自由詩303-12-1
硝子の石- バンブー ...自由詩403-12-1
卒業- たもつ自由詩503-12-1
ミッシングマス- アンテ自由詩403-11-30
空の門番- AB(な ...自由詩403-11-28
課題:『「決められるもの」は(カミ)デアルとはかぎらない』を ...- バンブー ...自由詩1*03-11-28
悲しみ- たもつ自由詩1403-11-28
衝撃的な画像を- 浅野 す ...自由詩403-11-28
ふと気がつけばあたりはきわめて複雑で- 佐々宝砂自由詩103-11-28
エボリューション- マッドビ ...自由詩203-11-28
アンタレス- 服部 剛自由詩203-11-27
イマデモアサハシロイデスカ?- バンブー ...自由詩103-11-27
ムイグヮー- AB(な ...自由詩503-11-27
ティアラともいう- えのき自由詩303-11-27
夜の空の下の方- えのき自由詩203-11-27
ちょうどいい割合- アンテ自由詩6*03-11-27

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