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ミシッ と鳴って
雪、軋む

ギクッ として
飛び起きる

「まずい、雪崩だ!」


誰もいない



4Fのベランダに出れば、
碧天に一筋の白雲
冷気が僕をヒンヤリ包 ....
車輪のないバスがとまっている
低い木のしたに

たぶんそこにあなたはいる
破れかけのシートに心地よさそうにまるまって
外は
こんなになってしまったというのに
さびしい、という言葉も知 ....
目が口ほどにモノを言う人たちに囲まれて
君の視線のフィラメントが闇のように漂う
人見知りがひとり 見知らぬ人たちと
待合室でチェスの駒みたいに包囲され
遠くから黙々と頭を打つ冷たい秒針は亡霊だ ....
何処か遠く彼方から
子供たちの声響く琥珀色の夕暮れに
缶カラ からから転がっていく
風もない 人もいない のに
からからからから転がって
グシャリひしゃげる
銀の乱反射に 
無数の記憶像 ....
ここがいつもの世界なら
投げ入れた石は水底にしずんでいくし
まるい波紋も できるだろう
郵便ポストは1本あしで立ちつくしているし
ひとびとは
笑ったり泣いたりしている

さていまは
 ....
何も持たなかったはずなのに 多分荷物は重くて
何を詰め込んだかわからないのに 大切で
手放せないまま 逃げるように出てきた都会

何をしたかったのか 私の頭の標識は
真っ白に作り上げ ....
土から抜かれた細葱を刻んで
食卓にそえる

グラスに水を入れて
残りをさせば
頭と根がのびてくる

日にひとつ
歩みをへらし
粥をへらせば
命でこのよに
帰れるけど

初雪の ....
たいせつをさがしている
大袈裟でもなく控えすぎず弾力をもつもの

空は低いが僕の中にそれをおしあげる力があるだろうか
誰も風化しない星々も変化しないのではちょっと困るのだ

粘土のように塑 ....
もう二度と歌は歌わない
そう決めたのは
合唱コンクールの練習の時
隣の子がクスッと笑ったから
以来本当に僕は歌を歌わなかった
音楽の時間は口パクで通したし
歌のテストの日はズル休みをした
 ....
鉄亜鈴

妻と鉄亜鈴を一緒に
振った
妻は小さな男の子のように
亜鈴を振る
私の心は微笑した
なんて可愛い彼女だろう
共にバスに浸かった
妻とわたしは
足をずーと伸ばし
バスタ ....
ゾウさんのお鼻は
不思議な鼻だ
バナナをつまんでお口に入れる
水を吸い上げシャワーする
敵をひっぱたく武器になり

ああ きょうは
少年ゾウのまたの間から
鼻を入れおちんちんをいらって ....
あなたが水草だった頃
わたしは産まれた
あなたは水草の味がした

ここにつどうすべてのいのちは
いのちをきょうゆうしている
だから
それをざんこくなどとおもわないでおくれ

あなたは ....
新聞の死亡欄に小さく載りたい
葬儀の予定など一切無しで
ほんの数えるほどの文字
ひとつの死 ひとつの終わり
シンプルで飾りのない
わたしの死 わたしの終わり
事実だけが落ちている


 ....
【曼珠沙華饅頭】




まんじゅまんじゅまんじゅしゃか
まんじゅつくる女の手が
ある日 突然 伸びてくる
にょきにょきにょきにょき 伸びてくる

なにをまるめよか 曼珠沙華
か ....
予想を遥かに上回り
伸び過ぎて
手に負えないほど
細い支柱に幾重にも絡まった蔓を
所々自分で縛った紐をほどきながら
根気よくはずしていった

はじめは
知恵の輪をはずすようで
楽しか ....
私は 地獄通りの道を歩いている
「詩人」という、重荷を下ろせば きっと
地獄通りを 通らなかったに違いない
こんなにも暗く、高潔で、淫靡な道を 
コトバだけで築き上げた 女の迷路からま ....
ゴキブリなんて大っ嫌いギャーギャー言って逃げ回
るくらいだけどもっとキライなものがあってそれは
ギャーギャー言ってさわぐやつなんかみんなシねば
いいのにって思ってるそんな自分こそシねって思う
 ....
小平市の住宅街でバリバリと音が鳴り
とつぜん、目の前の住宅が取り壊された
私は三か月前から仮の住まいを持つだけなので
家が壊されるこまかな事情は知らず
事情を知らないゆえ
その家は突然、取り ....
夢の尾はいつだって手からすべりはなれてゆく
そして明けて
朝、
つかみそこねた少し乾いたその手触りを思い出している
どんなにこごえても
血液は凍らないやさしい不思議だとか
たとえ凍ったとし ....
祈るようにサイコロを振る
嫌な予感は的中した
すでにホテルの建った銀座 わたしの靴は落ちた 
このままでは残りの土地を売却しても破産してしまう
なんとか逃れたくて 頭が高速回転を始める

