すべてのおすすめ
仔犬を胸に抱いた少年
あるいは
眠っている赤子を
抱っこ紐で抱えた母親
のように

買ったばかりの
ラナンキュラスの
花束を
両手で持ち

包装紙の隙間から覗いて

微笑ん ....
   庭木がかもしだす
     日陰と日向が
   その鮮明度を増し
   遥かに漂っている
      卯月の雲も
田の草月に移行するとき
  いままで眠っていた 
     老残の ....
グランドの脇の水路に
サッカーボールは半身を浸していた

昨日も今日も橋桁に寄り添って
沈むことも飛ぶことも出来ないで
流れることさえ出来ないで
水面に出た半身が陽に焼かている

赤耳 ....
あかあか てる
あかあか と てる
そら と
そらの みなかみ

かか
かか
なく かげに
そっと くび めぐらせ

おもふ

ものも けものも 
そらみあげ
みな目鼻も ....
 浅いひびわれができた
ベランダの三和土でみる
       一匹の蟻
   単なる散策なのか
       それとも
  餌を探すためなのか
  まるで卒寿となった
    おひとりさ ....
見えなかったものが見える
ふくらんで
ふくらんでほどけ
ふわり ひらく
ゐろかおりかたちあまく
風に光にとけて
そらを渡るもの
ほそい弦で触れながら
匂やかな{ルビ詩=うた}の足跡をた ....
【無口】


山高帽の男の顔は見えないが
どこにでもある石を缶詰のように
開けようとしている

男にだけにわかる匂いを閉じ込めたのは
誰なのか
日記帳の文字の旧字体が
机 ....
【こめる】

ちいさな人が ちいさな声でいった
「あさがおは かさ みたい」
くるくるたたんでいる花は かさみたい
雨の日にひらくと かさみたい

ちいさな傘から
ぬー ....
かるくて
あかるくて
はかなくて
さくらの花は
詩そのもの


花びらいちまいいちまいに
残った風が
地面に落ちてもまだ
ふわり ふわりと
その浮力を手放さない
逃げ足ばかりが ....
風にそよぐパンツィーに
話しかける

「ねえパンツィー、きみは誰?
誰のパンツィーなの?」

無言で風にそよぐパンツィー

「きみのようにイカしたパンツィーが
誰のものでもないなんて ....
そういうことか
海も空も
まるいんだ

どれくらい走ったろう
眼前には海があり
道端には 菜の花と桜が続いている
ふと 同じところを何度も通っているような気が
して
 ....
小さな嫉妬の粒を
指先でつまんで丸めてみる
日暮れて家へ帰ろうと思うのだが
行く先が知れない

たくさんの人たちが
出立する暮れ方の川辺の
薄れていく土手の向こう
たわんでいくぼくの背 ....
百均で買ってきた
ミニチュアの黒いうさぎは
手のひらに載せて
選りすぐろうにも
どれもみな
哀しくなるほど同じ顔
同じ姿勢同じ表情
どうしてこんなに正確に
大量生産できるのか
まるで ....
    始まる前は 長いなぁと
        おもっていても
    いつのまにか 千秋楽が
          来てしまう
     十五日間の大相撲場所

      そうだ そうな ....
太古から受けついできた生命を
父と母から受け取って
生まれ出たあなた

いま 
腕を広げ 
足をのばして
世界の広さを
たしかめている
じゃまするものは
もう ないでしょうに

 ....
言葉がおちてる ぷつぷつにきられて
台所 タイルの水色
削りかけの鉛筆がむなしい
言葉はたびたび
うらぎるようなふるまいをする
季節や 温度もそうだし
寝起きの兎だってそうだ
手 ....
母の頬を打つ
鋭い音が私の底に弾けて沈む
窓から漏れる灯が全て真っ赤に爆ぜる
影絵が暴れ出す
玄関口を喪服の村人がぞろぞろ出て行く
四角いお供え物に母の骨を携えて

