1.
かみさまはいるよ、
って
教えてくれた人は
もうすぐ死んでゆく人だったけど
それは黙っておいた
だって、あいしてるんだ
2.
きのう、かみさまを見か ....
冷蔵庫の扉の
大きく開くところがとてもかわいい
あと冷たいところとか
テレビはなんか遠くの映像がおうちで見れるところがかわいい
いろんな色がキラキラ光ってさ、
そして走査線が連続して ....
先生
唇が、
ふるえてしまいます。
電線に
飛行機雲が斜線して
雨上りが地上をうっすらとはいでいきます
あの日
陽炎で生まれました
わたし
浮遊する
夢みるからだで透けていき
....
久しぶりに三人で手を繋ぐ
いつもより寒い冬
汗をかいた小さな掌は
どことなく妻に似ていた
歳を聞けば指で
三本や五本を出していたのに
今では両手の指すべてを使わなければならない ....
板突然鏡になり通夜飲み込む
星座を煮る鍋の古さが目にしみる
丘陵で鉄分とりあうあの頃のぼくと
カーブ艶やかなるを組体操がごみの山
疾き馬の毛並み越えかねる朝日
氷解けるご ....
おまえがほんとうのことを口走る度に
鳥の翼から羽毛がぬけ落ちる
世界はやせ細り 目に見えるものすべてが
絵に描かれたものとして溶けてゆく
たとえば可哀相な妹が
人に知られぬ速度で後退する時
....
中指から先に
地に付け 飛び立ち
光を
奪うように吸う
ひとつの緑
とどろく緑
水滴の世界に
隣り合う水滴
手に余るものはこぼれ
いつのまにか芽吹き ....
付加価値。
経済学においては「商品の生産・流通の各段階において新しく生み出される価値」となるようです。この付加価値という概念はじつはとても広義で、一概にこういうものだとは言えません。グリコのおま ....
続き。詩の「商品力」向上のポイントとして、
1.質を向上させる
2.特性を理解して訴求する
3.付加価値を付ける
この3つを挙げました。で、今回は1の質の向上について書こうと思ってたん ....
詩について個人的に考えていることを話していくので、時々独断と偏見に満ちたものになるかもしれませんが、そこはそれ、テキトーによろしくということで。というわけでまず、詩の「商品力」について。
「 ....
軋む
一歩ごと
軋む
心ごと
逃げ込んだ森は
甘美な瀞が満ち
わたしは愛しい景色を
凍る爪先で犯してゆく
痛む
一言ごと
傷む
一夜ごと
明日を司る月が
昨日 ....
ふたつ先の しずかな私鉄の駅でおりて
ふたりは歩いた チャボとスミレ
おだやかな秋の風がふいていた
さほど高くない丘を見上げるように
さほど広くない その公園はあって
まばらな紅葉が ....
満水の夜に
感覚をとぎすませながら
無数の魚が泳いでいる
距離と、位置と、
上昇する体温と、
そういうものを
止めてしまわないように
蛇口に口をつけて
あふれ出すカルキを吸うと ....
もっともっと弄って下さい。
わたしは、
あなたのための最後の小鳥。
(そして嘘をつく舌)
せっかく色がついたのに
わたしにお声がかからないので、
欲望ばかりが成長しました。
(隙が無いといけない模様、本にそう書いてありました)
なので大きく育ったこのセイヨクを
ぷちん と ....
ほつれ湧き出る緑の影
ふいに生まれ溺れるもの
双つの空と迷いの木々
巡りかがやく枝と枝
無数の緑のなかの一葉
空に立つ空
こがねの樹
波打ちながら遠去かる陽
金は緑 ....
擦り切れたブランケットを放せない子供みたいね 君依存症
ねぇわたし、あの娘がしているマフラーが欲しいの。はやく盗ってちょうだい
陽だまりのように私をなだめてよ パールなんか ....
階段通りの野良子犬は
最上段の空を追い続ける
影雑踏の中
隙間雨の中
値札付の足は
ゴミ色に染まり
パンヤ ハナヤ クツヤ
フクヤ ホンヤ イヌヤ
看板色に汚された雨水は
母の色まで ....
チューリップの茎切り落とすきみひとり満たしきれない刑罰として
明日から黄色い花のカップにはお日様だけをそそぐと決めた
春の日と呼んでみたけど私の影はきみの影よりずっと寂しい
長す ....
団地の13階から2階が狂おしく
ひん曲がる
誕生日に欲しい
駐車場のコンクリートの一部
さなぎのカレンダーに
ストレートティーをぶつける
....
死ぬときはひとりでいたい
本当にひとりで
見守るものもなく
見捨てるものもなく
星が
星の瞬きが
気づかれないうちに黒く
黒く輝くように
かなしいとか
なみだとか
そんなも ....
今よりも夜が濃くて
あれは雨のにおい
ところどころ綻んだ焼き煉瓦の
ちいさな坑道に二人でうずくまっていた
ゆがんだ廃線のレールに
しじまを乗せた汽車を見送っていた
....
話に尾ひれがついて
泳ぎだす速度で
泳ぎだす
身体にあたると少し痛く
自分の血はまだ赤い
眠たい目を擦りながら
恋人のだらしない口元にキスして
唇から溢れたものは
唇に戻る ....
はじまりのない海は、飽くことなく月光を滅ぼし続けた。海の窓はいつでも閉ざされていて、裂き傷のようなものが表面をいろどるだけだ。海の上では乾いた街の幻影が旋転していて、槍のような水柱を呼ぶ。街は律動する ....
わたしたち砂にまみれた膝をいとおしむ
わたしたち砂にまみれた膝をいとおしむ
わたしたち砂にまみれた膝をいとおしむ
これは骨のかけら
それとも砂糖つぶ
はちみつのようにとろりと濃い夜が明け ....
折りたたみ自転車が
折りたたまれていたのは
空いたばかりのトランクのなかで
トランクをバタムとしめると
あなたは取り乱しもせず
じぶんじしんを折りたたみ
わたしのバッグのなかにもぐりこ ....
雲の
静かな暴走
高い青へ青へ
ゆけない、わたしの上に
上空があって
午後、
稲穂というよりも、風だった
肌が痛いほどの
午後だった、秋だった
その風 ....
都市計画 黒いビニールテープが人です
輪廻転生 蛆の姫になる籤を引く
怯えて待つ夜の八百 一部ダミー
秘境に行ったひとりの男を
行間に消す
折れたハンガー地に刺し生きた霊魂注 ....
わたしたち
しんだひとのこと
わすれちゃった
おぼえていても
きえてしまうの
だからもうゆめもみないし
うまれてきたものだって
ふくざつなの
あやしいおしえはないけど
かわい ....
わたしは5万円です
と、うそをついた
ふさがったままのきずだから
ごまんえんごまんえんごまんえん
20歳処女
会うと言った30の男
なんか頭いいやさしさで近づくもんだから ....
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