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 忘れ物 に なったハンカチ
 あわいもも色 うさぎを飼って
 駅の向こうから来る
 おんなの子を見て
 つれていって
 と、輪をかいた
 石のむれをしずめた 海と
 とおい空 かすれた ....
  ・ ・ ・


今年の森の地図が
そろそろ終わりだから
恵みにあやかりたいと
降りた自転車を立てかけた
裂け目のような木の下闇からは
あからさまな拒絶の気配を感じたが
それは人間 ....
海底の都市から見上げた空に
着水する紙飛行機が
ひろげる波の敷布と
雨だれがからむ

おおきな口で
迫るもの
不意に肩をだきすくめる
水草の気配
ここでは誰もが作曲家だから
ことば ....
雨があがると見つかる落ち葉は
いまにも崩れそうで
そらの葉脈を
懐かしく見上げる
古墳の町で食べたたこ焼きが
まるくなる瞬間
わたしの壊れずにいる肺もいつか
ことばを持たないもの達にふれ ....
深呼吸して目眩につつまれ
手近な柵にしがみつく
両肺を染む芳しい毒素
むらさき色に染めあげた
絶え間ない恍惚にいざなう、十年ぶりの/帰郷、敗散/執着、
慨嘆/それら懐しいひとときの必要にせま ....
にんじんを刻みながら
風のみつ編みをおもう
それは水面をふるわせ
はげしく雨を叩き合せる
老女につかまれる
ほそくて
ながい
時のすがたを知れる

おしゃべりなちえの輪
ま綿の花束 ....
媼の面をはずしたかまきりが
つめたいそでで横になっていた
ゆたかなお腹
子どもらをまだ泡してないと見え
わたしの中ゆびを、きゅっと
思いがけない強さでつかむ

空をひらけばすみれ
あし ....
  一


写真におさまる声はないのに
いつまでも聴こえてくる
花がひらく唄
雲がきえる叫び
沖にとどろく神なり
それから、あなたの唇のネガ

どれもいまは違うものになって
どこ ....
高くて、広くて、硬くて
人工美にかこまれ
あなたがつかむもの
さめない夢

甘くて、柔くて、叫ばない
つるされた肉片
あなたがかむもの
人工の夜

空へと指をひろげる
人もまたひ ....
猫。いのちのぬすびと。天秤をゆらす。無邪
気な狩人。爪をひそめ。音をひそめ。夜走す
る獣。ちいさくて幸い
蜘蛛。お寺のお裏に住むおとな。かわいた唇
で咬む。純真で多淫。空洞をゆるさぬ観測手。
 ....
油まく模様のみなもには色々がくる
熟れた椅子の脚や膨らんだ仔ねこらが
うつした空を破りながら流れてき
こまをなくしたバイオリンなど
海にとどくより岩くぼに憩う
そろそろ沈むことなど気にも ....
七さんのsoft_machineさんおすすめリスト(11)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
忘れ物になったハンカチ- soft_machine自由詩12*23-8-5
森の地図- soft_machine自由詩3*22-9-13
海底の空- soft_machine自由詩322-9-6
雨あがり- soft_machine自由詩222-9-6
毒_という- soft_machine自由詩222-4-29
湖畔にて- soft_machine自由詩3*22-4-10
一月二日- soft_machine自由詩222-1-3
写真_二篇- soft_machine自由詩221-12-27
夜々- soft_machine自由詩5*21-12-24
未図鑑- soft_machine自由詩421-12-19
矢部川_借景- soft_machine自由詩5*16-9-7

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