SEXしよう。
目をつぶって、体温を感じる。
「心は空気」
互いに共有され、目には見えないが、確かにある。
心を表すものが言葉だけど、聖なる会話に言葉はいらない。
....
上りの通過列車が
雨上がりのプラットホームを過り
色褪せたベンチの水滴を
さらってゆく
少し欠けた白線と
凸凹黄色のタイルは
きっと黙って
それを見ている
プラットホー ....
よく晴れた日
ハンガーに吊るして
自分を干してみる
きっと人はこのように
優しく干からびていくのだろう
水分も記憶も失いながら
+
鏡に向かって
笑う
そんな嘘
ばかり ....
いつも 足りないと
つぶやくような目で
半透明 だった
校庭も
平たいホームの直線も
影をうばうばかりで
屋上にでるたび
そらに 手をひたして
紅くそまった冷たいゆびを
にぎ ....
改札口にて
お待ち申し上げております
行き先を
詮索したりはいたしません
どうぞ
ご安心を
あなたがここを
通過してゆく事実のみ
確かめさせて頂きたいのです ....
ひとりになる
そんなことは結局、どこにもないのかもしれない
はぐれがちになる秋の、空の一片は
また明日と手を振るように
ぽっかりと抜け落ちている
秋
秋の
すっと高くなる人たちの
忘れ ....
朝の空気は
ひんやりとして
あたらしいいのちを
送りだす
遠くから聴こえる
鳥の声に
遠くで暮らす
母の足音
滲んでる
{引用=耳を澄ます}
朝の空気は
瑞々しくて
白から ....
朽ち溢れた花びらは
先ほどまで
朱く萌え
そこに立ちいた
曼珠沙華
終りをみるの
何度でも
傍らで
見送る私は
何、想う
終りをみるたび
思い出す
始まりがある ....
眠りは当局から支給される
月にいちど注文をすることになっている
私は主に スタンダードな「白の眠り」を注文する
けれどいつもおなじ眠りというのも
あじけない気がするので
やはりスタンダードな ....
つるべ落としの夕暮れが
立ち尽くす人の上を
群青に染め上げていく
笑ったような月が
ヴィーナスを従えて
ゆっくりと
空にかかる
そして
青白い光が
窓辺で
謳っ ....
イチジクを手にとる
あなたの背中を思い出す
いつかの電車内で振った
人体骨格のねじれた手首に
無邪気な笑顔でこたえた少女
そこにみだらな星はなく
鮮烈なスタッカートが鳴り響いていたので ....
携帯電話機が振るえている
携帯の裏にはラジオが住んで
テレビを又貸している
テレビ局の小父さんは
金貸しを副業にして
海老や蟹を釣るんだ
来たから釣られたんだと
海老と蟹は信じてる
....
タケヤガヤケタ!
新聞紙をひろげたら
焼けたのは竹野の外れ
焼け爛れたタイヤが燻り
きつい硫黄の匂いが林の
中にしつこく漂っている台所で
焦がしてこびり付いた黒こげの
手鍋の底を ....
一昨日の日本GP
500ccレースのファイナルラップ
最終シケインの突っ込みで
阿部典史は、
後輪が滑ったから抜かれたと思った
だけど、K ....
お父さんまたお話して
子供のころの犬の話
しんだ父におねだりして
私は旅に出てゆく
お父さんの記憶の中へ
ジャノヒゲ揺れて
オオバコ踏んで
大きい夕陽とお父さんと犬
風は紫オレ ....
(その1 時計屋のおじさん)
裏通りにある時計屋のおじさんは、まるで手品師みたいに器用だ。
おじさんの大きな手からは想像もつかないような、ちいさな部品をちょこちょこといじると、さっきま ....
欲望の膨張に忠実にあれば
私は一個の無言する絶叫である。
現存する過去の連なりに位置する孤独は
現在の溺れる魚の視界だ。
我がための我の告白は
中心する周回の円の傾き。
彩られ ....
尖った粘土に
刺さった虫
のように
息だけ
している
息しか
できない
+
明方
キリンの群れが横断歩道を
渡っていく
あれは首長竜の一種だ
と弟に教える
弟は悲しそ ....
君は寝た振りが得意
わかっていてもウッカリ騙され
今朝もゴミ捨ては僕の役目
君は大人だから
分をわきまえているよね
僕はと言えば歳はくっても
燃える恋と燃えない恋の分別さえ
未だ ....
一日に何度も褒めてもらう
視線が絡むたび眩しそうに目を細めてもらう
思わずといった感じで体に触れてもらう
餌を待つひな鳥の切実さで唇を求めてもらう
君のおかげで
私の肌つやはどんどん良く ....
さいきん
私をみつけます
なまいきで
じょうだんみたいな手足で
おもたいランドセルをゆらしてる
あなた
胸のまんなかのスイッチは
押したら たぶん
おたがいへんな音が出る
だ ....
にせウルトラマン
ニセアカシア
にせほたる
似せた裏側には
鬼が出るか蛇が出るか
分からないのが人生
3分間待てないのが餓鬼
ウルトラマンに憧れて
3分前に蓋を開け
麺が ....
このあいだいつもの森の中を歩いていたら、突然
あ、わかったって思ったの。
森のなかで聞こえたの。
{引用=いきているうちなら、なんでもできるよ}
ことばがたましいにちょくせつひびいたようだった ....
{引用=音も無く 少し時雨れた 夕間暮れ
秋桜 ゆらり
かしいで ゆらり
涙の雫を 集めます
波間の 初音に 合わせ逢い
天女の羽衣 筋雲と
見 ....
{引用=
自分が自分であることに
儚い戸惑いを隠せないのなら
あなたは泣いていい
存分に泣け
其処には
散々に舞う桜の花弁のように泣く理由が在る
自分が自分であることに
未来を確立 ....
ほっといてくれ
今、オレはブルーなんだ。
ブルーで
ブルーで・・・・
うわあ〜〜〜〜ん
シャレにしかならねえ。
ちるちる
まいちる
秋みちる
思いも寄らず
潤いすぎれば
うっとうしくも重たくなる時があり
そんな状態では
さっぱりとかわいてみたくもあり
それでいて
方法も知らない
わたしは
煙草に火をつけて
遠い夢を静かに吹 ....
どうしても肌寒い蟋蟀質の摩擦によって
むしろ冷却されるわたしたちは概ね
低温のまま一生を終える腹部だ
脆い部分からアルコール消毒されてゆき
ついには殺虫されてしいんとす ....
雪融けのせせらぎが
草木に沁み込む速さで伝わる春
ひらいた花のはなびらが
舞い散る中で見た空の
青さを呼吸するような夏を過ぎ
虫の声に名残匂わす
涼しさにはほんのりと憂いの秋が
....
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