山道を左に入って
舗装されていない砂利道を1キロくらい
そこに

わたしとあなたの
思い出が
白っぽい蜃気楼になって
佇んでいる

わたしは怖いから行かない
たぶんあなたも

 ....
{引用=
きみがとなりにいて、まつげの
触れるくらいとなりにいて それは
おどろくほど退屈で いとおしい
午後で}




きのう、オジギソウが発芽して
日記にそのことは書かなかっ ....
朝起きると、
夫の蟹を食べる。
水のきれいな土地で生まれ育った夫の蟹は、
沢蟹に似た味がして、
なかなかの珍味である。
蟹は大抵、
夫が寝ている間に、
湧 ....
朝、自転車に侵入された
ちょうど起きようとしているところだった
カロロと卑猥なペダルの音を耳元でさせ
とても恥ずかしかったが
俺は初春のように勃ち
自転車は器用に車輪をたたみ侵入してきたのだ ....
私たちは互いを必要としながら
それぞれの場所で夕陽を眺め
明日の湿度を欲しがり飲み込む振りをする

あなたと私は
埋もれてしまったいつかの夏に
栞を置いたままかもしれない
そ ....
空わたり沈むまなざしみずたまり



二季またぎそよぐ野の墓みずたまり



何も得ず何も見ず居るみずたまり



輪を{ルビ描=か}かずめぐる生の輪みずたまり
 ....
男は体育館の裏に
女の歳の数だけ
星を埋めた

女は男のために残しておいた
夏の一番柔らかいところを
まだ寄木細工の箱にしまってある

詐欺師の家では
換気扇がゆっくりと壊れて
ま ....
Ser immortal es baladi;
menos el hombre, todas las criaturas lo son, pues ignoran la muerte;
lo  ....
       1

ひかりは、不思議な佇まいをしている。
向かい合うと、わたしを拒絶して、
鮮血のにおいを焚いて、
茨のような白い闇にいざなう。
反対に、背を向ければ、向けるほど、
やわ ....
酒がキレた俺とアンちゃんは
「大きな砂浜のある」駅にあてもなく降りる
行商のオッさんはしゃべり好きで
列車の走るあいだ ずっと
ハマグリが夢をみる話とか
食べられる星を手に入れた話とか
 ....
疾走す十六の夏が跳ね上げる飛沫に眩み光に濡れて

夢よりも大事なものもきっと夢何追エバイイ遣る瀬ないまま

迷うのは間違っているからじゃない 信じたいのはたったそれだけ

傷つけるばかりの ....
駅前に
都会が落ちていた

命のように
きれいだった

なくさないように
拾って
ポケットにしまった

そして
三年振りの待ち合わせに
僕は現れなかった
うっすらと花を押さえるのは見ぬふり

小鳥が浮かんだり沈んだりする空か水

また鴉に戻ろうとした墨汁で書く

ごみを焼く朝の延焼覆う影

無償ではたらく室内窓割って室外

テーブル ....

初夏の山は
いいにおいをしたものを
たくさん体の中に詰めて
まるで女のように圧倒的な姿で
眼の前に立ちはだかってくる
たまに野良仕事をしている百姓が
山に見惚れていることがあるが
 ....
ここでは稜線をつよくなぞるようにして吹きつける風が、けし
て浅くはない爪跡を至るところに残している。砂混じりのかわ
いた大気に、あれた山肌に、つつましい色を放つ丈の低い植生
群に、かるくひび ....
まっすぐにそそり立った夜から
はねあがるようにおきた明け方
まだ覚めきっていない体の白身を残して
黄身だけが流れだし
キッチンの冷蔵庫におさまってしまう

白身は悠長に時間をかけ ....
戦争が終わって
俺は窓辺にサボテンを飾ってみる

戦争が終わって
俺は愛のあるべき形を知ったのだ

戦争が終わって
俺は誰も彼も愛しまくる




 フィルピンパブで働く女を
 ....
胸の中の灰色の重たるい空に
気怠く浮かぶとりどりの飴玉のような
飛行船の数を数える
数えたそばから何度でも忘れるために
曇を知らずに
ついばむかたち
花のかたち


あこがれ
うしろめたさ
午後の砂の輪


置き去られた目の幾つかが
むずがゆくからだにひらいても
窓を見つめることがで ....
 
