七月 街は 熱帯雨林になった

そして 彼女は 服を脱ぎ捨てて

見事なフォームで 泳いでいった

鮮やかに 滴り落ちる 七月
また、ここに夏がやってくる
僕の広げた手のひらの内側
少しうつむきがちな背中にも
広げた葉っぱのトンネル
その先の坂道は空へ消えていく
青い青い夏、遠い遠い世界
少しずつこの街からは何かが ....
生きるも勝手
死ぬも勝手

上司と情死
不倫の果てに
手に手を取って
思い出めぐる
片道切符
湯上り浴衣
抱き合って写した写真
を形見に
海波
砕ける断崖から
身を投げる
 ....
           こっちこっち


      そっちどっち?

                   こっちだって


           そっちだって?


      ....
なーんも、やる気せんわー。



俺もー。

俺もー。

俺もー。

俺もー。
とことん削ぎ落として
一本のピアノ線みたいになる

触れただけでスーッと
皮膚が裂けるぐらいのところまで

そうやって
自分を取り戻していく
ぼくらは
もう
あともどりできない
末裔さ
六月、朝は煙の中から浮上していく
昨日積み残してきたものは
もう何処にもないかもしれないと
溜まってしまった風の中に体を傾けて
もう一度目を閉じていく
泳げない朝に見る夢は
煙った街から突 ....
バスルームの飾り棚に
置き去りにされていた
JAZZの香

蓋を開けた刹那に
よみがえる記憶

ああそれは
一年も前のことで
そういえば私は
まだ泣いてもいなかった
光源のない白い光に満ちた中を
球や三角錐や立方体の闇が
行進する

思考線をよぎる空中魚族

(この椅子に坐るといつも
 感応しようとしすぎてneuroticになるんだ)

その視軸 ....
夏休み
街から人はいなくなった
窓という窓
木陰という木陰
ベンチというベンチ
そのいたるところから
少しの匂いと
体温を残して

静寂、というには
まだわずかばかりの音 ....
そろそろわたしたち、逃げる準備をしましょう
滅びてしまうものたちに囲まれて
この瞬間にもわたしたちの無垢も侵されてゆくのです
黒と灰色の崩落があなたの背中で始まっている
羽根という羽根はすでに ....
手首の上をながれてゆく触覚を足の裏に溜める。肌からにじみでる殺意が皮脂に溶け込んでしまうのは、私の内なる単子が水を吸った海綿だからだ。水色の球面を幾度となくめぐり、針をうしなった摩擦力。角の取れた立方 .... 久しぶりに家に帰ったら
家が他人行儀な素振りを見せた。

玄関の扉は
「いらっしゃい」
と、言い掛けて
「おかえりなさい」
と言い、
ベッドは
「ごゆっくり」
と ....
都議選の宣伝車が姦しく徘徊している。「お
願い」であるのなら人に迷惑をかけてもいい
らしい。名前の連呼。連呼。夜に働く人たち
の票は必要とされていない。連呼される名は
誰に名付けられたもの ....
そんな恋は、落雷みたいなもんだ。遠くのほうでピカリ、と、気づいた頃には、サングリアのワインと果物のような関係でいたい。それで、ぼくらは届かない空も君も何もかもを見上げて仰ぎ、ピース、と言って逃げる。平 .... 梅雨時に降らなかった雨
どこに消えてしまったんだろう
照り付ける太陽から逃げ出した雨
心までからからな気がしてた

仕事なんてできなかった貴方
どこにいってしまったんだろう?
眩しすぎる ....
流れ星を見た。

うつむく彼の頭撫でながら
見ていたら
すっ
すっ、て

花火大会の余韻も
冷めやらぬ私の頭上
初めて見たよ。
2つも。

髪の毛をかきあげたら
鳴くんだよ
 ....
銀の柄を握って
車輪を回していました

沢山の貝が車輪の下から生まれてきたので
焼いて食べたり
髪に飾ったりしたのです

髪は細かく編んで
魚を獲るのにつかいました
魚のヒレはいつま ....
おんなである
ことの妙、世に
咲く花に
  イーサ・ダラワの七月の浜辺には
  遠い国の浜辺から
  いつのまにやら波が攫った
  いくつもの言葉が流れ着く
  

  嵐の後にそれを集めて歩くのが
  灯台守のワロの ....
 以前ボクは「家庭の詩学」シリーズの冒頭で、高村光太郎の言葉「詩学は詩の屍体解剖である」を引き合いに出し、詩の批評が嫌いであることを述べたことがありました。誰かの詩に優劣をつけたり、技術的、思想解剖し .... 父と別々の家に住むようになってから
ときどきは会いに行こうと決めていた

小さい頃から
一緒に暮らした記憶などなくて
なのに父は
僕との思い出話を聞かせようとする

うんうんと
僕が ....
毎日毎日
いろんな詩が

生産
されて

目の前を
流れていく




その圧倒的な
物量を

見ているだけで

なんでだろう
訳もなく

メデタイ
気持ちに ....
久しぶりに実家に戻ると
父はまた少し小さくなっていた

質量保存の法則というものを
信じるのであれば
生真面目に生きることを止めようとしない父は
きっと
何処かで
何かを
与 ....
毛むくじゃらの家猫が出かけて行ったきり
帰って来ないものだから
庭の木で啼くスズメの声が
遠慮なく鳴る目覚まし時計で
最近は、誰よりも早く窓を開けて
新しい風を味わう

あめ色の古机の上 ....
雲はかすかに薄い。満月はわずかに遠い。星
たちは月の輝く姿に目を細め身を寄せ合いな
がらその眩しさを囁く。塔の下ではいくつか
の波が押し寄せる。浸食は彼方の記憶。崩壊
は遥かな追憶。廻 ....
 吉岡実が後続の詩人たちに与えた影響は大きい。七十年代以降の日本の現代詩は、吉岡実がいなかったらまったく違った姿になっていたのではないだろうか。
 ここでは吉岡実の『静物』『僧侶』の二つの詩集を中心 ....
忘れない
高い小さな窓から覗き込んだ時間を
校舎の隅、零れていた笑い声の隙間に混ざった寂しさを


夏だった
世界がゆっくりと溶けていくまでの時間を
知らない、知ることもない
あと少し ....
わたし
猫好きやねん
本間に
大好きやねん

この前
小学生が木の上の猫に石投げててん
許せへんから
わたし石拾って力一杯投げたってん
そしたら小学生の前歯と猫
一緒に落ちてきてん ....
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