3・28

 あなたが、いつも吹いている口笛の音律が、耳から離れないから、わたしは今日も眠れないんだ。窓の外には、春と呼ぶには早すぎる、マイナスの風が吹きすさぶ。けれどそれすら、今のわたしに心地よ ....
はざくらがきれいだった
るうとのけいさんはいつも
にがてだった
すしやにかくまわれてる
ごうとうのせんたくものにも
すずしいかぜがふいた

+

ははに
るびいをかってあげた
に ....
河を流れてきた
赤い自動車の
少しずつねじがゆるみ
河口近くで分解して
離散した
たくさんの自動車部品となり
ほど近い海に沈んでいく様子

(行かれるはずのない
 遠いところにあこが ....
10・19

ある日星が落ちてきて
空は見渡す限り暗闇になった
わたしは世界に散らばった星を
拾い集める旅に出た

モンゴルの高原には
羽の折れた白鳥座が落ちていたが
少年が食べ物を ....
とりが
わたしをねむり
わたしが
とりをねむる
しんや
ばすか
とらっくか
おおきなくるま
のようなものが
いえのまえを
はしっていった
とりや
わたしが
めをさましたりゆう ....
4・11

波の返す音を数えて
砂浜に線を引いた
8まで数えたところで
波が静かにさらっていった

真夜中の海は
どこまでも真っ黒で
水平線など見えはしない
それは空が落ちてきたの ....
カブトエビ、という
小さな甲殻類がいるそうですが
さっきから門の前では
牛に良く似た人と
人に良く似た牛とが
縄跳びをしています
縄跳びが終わったらあの人と牛に
カブトエビの話を聞い ....
大学を中退した
だって
だるいんだもん
ダイエットにも失敗
大好きな
ダーリンが
ダメな私から
だんだん遠ざかっていく
ださい
大音量で
ダナグローバー聴いて
だらだらとベッドの ....
学習塾に行く道で
おばあちゃんが一人で野菜を売っていた
何も言わずに通り過ぎようとしたら
どこへ行くんだね
と話しかけてきた
塾と答えると
そうかい偉いねぇ
今の子達は大変だねぇ
せっ ....
すきとおったなつを
かんむりにして
あなたのひたいに ひやりと 付けると
ちゃんとかぶせて と
あなたは脹れた


ゆうだちがきて
あなたは
地面にあたる むすうの
流れ星のよ ....
頬つたう流れに小指吸われつつ鏡のなかの老いを見つめる



死にかけた小鳥を隠す藪はいま蕾の波に覆われており



窓たたく冬の名残りをふるわせて排水口をふさぐ髪の毛

 ....
お昼休み。
いつものように、手作りのお弁当をふたつ持って、中村先輩がいる3年4組の教室に入る。
だけど、中村先輩はいなかった。中村先輩だけじゃなくて、他の人も誰もいなかった。

学校の前にメロ ....
低い空の音のなかで
部屋は明るくふるえている
明るさはやがて点になり
糸にほどけて消えてゆく
音はずっと鳴りつづけている
空はさらに低くなる


底の歪んだ容れものが
 ....
{引用=くりかえされる、すべてのいのちと
いとおしきわたしの二人称たちに}


わたしがあなたを産んだそのとき
それとまったく同時に
あなたがわたしを産んだのです
この、配線だらけの街の ....
最寄り駅にあるキヨスクでは
店員のおばちゃんが詩集を売っている
おばちゃんの書いた詩や
駅員の書いた詩や
ホームの柱に落書きされていた誰かの詩が
そこには載っている
地域住民の出した詩 ....
ある日
贈り物をしようと出掛けた
セーターを買いに行き
サイズを聞かれた
わたしは答えられない

靴屋に行き
やはりサイズを聞かれ
答えられない

ネクタイを買いに行って
好みの ....
{引用=手紙のかわりに
咲かせたバラが
空にとけてゆく
そんな奇跡みたいな
きょうという日に
影のような
おまえ
人のあきらめのような
おまえは
いつも
泉からみずをくんできて
 ....
夜が更けるころ動物園の園長は
動物たちに泳ぎ方を教えます
本当は水族館の園長になるのが
動物園の園長の夢でした
一番泳ぎが得意なのはゴリラで
それ以外は身体の大きさに関係なく
だいたい普通 ....
丘の上にかつては 養蜂場があったけれど 長い時間に淘汰されて 一対の傾斜だけが残った 永久機関を試したくて 時おり勾配を上っていく かわいた木馬の姿はいつも 同じところで見えなくなるので そこから先が .... 閉じかけて
影はすぎ
片目だけの
花が咲くほどの
遅いまばたき


まぶたの裏に葉音があり
色のかたちをくちずさんでいる
散る花 咲く花の響きがあり
手のひらを隠し
 ....
悠々と二羽の鳥が、碧い空を裂いてゆく、
       鮮やかな傷口を、
銃弾のような眼差しで、わたしは、追想する。
  その切立つ空を、あなたの白い胸に、捧げたい。
  
     ・・・・ ....
西日が射している
ヒバリが飛んでいる
あ、誰か来た

青い屋根と黄色い屋根の上に
星が落ちました
僕の家の屋根は白いです

腕時計を買ってもらった
子供がはしゃいで
腕をぶんぶ ....
?.

