真っ青な空が広がる秋晴れの日
息絶えた老婆は白い{ルビ棺桶=かんおけ}に{ルビ蓋=ふた}をされ
喪服の男達の手で黒い車の中へ運ばれた

人生の終止符を告げるクラクションが低く鳴り響き
親族と ....
山月記の中島敦は32歳のときに南洋の信託統治領へ教科書編修の旅に出た

トラック島とパラオ島間は
4発の水上飛行機
朝潮に乗り
2000m上空から
輝く海の
小さい島を眺め
 ....
インターホンが壊れてしまって
不在票ばかり、溜まってゆく
ドアをノックする手を
誰も持たない


再配達を
今日は頼んだから、
夕暮れにつづく時刻に
言い訳を抱えて
ドアの内側に寄 ....
おはよう

息が吸える
布団の中は温かい

私は生きている

深呼吸をする
窓を開けて 今日の太陽

私は
まだ生きています

父の写真に
新しい水


お父 ....
言わずと知れた日本が誇る言葉の芸術家、あめんぼ赤いな北原白秋です。
からまつにからまつのかぜ。北原白秋です。

短歌の音とリズムの組み合わせが最高です。
というわけで、白秋の短歌を勝手にベタ褒 ....
只今
大変混雑している為
空にお越しの方は
しばらくお待ちください
手のひらに感じる暖かさがあれば
他には何も要らない


日々思い出を積み上げても
それは単なる一里塚
それは儚い夢幻
振り返れば跡形もなく
積んだ記憶さえ残ってはいない


手の ....
木漏れ日がもしも零れて落ちたなら
        享けとめるためまつ毛をカール


ハリウッドの女優気分で歩こうか秋色緋色の絨毯の上


空高く群れる羊を追いかけて風の尻尾を捕ま ....
怒りを
この体に
押しとどめるなにか
それはこぶしでしょうか


掌のかたちにそれを
開き、放ってもまだ足りない
その病が
揺さぶるのです
だから震えてしまうのです


 ....
おやすみの挨拶に
朝目覚めた時に
会社へ出かける前に
君は僕に言って欲しいらしい


機嫌の悪いときもあるし
朝は何かと忙しいから
毎回言うのはめんどいなあ


本気じゃなくても ....
エメラルドグリーンの
カーテン越しに
月におやすみ
泣いていた瞳は
滲んだ月ヘ飛ぶ

アイボリーの日記を閉じて
埋葬される文字たち
お別れの祈り
余白から文字を
包み込む

宝 ....
蒼白の薄明
永遠に処女の領域

素数のみで刻まれた暗号
純粋遊離線

冷たい蜃気楼
置き去られた天象儀

倦んだ庭園
途絶えがちなピアノの音

未分化な恐怖を秘めた深淵 ....
家を飛び出たとき
こっそり タッパーに入れて
持ってきたの

毎日手塩にかけて掻き混ぜて
泪も汗もいい塩梅に混ざり合い
父と喧嘩をしても必ず
母は
台所でぶつぶつ罵りながら
一心不乱 ....
    
古びた待合室に西日が射して
喉が乾いてやりきれない
安物の扇風機、ぶんぶんと回転し
僅かな逃げ場を隙間なく切断して
夏を愉しんでいる

診察を待つわたしたちの空気は
ついに白 ....
存在の黒い影に向かって石投げた
人の姿になって起きあがり
黙ってこちらを見た

怖くなって逃げ出した

存在の黒い影
街の方に歩いて行った 







---- ....
            
なにもないところから
水を汲み出す作業は
大変きついことです

今日も草臥れたあたまと
身体で
井戸の縁から
底を覗き込んで
あまりの深さに
ため息をつい ....
この星この時に生まれた
このからだが私
煙と骨になる日まで
私を運んでね

今日も歩けました
蝶を見ました
自転車に乗れました
ヒヤッとしました
お食事できました
しあわせです ....
空が灰色クレヨンの日
風邪をひいた詩人はゆめゆめ思った