  


 わたし、苺をいただこうと思って、近所の自動販売機まで出かけましたの、そしたらば、それは偶然、ペプシの自動販売機でございましたが、なんとも、苺は売ってませんのよ、懐疑という二 ....
 ひどく髪が傷むのは
 瓶詰めの中で 
 チェリーが
 悲しんでいる



 死にそうな動物を
 殴る
 歯間から漏れる
 折れ曲がった
 釘のような嗚咽

 ....
http://www.avantgardeproject.org/
http://www.avantgardeproject.org/archive.htm

名前がそのまんまだけど
結構古い ....
揺れる草の歌を
聴こうというのだろうか
歌おうというのだろうか
草の名も
知らないまま
指先が風を求めている
腕が踊りだして
足取りは流れて
太陽の光に浮かれてしまえば
もう
ここ ....
編みかけの服が
国旗に採用された
みんなが喜ぶなか
ほつれを気にする母


教授の息子は
父親の話す世界を
土を捏ねてひとつずつ作り
アダムやイヴのかわりに
幼いころから憧れていた
ネイティヴの顔を描いた

はるか

はるかの時の後で
ただ
 ....
曲がり角ごとに鳥はいて
夜を夜をとまたたいている
青紫の窓がふたつ
甘い手管にひらかれてゆく


うすぐもり
なりひびき
皆なにかを
抱きしめるかたち


昇るもの ....
蒸発した母のかわりに満ちる月


懐かしい向日葵の微笑返してよ月!


正しい人間のはずが砂の温もり


蛍光灯割れるたびにうたううた


若葉のような生きる意味があったなら
 ....
白くてちいさなやつをカチカチしてやると
ちょうどまんなか辺のガラス窓から見える
同心円の模様がぐるぐるとまわりだす。
数秒間その動きが持続するのを確認してか
らそいつをガラスのテーブルの上に置 ....
春がじかん切れとなり
贅沢な地下鉄のゆれにまかせて
それぞれ 肩から鳥を逃してゆく
そらにまいあがれ、ちぎれないままで 
そらを

みじゅくな鳥が
春の隅っこを
ゆっくりと ....
帽子の話はひととおり終わり
白い塀が先の方まで続いています
突き当たりの干物工場を右に
道順を教えてくれる指先は節くれだっていて
足元には重いものに潰されたような
カマキリの一部が残っていま ....
ピクルスさんのおすすめリスト(1095)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
舗装されていない道- チアーヌ自由詩1207-5-25
そんなふうにして過ぎていく- 望月 ゆ ...自由詩56*07-5-25
「_蟹。_」- PULL.自由詩19+*07-5-24
侵入- たもつ自由詩1407-5-23
私たちの欠落(夏の日の)- 藤丘 香 ...自由詩45*07-5-23
みずたまり- 木立 悟俳句1107-5-20
あしたのわすれもの- たもつ自由詩907-5-20
夕日- 水在らあ ...自由詩54*07-5-20
ふたつの曳航- 前田ふむ ...自由詩27*07-5-18
砂浜に絵を描く(マリーノ超特急)- 角田寿星自由詩707-5-18
ミセイネン_1999- Rin K短歌18*07-5-18
待ち合わせ- たもつ自由詩1507-5-18
かげりとかげらぬもの- 黒川排除 ...川柳4*07-5-18
初夏- 吉田ぐん ...自由詩4307-5-17
山岳地帯(マリーノ超特急)- 角田寿星自由詩7*07-5-16
たまごを溶く- なまねこ自由詩10*07-5-16
終戦- Tsu-Yo自由詩1307-5-14
春の消閑- 塔野夏子自由詩17*07-5-13
ひとつ_まばゆく- 木立 悟自由詩807-5-13
苺を求むる- カンチェ ...散文(批評 ...507-5-12
この音楽の奏者は一方的に失う- カンチェ ...自由詩307-5-12
AGP(音楽カンケー)- 黒川排除 ...おすすめリ ...207-5-11
平原のちいさなあしあと- 貝だった ...自由詩907-5-11
ノート(旗)- 木立 悟未詩・独白307-5-11
ミシガン・レリックス_- AB(な ...自由詩1107-5-10
午後の声- 木立 悟自由詩2007-5-10
荒廃する場所- 青色銀河 ...川柳11*07-5-10
(無題)(ノート)- 青色銀河 ...未詩・独白507-5-9
砂の城- はな 自由詩29*07-5-9
道順- たもつ自由詩2407-5-9

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