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かわいそうを
拙い力で摘むその指を
見守っている

指輪にしようか
髪飾りにしようか
一本、二本、3本
束にして編んでいる私は
数分後にはこのかわいそうが
無造作に捨てられることを ....
妙に白茶けた道を
道というより橋かもしれないが
いつの頃からか歩き続けている
疲れて立ち止まったとしても
死んだ馬が頭を押しつけてくるので
休むこともできず
馬の冷たい鼻息が気に障る
な ....
黒曜石は砕かれた
もうずっと昔のこと
何もかも失ってちっぽけな存在だ
もとの自分がどんな形をしていたか
思い出すこともできない
以来 変わらず尖ったまま
今も誰かの指が血を流している

 ....
やさしいくまは
なんにも食べずに
やせている
かつてつややかだった毛並みは
ぼうぼうにとがって
やさしいくまは
そのうちひとかたまりの茶色になって

ちょうどきのうの晩ふきあれた強 ....
人は
なんどころんだら
上手に歩けるようになるのだろう
人は
なんどないたら
上手に笑えるようになるのだろう

だいじょうぶだよ
まるでごむまりのように
やわらかいきみをだきしめる
 ....
魚を釣りに行きましょうと
手を引かれて行く
氷のように冷たい手である
連れてこられた川辺には
沢山の人がすでに釣りを始めていて
思い思いに竿を上げ下げしている
自分もどこからか
骨のよう ....
夫と言い合いになった日の深夜
冷蔵庫の前に這いつくばって
冷たい床に雑巾で輪を描いた
何度も何度も同じ輪郭を辿って
ただ一心不乱にひとつの輪を描いた

怖い顔で子供を見送ってしまった朝は
 ....
渡しそびれた手紙が
一冊の本に挟まっている。

「必ず届きますように。」と手を合わせ
何冊かの本と共に
庭の片隅で火にくべた。

燃え残ったページが
秋の風に吹かれ
くるくると ....
爆破された夜の屑が月の縁を滑っている
そこはどうぶつのように
けたたましく吠える滑走路
無限が限界突破するときのエネルギーを
絶対に忘れたくなくて日記をつける
取り込み忘れて風に揺れる洗濯物 ....
同じマンションの
上に住む人だと思って
シャボン玉をした

階下に住む人と思って
花を降らせた

どうしたんですか、
と言われて振り返ると 君は
君は
同じ階の人だった

 ....
何かをしようとしても、
どこへ行こうとしても、
なんだかつまらないような気がしてしまい、
雨のなかを行ったり来たり。

たくさんの歌を好きになった。
ほとんどは恋愛の歌で、きみが好きだ ....
娘の髪がおどっている
とおもったら
わたしの息だ

どこまでもなめらかに続くようにおもわれる肌は
必然の場所でとぎれている
死がおそろしいなら
生もおそろしいのだし
もしも素晴らし ....
うらぶれた母屋の近くで
朽ちていく頼りない樹木に
果物が二つも実って
どちらかは甘くなれない

かつて生活があった土地に
ヤクルトの容器が風に転がり
明るく後に暗い空を
椋鳥の群れはう ....
       ー年を取るとはこういうことか7ー

若者よ ズボンをはくとき
ベッドに腰掛けなくても履けるか

家中の者が畳の上で生活していた頃から
立って履くのが常だった
布団の上で寝転 ....
それはとても柔らかくて静かな日だった
わたしは視力を失いかけている母の目を治すことのできる医師が
この地にいると聞いて はるばる この地にやってきたのだが
偶然にも その夜は、祭りの日 ....
マチルダその名に惹かれ
やはらかなドレスはオーガンジー
淡い薄紅のグラデーション

俯きがちな優しい微笑み
丸い瞳は少し淋しげ
見開いたまま
散り落ちる

マチルダ
虫に食われ
 ....
そんなにだいじなことが
あるだろうか
陽に透けている髪の毛や
ひびくように聞こえてくる帰りみちの子どもたち
なにかの秘密くらいちいさな爪のいちまいずつ
写真集にかぶったほこりのおどるとこ ....
木の葉が
風に散っていく
表になり裏になり
葉脈の流れをとめて
秋の波紋がひろがっていく

セコと呼ばれる河童が
山へと帰っていく季節だった
雨が降ったあとの小さな水たまりが
河童の ....
コスモス
風にゆれる
何を言っても
遅いと揺れる

コスモス
風に散る
何を喚こうが
間に合わないと
散る

コスモス
風に折れる
ただ真っ直ぐに
延ばそうとした
腕のか ....
夜の中で意味が冷えていく
わたしは知りながら傾いて
もう少し影を濃くしようとしていた

ふるいうたが流れていた
それとも口ずさんでいたか
どちらにせよわたしたちは小さすぎた
隠しごと ....
大恋愛
運命の出会い
がいつか訪れるだなんて
それこそ
甘いエロい妄想