詩人たるもの
移ろう季節を誰より早く
探して言葉にしなくちゃいけない


詩人たるもの
少しはむつかしい漢字くらい
す ....
恵みは 希望を膨らませ
たわわに 蓄えられて行く

根ざす 大地は暖かく
不自由さに 逆らうことも無く静かだ

希望は満ちながら 腕から零れ落ちて
一面に 撒き散らされる

帰ること ....
2個で150円、
の うたい文句につられて買ったそれは
避暑地の出来事のように
ふわふわと軽く
わたしを照らし
黄色く、寄りそうのでした


夏の酸味と
ひとくち目の
甘い、甘い、 ....
目をさますと
雪のように朝が降っていて

やさしい手順で
呼吸をおくる
あなたは

まだ
夢の体温で



きのう

よそゆきの服がでてくる詩を
読みました

愛とよ ....
幼い頃のひとり遊びの記憶は
影となって私に纏わり
誰かを愛そうとするたびに
耳元で呪文を投げかける

楓の色づく様を
薄の頭をゆらす様を
人と分かち合うやすらぎを ....
「トウモロコシ」と言えない子供が
とうもろこしを殺してしまった
大人は嬉しそうに笑っている
子供には子供の悩みがあるのだ

 今日ついに10本も殺してしまった。。。



「キウィ」 ....
(行ってらっしゃい)
宇宙の森で生まれた あなたと

あなたは今頃どの辺
七丁目の角かしら
目的は果せた?
わたしは洗濯をすますところ

留守のはざまで
不透明な静けさを淹れて飲むと ....
夜闇と思ったのは黒雲
赤帯の朝焼けが眼前にふたすじ
この街の空を美しいと思った
はじめてのこと


のろのろ歩き 方向音痴の女の子
同じ場所 ぐるぐる ぐるぐる 行ったり来たり
手をひ ....
いつのまにか
あなたがいなくなることが
いつのまにか
怖くなっていて
それは
幾日もの
あなたと私の
笑顔の証

とても不思議なことに
朝はいつも訪れる
目が覚めると
朝は ....
どこまで行っても緑がいる
目に入る世界すべてに
緑、あなたがいる

深呼吸して目を開けば
私に流れ込む緑
名前は知らないけど
緑たちありがとう
次の日も次の日も
いなくならないでね
 ....
低いオクターブで
朝を告げながら
高いところを
水が流れている
知らないあいだに またひとつ
季節をまたいでしまった


雲と空に距離が生じてゆく
そのすきまを
縫いながら、通過す ....
繰り返される
果実の落下・落下・落下、の
地面で重複してゆく破裂の匂い


それだけを呼吸し、それだけを呼吸したら
わざと気化したくなるほどの、それはひとつの悦びか
 ....
  季節はすっかり秋めいて
  あちらこちらに金木犀の香りが広がっています
  けれどもわたくし、
  銀木犀に、未だ出会ったことがございません
  銀木犀、銀木犀
  あなたはどこ ....
tonpekepさんのおすすめリスト(1264)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
枯葉の散る頃- 服部 剛自由詩11+*05-10-18
ねこみみをつけたがるおんな- あおば未詩・独白5*05-10-17
過去の届く午後- 望月 ゆ ...自由詩40*05-10-17
おはよう- 自由詩10*05-10-16
北原白秋の短歌- ふるる散文(批評 ...10*05-10-16
ピンポンパンポーン- LEO携帯写真+ ...11*05-10-14
路傍のひと花- 恋月 ぴ ...自由詩17*05-10-14
プロムナード- 落合朱美短歌14*05-10-14
ありか- たりぽん ...自由詩1305-10-13
ラストオーダー- 恋月 ぴ ...自由詩15*05-10-12
旅の支度- 未詩・独白10*05-10-11
elements- 塔野夏子自由詩14*05-10-11
*れきし*- かおる自由詩6*05-10-11
主体- あおば自由詩2*05-10-10
存在- あおば自由詩3*05-10-10
井戸- あおば自由詩3*05-10-10
星の時計- 未詩・独白17*05-10-9
詩人は傘を忘れる- 銀猫自由詩16*05-10-9
椎の木- しらいし ...自由詩13*05-10-8
グレープフルーツ- 望月 ゆ ...自由詩12*05-10-8
式日- 簑田伶子自由詩13*05-10-8
風葬- 落合朱美自由詩42*05-10-8
子供の時間- 千月 話 ...自由詩9*05-10-7
お留守番- こしごえ自由詩12*05-10-7
ろいやるすぺしゃるみるくてぃー- コトリ自由詩7*05-10-7
しあわせ- いとう未詩・独白16*05-10-7
緑流れる- 未詩・独白4*05-10-7
流れてく、頭上の、- 望月 ゆ ...自由詩22+05-10-6
悦楽連鎖- A道化自由詩8*05-10-6
花の名に_(RT会議室より)- 嘉野千尋自由詩7*05-10-6

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43