花火だとか祭りだとかその類の
絵柄を下にして
団扇を伏せるという其の場凌ぎの隠滅法は
やけた畳の匂いがします
だから
私の脈拍が夏風邪に飛び降ります
溶け果てた氷枕の代 ....
深くまでつづいている
いつか見失った道の先にある、森で
夏の日
ぼくたちは、生まれた
頭上には空があった
ぼくたちと空の間を通り過ぎてく風があった
ふりそそぐものは、光
光とも見 ....
きれいな音楽だとか
物語が
ささえになること
ぜんぶひとから生まれたなんて うそみたい
ひとは まだ じょうずに好きになることができない
うけとめる心の
線の細さは
....
紅さし指で
この唇をなぞっておくれ
宵をにぎわす祭りの夜に
提灯ゆらり
光はたぶんに
正しいものだけ捕まえる
ほら
燃える可憐な蛾がひとつ
短命ながらも風情をもって ....
お前は
何気なく俺の部屋に来て
何気なくしゃべって
笑ってた
毎日が砂を噛むような
俺の生活で
お前と会えるのが
ただ1つの楽しみだった
でも
....
人を壊すのは簡単だ
壊した後
直さなくていいのなら
何体でも壊せる
心優しい誰かさんが現れた時
その手で直せるように壊すには
少し
注意が必要だけど
人を壊すのは簡単だ
壊れ ....
生きてる証
わたしが存在する証
悩んで
悲しくて
見つけられなくて
どうしよぅもなくなる
あの太陽の輝きのよぅな存在が欲しい
やさしく吹く風のよぅになれたら
小さく ....
君がぽかんと口を開けているのは
口の中で風が吹いているからだ
その正体が何であるのか
問う方法も知らないまま
ある日突然に
君は君であることに気づくだろう
そしてそれは
君が君で無いこと ....
わたしは宇宙人を見つけた
自分でそう言っていたから
たぶん宇宙人なんだと思う
宇宙人はロックバーのトイレで煙草を吸っていた
フロアが混みすぎていたからだと思う
ずいぶん痩せているから
....
心ゆくまで涼もう
誰も居ない そして
自分も居ない処で
噛んで、呑みこんでしまえば
たいしたことではなかった
と、いうことなのか。
てのひらに、吐きだしてみる
つぶぞろいの屈託。
身体の自由を奪われることと引き換えに
過去の重荷をどこかへ置き忘れて
少しづつ解き放たれていく
その手を見ればわかる
長い年月を耐えて踏んばって
あなたは生きてきたのだから
ちょっ ....
お花畑に
直立するオベリスク
であるところの君
あるいは
漫画に戯画された
仮性包茎
であるところの君
きわめてきわめて 男根的性格である君よ
君のピンクの先っぽには
いつもお天道様 ....
道路の真ん中に寝転んでみた。
真っ青ないい空が広がっていた。
こんなことで単純に、自分が特別な生き物になったような気がして、
笑ってしまった。
ふと昨日のことを思い出す。
小さな箱に押し込め ....
余白は
空
何色に
見えるかは
ボクが
決める
コトバは
雲
何の形に
見えるかは
ボクが ....
えいえんについてかんがえるたび
きまって
とほうもなくながいでんしゃ
がおもいうかぶ
くらやみをきりさいて
でんしゃはひたすらはしりつづけていて
いくつ
とびらをあけても
つぎのしゃり ....
ひどく目立たない黄色のレンガ道を行くと
夏休みの少し手前に古い送電鉄塔が見える
陽炎虫が大発生した年の真夏のある日
一人の男の子がその鉄塔の下で感電死した
鉄塔からぶら下がっている電線に触れた ....
クソったれ
と叫ぶのにも飽きた
きりが無いもん
渋谷でラオウとケンシロウ
二人が闘ったら
きっと明日はいい日になると思う
スクランブル交差点を
僕の詩で埋め尽くせたら
次の日は ....
まず、最初に言っておくけどね。
冷凍室から取り出したばかりのアイスキャンディーを
すぐに舐めてはいけないよ ホワイト
表面を白く覆う 霜という物が消えてから
静かに舌で突っついてさ 甘 ....
お母さんミサイル (ミサイルをお母さんでくるんで軽く火を通したもの)
少女 (南から吹いてくる季節風のこと)
街 (顕微鏡に形が似ている)
青空 (比較的重量 ....
夜の野を
羊たちは走る
帰るところなく
羊たちは大群となって
夜の腕の下を疾走する
月の微笑に照らされる夜
野の果ては地平線で切断されている
人はひとり凍えて横たわる
夜は ....
午後の生ぬるい図書館で 退屈と眠気のあいだを 振り子のように行き来しながら
頭の中では 隣に座った 白いブラウスの女のことを考えている
読んでいるわけでもない太宰治のページの端を 人差し指 ....
夏にすきな言葉は
清涼飲料水
です。
それは
レモンをしぼった透明のサイダーで
汗をかいたグラスは 商店街の福引の。
扇 ....
堕ちる 堕ちる 堕ちる どこまでなんて知らない
視界は真っ暗ってわけじゃなくて
パチンコ屋のネオンやらスナックの看板やら
妙に見慣れた景色や知人の顔が通り過ぎる
おおい ウォッカ・ライ ....
遠くの丘の教会の厳かな鐘の音が届く
私は
{ルビ如雨露=じょうろ}を止めて
目を閉じた
愛の門出のサインであろうか
永き眠りのサインであろうか
私がこの手に
掴め ....
「メタン・ショック」
世界の
メタンガスの1割は
牛のげっぷで出来ている
君が泣いたら
二酸化炭素は
アサガオを揺らすだろうか
ボ ....
地球の自転に逆らって
飛び続けてみたら
いつかは
取り戻したい時間に
辿りつくことができるだろうか
泣きそうになったこととか
そのおもいとか
もらったことばとか
なんだか忘れたくないいろいろなものが
あふれだしていくのがむしょうにさみしくて
消えてしまいそうな感動を
すこしでもあたし ....
日に満ちた電車はそっと風になり火照ったほほをすりよせてゆく
夏に包まれた海の底の席で車掌が居眠りしつづけている
唇のはしからはじまる熱気にもあたたかないばら胸に ....
文科省認定漢字検定準2級問題集
この一行でも明白なことではあるが
アラビア風の衣裳を着ている余所者
漢字ではないものが一人潜んでいる
それが我が国の文化的な特徴と誤解
....
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