 ....
家の敷居や襖の線や開閉ドアを隔てて 深い河が流れている
隣の部屋なのに、もう渡る舟の手掛かりはなくしたままだ
河の底から 十二年前に口を交わした孫の燥ぎ声が
時々聞こえてくるのが楽しみで  ....
朝には、
むらさき色の腕がゆめを奪いにやってくる。
走って、だれもが
逃げているとおもってた
湯気のあがるさか道、
ねばっこい草のなか、
うす暗い公園。
みんなからはぐれて、
それ ....
それは
いつも
傍らで


鱗粉の睫毛の爆発を
捕食する


鉛雲の底辺を結び
つめたい足の自閉した雨が
背を反らしながら



あなたを
呼びとめ
あなたは
 ....
朝、おにぎりを握る
水に手をつけて塩をすりこんで
ほどよくめしを手にとる
手のひらに熱が伝わり
熱を握っていく
この世で握られたすべてのおにぎり
すべての人が感じた熱さを思う
炭化してい ....
メガネをかけた店員が私を緑のサツマイモだと言った
もう一人の店員は私のことを赤いキュウリだと言った
どの棚にも私の居場所はなく、
北海道の男爵やクイーンが
同じ棚には並びたくない、と言 ....
窓の外が雨降りかどうか
知りたくなったら
行き交う人々の差す傘を
探せばいい

雨粒は見えなくたっていい

傘は雨のことば
青、赤、黄色の点滅で
雨の居場所を伝えてる

だけど今 ....
列車のベルが心臓直下で響きわたる
蒼白い片道切符を握りしめた駅
朝露で濡れた手は容赦ない
初夏の日、快晴、音楽、赤血球
揺すりあううちに まとめて角がとれて

本能が吹きすさぶ山頂のこの駅 ....
飯場に着くと、俺たちは襤褸雑巾のようにへたり込んだ。ねばい汗が皮膚に不快に絡みつき、作業着は雑菌と機械油の混合された臭いを放っていた。風呂は順番待ちだし、俺たち人夫は泥のような湯船に浸かるしかな .... 夕方過ぎに家を出て
魚を買って戻る途中に
なにか気がかりがあるように思う
何だったか思い出そうとして
何のことだったかわからなくて
吹きつけてくる風が
二の腕のあたりにうすら寒い
手提げ ....
パーティーには 有名な中華料理店が選ばれた
難しくて名前が覚えられないメニューたち
箸で触るだけで肉汁が溢れ出すシューマイ
自宅に独り私を待つ母に
到底食べさせてやれない、そのシューマイ

 ....
七さんの自由詩おすすめリスト(1187)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
この冬の朝- たけし自由詩6*15-11-29
シート- はるな自由詩415-11-29
ひとしれずゆくえしれず- ただのみ ...自由詩18*15-11-28
境界(『過ぎ越し』改詩)- たけし自由詩5*15-11-28
ここがいつもの世界なら- はるな自由詩615-11-27
天秤- 為平 澪自由詩12*15-11-27
up_down_- mizunomadoka自由詩715-11-27
たいせつの歌- 梅昆布茶自由詩20*15-11-27
歌はもう歌わないと決めたけど- 夏美かを ...自由詩37*15-11-25
_鉄亜鈴- 生田 稔自由詩315-11-25
- イナエ自由詩6*15-11-23
水草と魚- そらの珊 ...自由詩18+15-11-15
死亡欄- ただのみ ...自由詩23*15-11-11
さあ_お食べ__二篇- るるりら自由詩715-11-11
晩秋のクレマチス- Lucy自由詩16*15-11-10
花火- 為平 澪自由詩815-11-5
僕は寝ているふりをした/即興ゴルコンダ(仮)投稿.86- こうだた ...自由詩7*15-11-5
窓枠- 高橋良幸自由詩9*15-11-3
ノースバウンド- そらの珊 ...自由詩2015-10-31
モノポリー- ただのみ ...自由詩8*15-10-28
核家族- 為平 澪自由詩915-10-27
朝のこと- はるな自由詩515-10-25
アフターイメージ- 末下りょ ...自由詩4*15-10-19
おにぎり- 春日線香自由詩515-10-17
メガネの店で- 為平 澪自由詩1415-10-14
- 佐倉 潮自由詩515-10-11
光のプラットホーム- ありか自由詩17*15-10-10
出稼ぎ人夫- 山人自由詩4*15-10-7
気がかり- 春日線香自由詩415-10-6
晩餐会- 為平 澪自由詩13*15-10-5

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