オイルショック!
うら若き社宅住まいの母たちは
共同浴場のボイラー焚きを二日に一度にすべきか談義していた。
モノクロの
猟銃の暴発で湧き上がる油田の、アメリカンドリーム・・・
....
心地よい風が
あなたの頬を
やさしく撫でる
まぶしくなった光が
あなたのまわりに
陽だまりをつくる
一番やさしい季節の
あたたかさが
あなたにいっぱい届きますように
一番 ....
夕焼けの空を見て
「こんな色がすきなのよ」と呟きながら
筆を走らせて君は僕を描いている
寒さも感じなくなってきて
最近は雨もなくて
今日は絶好の日和だね
何かを描いてる ....
断崖のふちに
ぽつんと一つ置かれた白いベッドで
僕は目ざめた
僕の上には
途轍もなく青く明るい空だけが
広がっていた
僕はベッドの上に坐ったまま
何も考えられずにいた
すると
空 ....
お別れの日
どんな顔をしていればいいですか
最後に
どんな言葉を話せばいいですか
あなたがいなくなった後
思い出の場所を通りかかって
涙があふれそうになったら
どうやって止めればいい ....
ゴシック体で
明朝の予定を
書かれても
それで
洒落がわからないとか言われても
はみ出した一日の
ここいらが潮時
面識どころか 要は
そろそろ
冷蔵庫のライトも消して ....
計算機を裏返し
ドライバーでひとつひとつ
ネジをはずす
基盤が剥き出しになる
入りくんだところで
ラーメン屋は既に営業している
のれんをくぐる
いらっしゃい、とだけ言って
寡黙 ....
わらいながらないた
冬のくるしいことは
もうじきにおわるんだとしんじて
きょうきはかかとすれすれのところに
しまいました
あたたかい
かぜはしおからく
さいたまは あざやかで ....
またね
春風から一番遠いところで
皆でそうつぶやいたら
誰かの下唇に
名前の知らない花が咲いた
なあ、せっかくだからさ
もうしばらく
楽しいおしゃべりをしよう
とおくへ
たびだつ
そのまえに
わたしを
ちからいっぱい
だきしめて
ちからいっぱい
ちからいっぱい
ちからいっぱい
わたしのからだが
くだけちり
とうめいになって
....
出会うのが遅くてごめんね
なんて
あやまるのはやめてください
たとえそれが
ほんの束の間でも
気の遠くなるような数の
偶然を重ねて
ここに
ふたり
寄り添えた奇蹟を
今はただ
....
たらちねの殻梯子からおりてくる
あの白いもののなまえを
ぼんやりと霞む視界だけれど
ああここにはことばがある
たくさんの羽虫が
いのちを喰いつぶして
ああでもつらくはない
....
妻と二人で梅干を漬ける
台風が近づいている
空はまだ晴れているけれど
窓から入る風は生暖かく蒸し暑い
梅の実の良い匂いがする
水洗いした梅の実をタオルで一つ一つ拭き
ヘタを楊枝でほ ....
頭の中で囁く声は
拳銃不法所持で学生二人が捕まった
「死ねよ。」「死んじまえ。」
囁く声が聞こえるが
今は死にたくない
拳銃が目の前にあったら
余興程度のノリで引き ....
前回は、日本と韓国 と題したクセに、
韓国の話ばっかりになってしまった。
今の時点で二年半、今年の九月で3年目を迎える海外生活。
しかもずっとボストンの田舎。来年はここを出るぞ、NYだNY。 ....
鐘が鳴る
各関節が反応する
生きるのだ
木の芽
下草は
萌える準備を始めている
坂は長い
峠だ
いつも峠の天辺にいる
....
数年前、引越しの際に荷物を整理していたら、和室の天袋の中から、昔父が書いた詩の原稿が出てきた。以前から、僕の父親は若い頃に詩を書いていたらしいと、聞いてはいた。だが、僕の知る父の姿からは詩を書くこと ....
キミたちに未来は任せた
なんて言えるわけない
世の中が日々変わってゆくから
未来を担う子供たちは
最早 ゆとり教育の実験台だ
なんでおとなはこーひーをのむの?
おいしいからさ
じゃあのみたい
ダメ、これはとても苦いよ
なんでおとなはおさけのむの?
おいしいからさ
じゃあのみたい
ダメ、これはとても苦いよ
....
馬鹿ターボ
全開で帰宅する俺
髭をたくわえ少しワイルドな俺に
おかえり、を言う娘は少しワイルドな俺に少し慣れ
一番星が出始めた空の下で縄跳びの練習中
綺麗でしょ、綺麗でしょ
いや、 ....
ミルクが欲しい1歳は
男が欲しい21歳に
あっけなく捨て去られる
新しいゲームソフトが欲しい12歳が
プラダが欲しい32歳の
財布から金を抜き取る
夢が欲しい33歳は
安定が欲し ....
それは 破綻だった 小さな部屋で
はじまっていた 壁が不必要に白すぎて
かといって 何を置けば あるいは ただひとつの
窓に 何色のカーテンをかければ その白が
中和されるのか わからなかった ....
君にプリズムをかざして
分光する
白い壁に映るスペクトラムは
すべての色がほのかになやましく青らんで
僕をいつまでも
見つめさせている
窓をつくった
何に向かって開かれればいいのかわからないまま
そしてオブジェのように空間に散らばる
さまざまなかたちや色のCHAIRS
ふと気づくと別なのに腰かけてたりする
時計はもう ....
あなたの肩にあるものを
わたしも一緒に背負いたかった
あなたが歩くその道の
景色をともに眺めたかった
でもどうぞご安心を
わたしは理解しています
あなたの力になれるのが
決し ....
来る日も
また来る日も
毎日 毎日
朝も昼も
そして長い長い夜も
あなたのことばかり
想いつづける
何気なく交わした会話や
時折みせる少年のような微笑や
偶然に触れた
....
あなたの子供は駈けていきました
あなたの急を知らせに
道の向こうの
そのまた向こうまで
私が知らない間に
他の多くの大人たちが
それぞれの世界の片隅で
何も変えられないでいる間に
あな ....
道は渋滞で
バスの中は混み合っていて
みんな一日の疲労でうつらうつらしていて
外はもう真っ暗で
バスはなかなか進まなかった
ドアの側に坐って
ぼんやりと前を見ていた
ふと目に留まった ....
あなたは
何も言わないけれど
手のひらから
聞こえてきた
あたたかい指の
ぬくもりが
わたしのからだ
いっぱいに
ひろがって
かなしみが
消えた
ダンボール
捨てたいものをつめた
ダンボール
は、ちいさかった
そしてなにもなかった
わたしはなかった
あ、あ、あ、
みじかい音をいくつも出して
壁に羅列のスタンプをして
そ ....
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