わたしがむやみに数えるものだから
蛍はすべていってしまった
わたしが思い出せるものは
ひとつ
ふたつ
と
美しい光
いつつ
むっつ
と
美しい光
けれどもそこ ....
仕事中の脳味噌はとてもヒマだ。
だからビスを締めながらあたしは考える。
一日に24時間あるわけで、A勤かB勤の場合は8時間拘束、
AB勤は16時間拘束、C勤かD勤のときは12時間拘束。
通 ....
閃光と爆音が果てしなくつづく
長い長い夜だった
終戦前夜の静かな港町に
これが最後とばかりに
ありったけの爆弾が落とされて
夜空はまるで夕焼けのように
真っ赤に染まったという
....
みどりに腐った冷酷非情の都市よ
海底に眠り死を死んでいるルルイエよ
今こそ浮上せよ
われら人類の歴史は今日
終わりの序曲を奏ではじめる
狂えるアラブ人アブドゥル・アルハザードが
ネクロ ....
通り過ぎてゆく急行列車だけが
一瞬
地下室に心地よい涼風をつれてくる
急行通過。
不快指数はこの夏最高
顔面からだれかに霧吹きを吹きつけられているような
蒸 ....
すれ違った自転車の子供を
振り返る
白線が
鮮明に割き続ける
通学路だったアスファルトから
子供たちの声が古いものから順に遠のいてゆく
肌で増殖する蝉の羽の ....
四六時中の想いは
必要以上に
君と僕とが不可欠だから
必ず壊れてしまうよ
はぐらかそうって魂胆じゃなくてさ
短命に舌鼓は
哀しいなって思うんだ
ほのか ....
ふと気付けば夜の闇
棒のような足を動かし
やっと山から出た
そこには町があった
町は不気味なほど静まりかえっている
町を歩き回ってる時にこんな声が聞こえてくる
「ようこ ....
左からきた電車の窓に
私たちの姿が
映る
映る
あなたと
私との距離は
そうか
こんなふうなのか
それは
なんだかとても自然な
風景のようで
まるで
あなた ....
蝉の声で満たされた
盛夏の朝。
よくもまあ、周りの木々のすべてに蝉が居て
鳴き声の雲海で満たされたような日
七日の命と言うが
その短さを
叫び続け鳴き続けるのであろう
死 ....
瞳の中でしか広がれない青空は
手を差し伸べてもらえないその悲しさを
今日も涙にしてしまった
その駅のトイレには
便所童が住んでいる
とても疲れて寂しい夜
わたしは酔っ払って
その駅のトイレに寄る
3つある個室の真ん中に入ると
そのうち
両脇から
声が聞こえてくる
....
日記は忘れています
かつて
誰かの小鳥であったことを
目を瞑ると
まぶたの中で風景が裏返る
人は皆
空の切れ端でした
かなしい夏 ?
夏の首すじが
眩しい
何もすることのない午後
空気さえ発光している
しなやかな夏のゆびさきが
飽きもせずあやとりしてる
夏はあの木立のてっぺんあた ....
夏の図書館には、みんなが置いていくものが、ひたひたと満ちている
カップルも
受験生も
おじいちゃんも
みんな
置いていってしまう
夏の図書館に
外にはきらきらのひまわりが咲いて
....
干乾びたのだろうか 私は静かに干乾びていくのだろうか
風の強い静かな午後 ほら、耳の裏側で
ガラスの器 丸く並ぶ石粒 揺れる水
指を離す ゆびをはなす 知っているのに・・・
鳴る音は飛沫 ....
猫の手も借りたいくらい
忙しかったりしてる時も
日溜りで遊んでいる
となりの猫を掴まえて
手をとってバンザイさせてみたり
ぷにぷにの肉球を瞼に押し当てて
和んでみたり
そんな時間はあ ....
宝の地図を頼りに
ひた歩く森の緑の匂い
素足に刺さる茨の棘も癒されて
掌にこもれ陽を受けながら
小さな影を追いかける
悲しみなら深く
悦びなら永久に
真昼の森は爽やかな喧騒
小 ....
左足が捨てられた砂浜
ずっと目を合わせられなかった砂浜
砂浜を演じていた砂浜
腐らない写真を捨てた日
うしろめたさが熱い砂浜
足音が引きずられる地瀝青
焦げた靴にうんざりした人の
叫 ....
私は夏雲のあるこの空に
人差し指を差し込んで
この青空の
その底にある
人肌の群青に触れようとする
そのぬくもりは昔日の
小さなおまえのぬくもりに似て
あわあわと崩れそうにゆれる
いつ ....
今日も響き渡る騒音
『また始まった』
そぅ深くためいき
目線がわたしに集まる
『もうやめてよね』
でも怒ってにやけてしまぅ
だってね
あの人の騒音は
幸 ....
ねまきのまま街をあるいて
みずしらずのひとにじっとみられた
さみしくてふるえだしたからだは
じぶんで抱きしめた
よそゆきじゃなきゃだめなのに
うまく笑えなくて
お化粧もしなきゃだめ ....
降り立った駅のホームには
潮の匂いの風が吹いていた
タクシー乗り場では
タオルを首に巻いた運転手が
ワイシャツには不釣り合いなほど
日焼けした顔で機嫌よくドアを開けた
エア ....
夏の暑さがまっすぐに降り注いでくる。この
暑苦しさの中ですべてを腐敗させて、振り返
ることのない心を育ててゆく。流れる汗の臭
いとともに、空気が汚れてゆく。この世の混
沌を測るものがないのなら ....
ロープで
グルグル
縛られて
草原に捨てられた
見渡す
地平線
沈む太陽
赤く
照らす
唇から
血
もうすぐ
夜
ちょっと
歌ってみようかな
久しぶりに ....
私の
家の裏には
杉林があって
その向こうには
すこしばかりの空があって
夏になれば
蝉時雨が満面に鳴り響いているのです
しばらくそれを
みつめていると蝉の声が深く
静かに命を説いて ....
我々はバカなことをしたかったのである。
否、バカなことをするべきときだと信じたのである。
夜9時から翌朝7時までチャットをするとか
明け方4時に大音量でヘビメタを聴くとか
あてもなく売れな ....
ねえ 南十字星ってどれですか
と恋をしていた
空はあんまり星だらけだったので
はたして
その星をあなたが知っていたのか
わたしは知らない
し、
知らなくてよかった
白線を
....
もう着古した服みたい
わたしのからだ
アイロンかけたり
クリーニングに出したりして
どうにか綻びを繕って
お出かけに着ていくの
どこへ行くにも
着ていくの
サプリメント
ダイエット
....
考えてみたら・・・オレオレ率と吟醸度は相反するものなのかもしれず、オレオレ率と吟醸度をともに低くするなんてすごく難しいんではないか。実作者はオレオレ率がひじょーに高くてもかまわないと思うし、逆に純読者 ....
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