なんだかみんな似てるね
みんな美人ぞろいだね
あのこ ああ、あのこなんか
絵にしても いいね

なんだかみんな似てるね
でもおまえだけ少し違うね ....
帰宅ラッシュだった
階段で圧力に耐えかね
ひょろ長い女の背を
あわあわと胸で押してしまった

(押すなよおっさん!

おっさんではない
武士である



{ルビ法度=はっと}に ....
草の汁の香
冬の忌に満ち
かさぶたとかさぶた
双つの雨粒
ゆるりと肌に消えてゆく


脚の十字 手の十字
持ち上がる夜と闇の音
落ちる音 穿つ音
かたちを残し
流れ去る音 ....
「三百円のお返しでございます、ありがとうございました」

しまった。

おつりを財布の中にしまう前に、財布をバッグの中にしまってしまった。

「要領が悪いわねえ」なんて、店員さんに思われた ....
長袖の一縷の解れに砂集まる

葉が止まる空中の奥に世界地図

つちくれ赤らむ妄執待ちきれず耕す

漂白された信者らの手に小さなギヤ

記憶に触れてトキの死・海の名を統べる

曇り空 ....
「スカンジナビアってどこ?」 
と言いながら
あなたは新聞をめくる
外は 
風が吹いていて

きのうの雷はちりとなり
ふりそそいでいる


わたしは
「知らない」と
面倒そ ....
吹雪舞ふ街並暗くなりゆきて
車の尾灯赤く際立つ


娘の買いしロシヤ民謡の低き声に
ほれぼれと聞く灯を消す部屋に


隣家に毎日来る左官屋の
両肩に今日 サロンパスあり


ま ....
とおくみつめる

あの秒針の刻む音が
きこえるほどの しずけさで
あやしくぼんやりとした曇天に
にじむ光の粒子を
私も刻む
時のまなざしは熱かった
 始まりは、秋の縁側で
ぶらさがっ ....
ピクルスさんのおすすめリスト(1095)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ダイアリー・ダイアリー_3・28- 平山ネム ...自由詩207-4-15
春に過ごす- たもつ自由詩19*07-4-14
新世界- 砧 和日自由詩9*07-4-14
ダイアリー・ダイアリー_10・19- 平山ネム ...自由詩507-4-14
すいみん- たもつ自由詩1007-4-13
ダイアリー・ダイアリー_4・11- 平山ネム ...自由詩407-4-13
小さな甲殻類- たもつ自由詩807-4-12
だだだ堕落- 壺内モモ ...自由詩11*07-4-12
買い物を知らない子どもたち- ぽえむ君自由詩12*07-4-11
記憶- はな 未詩・独白13*07-4-11
冬と終わり- 木立 悟短歌11*07-4-11
メロンパンの呪い- 壺内モモ ...未詩・独白3*07-4-11
空と器- 木立 悟自由詩707-4-10
流転する、すべての- 望月 ゆ ...自由詩39*07-4-10
キヨスクと詩集- 楢山孝介自由詩24*07-4-10
春にうまれたあなたのこと- 藤丘 香 ...自由詩41*07-4-10
きのうのあした- 青色銀河 ...未詩・独白907-4-9
童話(朝焼け)- たもつ自由詩1107-4-8
喜望峰- 砧 和日自由詩8*07-4-7
水と眠り- 木立 悟自由詩507-4-6
春のひかり- 前田ふむ ...自由詩28*07-4-6
外国語で書かれた俳句を翻訳したような調子で- 楢山孝介自由詩15*07-4-6
おまえからすべて奪って- 水在らあ ...自由詩2307-4-5
武士のきもち- 佐野権太自由詩34*07-4-5
ふるえ_はざま- 木立 悟自由詩407-4-5
しまいわすれたおつり- 壺内モモ ...未詩・独白9*07-4-5
異角- 黒川排除 ...川柳407-4-5
午後の花- はな 自由詩15*07-4-4
6P_「短歌2」より_〜塩田より京都へうつる時_昭和三十四年 ...- むさこ短歌16*07-4-4
時雨れる少女- こしごえ自由詩28*07-4-4

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