母の頬を打つ音が隣の ....
わたしたちは小さな生き物です
(小さな生き物)
どの程度かというと
気にさわるほどの

空き缶の下 おっと
踏まないように ちょっと
たたらを踏む 
あなたのつま先にさしさわるほどの
 ....
雀始巣
すずめはじめてすくう


佐藤さんちの玄関の
パンジーの寄せ植えから
オハヨウを拾い上げて

鈴木さんちのベランダの
古い室外機の裏側から
サビシイを探し出して

 ....
卒業式の日に
飼っていたホオジロにリボンをつけて
冷たい空に放してやった
冬の鳥だから
冬の山へ帰してやったよ
せんせいの声も
ピアニカのドミソも
みんな憶えていたいけど
ばいばい
 ....
予約時間に早すぎて
十数年ぶりに弘南堂書店へ往く
見慣れたブックオフとは違う
天井近くまで積まれた学術的古書に
おまえの目は泳いでいる
楽しい散策 わたしには
安い棚から掘り出した一冊は
 ....
雨の中
透明な傘をさした人が
聖書を持って列をつくっている
黒い群れの中で
三方金の本は光っている
みんな口を閉じている

道路をはさんだ向こうのバス停で
青年が一人、列が動くのを見て ....
空から
剥がれた薄皮が
ふうわり落ちてきて
森と街と人の
あらゆる隙間を
滲ませる

君から
届いたLINEが
妙に素っ気ないのが
どうでもよくなるくらい
僕の指と吐息は
 ....
なにもかも捨てておしまいなさいと
無闇に心臓に くりかえしていた 
いたいのいたいのとんでけとんでけの耳の指示どうりに
しでかしてしまった空虚を
空に放つと 釘を打つ音がする

清水さんち ....
桃始笑
ももはじめてさく


コートを脱いだら
沈黙していた鎖骨が
独り語りを始める

ポケットから出た
あてどない指先が
止まり木を探している

音符を思い出した
爪先 ....
土手の手つかずの雪が老いて
カラスがなにやら啄んでいる

穏やかな冷気に衣服の戸惑い

惜しめば儚く望めば遠く声は
なにも残さないただ揺らした

言葉が追う死者を追うように

セー ....

街はすみずみまで霧に覆われていた
平等に満ちている粒は
白いサプリメント

普段は透明が満ちていて
遠くまで見渡せた
海に点在する小さな島や
船が描いてゆく波のような道までも

 ....




外が言う聖域なき改革に
少し笑ってから
だれにも教えるつもりのない
ひとつのメールアドレスを
登録して機能させる
(そこはサイバーエリア)
(そこは賃貸住宅) ....
     夕餉が終わると皿を洗い
     油や醤油で汚れた台所を
     布巾でぬぐう
     鍋も皿ももとの位置に戻し
     静けさと落ち着きを取り戻す
     風呂を ....
    
    伊勢湾の一辺をになっている
(比較的 温和な風と光にめぐまれた)
            知多半島は
           丘の稜線から 
いま 伊勢湾の貨物船を望遠してい ....
七さんの自由詩おすすめリスト(1256)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
街角- Lucy自由詩17*16-5-12
望郷(一)- 信天翁自由詩516-5-8
水に浸かるボール- イナエ自由詩9*16-5-1
(あかあか)- 「ま」の ...自由詩116-4-25
早春賦- 信天翁自由詩516-4-24
春小景- ただのみ ...自由詩12*16-4-16
姫たちのお茶会_中- るるりら自由詩10*16-4-8
ちいさな_三つの声_- るるりら自由詩17*16-4-4
アレグロ- 豆腐小僧自由詩216-4-3
パンツィーとの会話- 花形新次自由詩216-3-29
指折り数えるクリノリン_- るるりら自由詩14*16-3-28
小さな嫉妬の粒を- オイタル自由詩516-3-26
ベンジャミンバニー- Lucy自由詩22*16-3-26
卒寿に想う- 信天翁自由詩216-3-26
赤ちゃんの足- イナエ自由詩14*16-3-24
手足- はるな自由詩416-3-24
- 為平 澪自由詩6+*16-3-21
わたしたちは小さな- オイタル自由詩13*16-3-21
雀始巣- nonya自由詩18*16-3-19
みんな空へ帰っていく- yo-yo自由詩10*16-3-17
北大病院にて- ただのみ ...自由詩17*16-3-16
the_church- うみこ自由詩4*16-3-15
春って- nonya自由詩13*16-3-15
『森で釘打つのは誰?』- るるりら自由詩11*16-3-14
桃始笑- nonya自由詩17*16-3-10
春葬列- ただのみ ...自由詩19*16-3-9
白いサプリメント- そらの珊 ...自由詩1316-3-9
@mail_(生体反応の設計)- 乾 加津 ...自由詩10+*16-3-3
漂白のとき- 石田とわ自由詩12+*16-3-3
色鉛筆_九- 信天翁自由詩316-3-1

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42