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ひと筋の唾液色なし雛祭り
包丁のカカカカカッと雛料理
春眠のどこかが海で潮香る
尾の長き生き物らしい。寒さとは
爪並べ指を揃へて朧かな
春の月唐突に死の淵に浮く
欅葉の欅葉を追うつむじかな ピアノという家具の冷たさの{ルビ傍=そば}で {ルビ蟷螂=かまきり}の貼りつく道の女かな 炎昼を赤子の声で鳴く蝉や

誘蛾灯十枚の爪かかりけり

泳ぎきし手足を埋めて砂の城

真夜中の汗つま先へ到達す

扇風機ふいに大きく頷けり

蟹踏みし踵より蟹生まれ{ルビ出=い}づ ....
{ルビ冷奴=ひややっこ}夜が大きい{ルビ他所=よそ}の街 雨やみて雲雀の飛んだ水たまり

何を見て驚いたのか鯉のぼり

紫陽花がたくさんのいろ人みたい

桃をむく香りと北へ寝台車

空目指し向日葵たちが背比べ

アリが来てわたしの足を ....
空わたり沈むまなざしみずたまり



二季またぎそよぐ野の墓みずたまり



何も得ず何も見ず居るみずたまり



輪を{ルビ描=か}かずめぐる生の輪みずたまり
 ....
愛されてアイスクリームは溶けるまで

生きるため乗りこむ船よ浮草よ

ふろしきに包まれしものの声を聞く

地図になき地を吹く風との対話あり

野に蒔いた手品の種の発芽待つ

アラー ....
桜散りすでに秋の風たちぬ

にせもののあなたと過ごした月見草

朝顔のつるに巻かれし夏の園

脱皮した蝉のぬけがら捨てられず

キセルしてまでも行きたい終着駅

靴底に見つけた春の ....
墓の無い終わりを告げる水の羽




{ルビ弥生=やよい}より流れ落ちたる{ルビ卯月=うづき}かな




とどまらずただこぼれゆく冬の雲




傷を抱 ....
大根や何をする気もおこらない 目のなかにちいさな音の遊ぶ夜



通りすぎまた通りすぎ唱は降る



手をかすめ消える笑みたち金のいろ



生と死を斜めに飾る毒の花



天と地の ....
逆さ花 茎をあたしにどうしろというの



願ってもない 連れ込み宿の壁れんれん



アスファルト届き届かず朱い爪



   (ペンギンの声引きつる ....
ピクルスさんの俳句おすすめリスト(15)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雛の日- 右肩良久俳句208-3-3
寒さとは何か- 右肩良久俳句408-3-2
つむじ- A-29俳句1*07-11-19
経験_二- A-29俳句4*07-10-2
- A-29俳句3*07-9-15
怪談俳句- 渦巻二三 ...俳句19+*07-9-10
- A-29俳句2*07-8-5
雑季- たもつ俳句13*07-7-16
みずたまり- 木立 悟俳句1107-5-20
浮草- 小川 葉俳句7*07-5-8
押し花- 小川 葉俳句10*07-5-7
浪洞- 木立 悟俳句807-3-19
大根- A-29俳句5*06-11-13
宝石夜- 木立 悟俳句706-9-15
曇り恋情- フユナ俳句2*04-7-27

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