我こそは
高値で取引されて
店先で垂涎の的
きっと素敵な人が買ってくれる
心ゆくまで味わってくれる
 ....
プラナリアに 出会いたい
永遠の命だというプラナリア

世界が黄砂に なぶられて
沈鬱が大陸を覆い 海洋にも降りた
人は みみずのように
スマホのなかの情報に生きる術をもとめ
無数の出口 ....
おそらくもう夏は行ってしまったのに
夕刻になると
埋葬されない蝉がうたう
取り残されるということは
ひとつぶの砂のような心地
苦いさみしさだろう
――さいごの一匹になりたくないのです
生 ....
皮を剥くことばかり求めて、
実の味を忘れた
林檎みたいな私の肌に、
あなたは歯をがりり立てました。
私はその痛みに歓喜し
ちいさな翼を羽ばたかせ
あなたの心のなかの
小さな ....
六月の雨が
育ち盛りのスイカをいたずらに誘う
でも、今年の梅雨は少々しつこくて
早くも冷夏の予感がした
ナスビもトウモロコシも痩せたまま太らない

繁茂するのはスイカのツルと葉っぱばかり
 ....
ホームの柱には角丸ゴシックで神とだけ印字されたステッカーが貼りついていた
その柱にもたれながら乗車する予定の新幹線を待つ
正確には夫と娘が帰省するために乗車する新幹線を待つ
とうの二人は並んでホ ....
人生をささげるとか
よくわからない
やりたいようにやる
好きなことだけ考える
ただそれだけ

振り出しにもどる
が簡単なのはわかっている
十マス進む
なんて解決策は見つからない
 ....
ある日 
水槽の中で泳ぐ
熱帯魚が
テレビに映った 
青い南の海をみた

こんな狭い
水槽の中では
すいすい泳げない
テレビに映った
広い海に憧れて

ここから
逃げ出そうと ....
かつて まつげに
マッチ三本載せてみせた
少女は
そこへ
小さな蒲萄を
たわわに実らせたという

おとぎ話は
完結してからのほうが
むしろ真実だったりする

まばたきのたびに
 ....
家の目の前が川だから 安心だ
泳ぎ疲れても すぐに家に帰ることができる
天井川沿いに建つ我が家までは
ほんのわずかの距離なので
帰り道は スクール水着のまま 裸足で家に帰る
焼けついたアスフ ....
七さんの自由詩おすすめリスト(1187)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
かわいそう- あるみ自由詩7*15-10-5
道行き- 春日線香自由詩215-10-4
記憶の怪- ただのみ ...自由詩14+*15-10-3
やさしいくま- はるな自由詩515-10-2
ごむまり- そらの珊 ...自由詩1815-10-2
夜釣り- 春日線香自由詩815-10-1
磨くという行為- 夏美かを ...自由詩48*15-10-1
空が落ちている。- 梓ゆい自由詩6*15-9-28
アイスクリーム- ありか自由詩20*15-9-28
- フユナ自由詩315-9-26
あかるい歌- スプーン ...自由詩215-9-25
同じ場所- はるな自由詩515-9-25
シャンメリー- 砧 和日自由詩615-9-23
物を両手には持たないで- イナエ自由詩21*15-9-22
墓石の幻想郷- るるりら自由詩17*15-9-16
マチルダ- Lucy自由詩16*15-9-15
- はるな自由詩715-9-15
秋の魚あはれ- yo-yo自由詩13*15-9-11
コスモス- Lucy自由詩16*15-9-11
隠しごと- はるな自由詩615-9-10
チェリー- アンテ自由詩415-9-10
小宇宙から流れくる____(改訂稿)- るるりら自由詩16*15-9-9
秋のゆびさき- そらの珊 ...自由詩1515-9-9
接吻- あおい満 ...自由詩14*15-9-5
朝の日記_2015夏- たま自由詩21*15-9-5
稲妻市へ- 手乗川文 ...自由詩3*15-9-5
きみとなら- アンテ自由詩5*15-8-31
【_熱帯魚_】- 泡沫恋歌自由詩25*15-8-31
まつげに盛られたファンタジー(或いはモナリザの微笑み)- そらの珊 ...自由詩15*15-8-31
川岸- るるりら自由詩10*15-8-31

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