一 うろこ雲 雨が来るのを 知らせに来
二 夕空の 空気にとけて かきあかね
三 縁日の 思い出してよ 浴衣の子
四 洗い立て 昨日の事は 日の匂い
五 逢いに行く ....
麦色の夕方に
夏は死んだ
その致死量の傷口をさらに広げるため
強い風が吹く
夏の屍骸
それは輝くことのなくなった横断歩道の上に
反射することのなくなった水たまりの中に
横たわっている
....
ぷぷちゃんのつぶらな瞳が
踊るように歩く
青の裾野を
静けさを流しながら
口笛を吹きながら
踊るように歩く
いがらっぽい重みに耐え忍び
針と糸で生活を縫う
母
この家は。
....
子供のころは簡単だった
青いクレヨンで雲のかたちをくりぬけば
それが空だと言えたけど
いま僕が描こうとしてる
この空には青が足りない
たくさんのことを知ると
たくさんのこと ....
響かせて 声を
聴いてね 声を
私ぜんたいで声になって
あの透き通ったところまで
のぼっていきます
また遊んでよ
また笑ってよ
さきにのぼったひとよ
薄いピンクと
....
雪の中
反射望遠鏡を囲んで
オリオンをみたかい
どの星の並びを見ても
君の残像に見えたのは
ぼくのせいなんだろうか
雪の白黒を反転し ....
今日の仕事は うさぎだった
陽気なピンクだ
道行く車にいっぱい手を振ったよ
振り返してくれる人は
みんな笑顔で
おいら、ちょっと
幸せを振りまいた気分。
....
男と女の間には
深くて暗い河があるらしいから
君の悲しい心の内を
僕は分かった振りして黙って頷く
男の情けは出したら終わりで
女は心に宿した思い出を
どこまでも抱きかかえ生きてゆく ....
少しだけ、冷たい風が吹いてきたのは
とても遠い場所からだった
人はいなくなる、ということが出来るらしい
世界はいつも通りに明るくて
僕らは同じように電車に乗り込む
乗り継ぎ駅で世界が追い ....
その
ひぐらし
アコーディオンがたからもの
ヒトの喝采むさぼって
どこふく風のねなしぐさ
ゆらりと浮世をやりすごす
あれは
キリギリスとしんせきだったかねぇ
そ ....
萎れてゆく花ではなく
1.「ゆびぬき」
でんとうの 咲いてゆく中で
ちくりと刺さるところを
そっとつつんで
もう無い
てのひらの形を
朝 ....
秋のはじめのある日
川辺りを散歩していた風は
色とりどりに咲いている花を見つけました
‥なんて綺麗なんだろう
‥一緒に遊ばないか
風がそう言うと
花は恥ずかしそうに
コクリと ....
わたしは みにくい獣だ
鋭利な刃物を知っている
(わたしの爪はいつも)
鋭利な言葉を知っている
(やわらかな皮膚だけを)
鋭利な視線を知っている
(傷つける)
みよう ....
しとやかに咲く花の雌蕊を
ひと撫で
ふた撫で
愛の甘い誘惑は
心の隙間を逃さない
あなたは踊り子になる
薄塗りのなまめかしい曲線を
チュチュの爪先でなぞれば
そこは倒錯の天蓋
....
一昔前には
ありえないことが
当たり前になったと
思いながら仕事している
腹が空いたのを
気がつかないふりして
お昼の御飯を取りにいくと
真っ白でつるつるな
紙の箱に詰めら ....
窓を開けた瞬間
朝一番の風は
薄手のシャツを抜け
眠気交じりの肌を
下から上へとナゾルように吹いてきた
頬から
首筋
うなじへと
同じ風に包まれてゆくのをそのままに
まだ整えてい ....
赤錆の目立つ時刻表のバス停に立ち
来るか来ないかの
微妙な時刻にバスを待ってみた
進路の前にバスは無い
順路の後ろに気配も無い
行く先も馴染みの無い駅の
名前の書かれた ....
アゲハのハネは夏の欠片
土の上にパリン 零れる小宇宙
落ちていたハネなんですけれど
日にさらされてか
ガラスのように かわいていて
リンプンは星屑しゃらんりん
本体は見あたらなくって
....
季節はずれの花粉のせいなのだと
説明する僕のことを
受話器のむこうで
君がくすくすと笑っている
きのう雨の中でけんかして
雨なのか涙なのかわからなく濡れたふたりが
いまはこうして傘 ....
投げやりなタコ焼きが
ソースの匂いを振り撒きながら
僕を食べに玄関まで来ている
食べられたくない僕は
お守りを握りしめるけれど
よく見るとそれはカブトムシの幼虫
行き所を無くし ....
昼夜が逆転してしまう
昼夜が逆転して
ひとが寝るころに起きて
ひとが起きるころに眠るようになったら
彼と二度と会えなくなるかもしれない
そうしたら
書置きで ....
虹を渡すのは、雨の純真であるように
雨を放すのは、空の配慮であるように
空を廻すのは、星の熱情であるように
やさしき担いごとは満ちています
あなたを求めるわたし ....
はっか飴が苦手なほどに
あなたは幼い
丸めて・形よく
献上した
嘘の後
重ねて
垂直にうばう
目の前・生命線
わたしが服をぬげば
あなたも服をぬぎますか
グ ....
祈りの数だけ神がいて
祈りの数だけ願いがある
何故人は祈るのか
恐れおののく、その先の
抗いきれぬ力に前を遮られ
溜め息さえも躊躇して
祈りの数だけ花が咲き
手向けた花の ....
湿気ばかり多くて
気温が上がらない夜は虫なんかの
季節を送る歌など気にせずに
眠ってしまえばいい
閉じた瞼の裏が
奇妙な色に透けるのは
まだ生きている証だと思えるのなら
眠ってしまえ ....
天神で評判のラーメン屋でとんこつラーメンを2杯食い
満たされた腹をふくらませて夜の{ルビ那珂川=なかがわ}沿いを歩いていたら
遠くに並ぶ屋台のぼんやりとした明かりが見えてきた
橋の傍らにひっ ....
プラットフォームで 日陰のベンチに坐り
僕は詩を書いていた
いいや君への手紙だったのかもしれない
白い午後
静かな校庭のこと
いたいけな青空のこと
いいやそんなことじゃない
間奏 ....
シーン1
男の子が「つみき」という名札をつけていた
私が
つみきっていうの?
ときくと
そうだよ、かっこいいだろ、建築って意味
というのだ
へーんな名前
というと
男の子はむ ....
この大きな水たまりは俺がつくってしまったのか
海を前にして蛇口は茫然と立ち尽くした
もしかしたら俺の栓を大事に開け閉めしてくれた人たちの家も
どこかに沈んでいるのかもしれない
そう ....
日傘 レモン水 チョコラBB 水玉 クレープ・・・
例えば、こうゆうものが挙げられます。女の子のアイテム。
いっぱいいっぱい思いつくんです。
女の子って不思議だな。
わたしは女の子が大好き ....
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