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耳をすませたことがある
遠い宇宙のささやきだった気がして
ふと星々が混雑した夜空は
まるでにぎやかな物の怪のいない屋台村のようで
深々と夜はふけ
いたずらに星々はふるえていた

家の傍に ....
時間屋という屋台が最近この街にも見られるようになった
もう少し生きたいという人や
あの時間に戻してくれというような人
未来の時を希望する人
今をもっと濃い時間にして欲しい人
二十四時間を三十 ....
ただの一言も発することがない
二月の青空はとても孤独だ
ひとみを綴じた兎が
木の袂でうたた寝をしている

冬は自我をうしない
薄く目を開けて、この青い空を
くちびるをかすかに動かして
 ....
少しばかりの軽い眩暈は、暗闇とうっすらとした雪明かりのせいなのか
それとも、未明に降り出した重い湿雪が足にまとわりつくためなのか
たぶん、それは眩暈とかではなくて
朝のうちに歩いておこうとする、 ....
白と黒の、うっとりと時の踊り場で寛いでいるかのような、冬
雪は未だ、ここに居てもいいのかどうなのか、
わからないでいるように見えたりする、初冬
暗い雪の夜道を歩いてみれば、小首をかしげた四つ足獣 ....
 退廃的な茶色い風景は一掃され、どこも白いベールに覆われている。嘘のような本当の話、のような風景がある。
 雪にまつわること。たくさんあり過ぎて語れないほど。雪を心待ちした青年期、悩まされた中年 ....
寒さが冬のにおいを連れてやってきていた
葉はそれぞれに、その存在を主張することもなく
いたずらに冬待ちの時間を費やしていた
そしてそれら樹々や草、虫ですらも
冬が来るということを知っていた ....
 現フォ投稿は週一のノルマを期していた。が、最近は登山道除草に追われ、且つ勤務仕事の山林仕事で日々困憊し、活字を書く気になれないでいる。詩などを書いてみようとキーボードを打ち始めては見るものの、まった .... 汗が目をつたい
塩辛さが痛い
草は水を失い
根無し草を被っている

ミンミンゼミは狂い鳴き
一日のはじまりから終わりまで
命の終末まで生を主張する


夏は終わろうとしていた
 ....
願いが叶わなかった日
遠く、命の向こう側から聞こえてくるのは
ニイニイゼミの声
毛穴から染み入り、毛細をとおって
脳内に聞こえてくる

頭上を爆撃機がかすめて飛んでいた
なのに街は箱庭の ....
夜の雨は何かを伝えようというのだろうか
泡立つように一つの感覚が芽生えてはうなだれ
いつもように日々が過ぎていくのを
僕は目を少し開けては眺めている
昨日少し生まれ変わり、風の子供の歌を聴いた ....
すべてのものが露わになる前の世界
夜明け前の朝は、そうした匂いが感じられ
鳥は瞼を微動させて小さく羽毛を震わす
風は樹の洞に仕舞われて
リスの鼓動がすこしづつ増してゆく



時を軽 ....
命の外側で雪は軽やかに息をしながら降っている
どこからともなく、螺子を巻かれたわけでもなく、
静かに乾き、ひとつの可能性のために降り積んでいくかのように

しらんだ冬の
おっとりとした、
 ....
ひとり山道を歩いていると大蛞蝓に遭った
私は呼吸も荒い中、足を止め
元気ですか――と、声掛けした
彼は特に気にするでもなく、じっとしていて
じっとしていることが最大の防御ですと言わんばかりに
 ....
 つまらない日記に過ぎないが、少し。
 かねてよりアウトドア用品をかなり買い込んでいたのだが、まだいくつかとりあえず必要なものがあったので某店に行くことにしていた。しかし、妻が善光寺に行かないかと誘 ....
 いろいろあったようで、そうでもなかったような、そんな数年が続いていた。なんとはなしに、脳の中に霧が立ち込めているのではないかと思うくらい、心底何かを思考する気にはなれないのだ。
 川村は山小屋を営 ....
盆の晩夏に浮かんだ重い雲の隙間から
かすかな青い空が
ひかえめにのぞいていた
いたるところに停車された鉄の馬たち
それぞれが夏の欠片をカートに入れて
手綱を引いていた
盆は静かに終わりをむ ....
山が私を待っているわけではない。山の作業が私を待っているのである。
朝からミンミンゼミは鳴いている。
心の洞窟に蝙蝠がぶら下がり、鬼蜘蛛がのそりと動く。
湿気のある岸壁に苔がむし、カマドウマのよ ....
 傘を差しても濡れてしまうほど豪雨だったが、今は止んでいる。風は緩やかに吹いて、となりの籾乾燥施設傍の、クルミの小径木に巻き付いた葛の葉が揺れている。ヒヨドリたちが鳴き始めたから雨は当分降らないのかも .... 彼の生活を、わたしはしらない
だけれど
きっと彼は排泄もせず
星のしずくを飲み
まれに息をするくらいな筈だ
そんな感じで
ネット詩人は生活をするでもなく
人差し指から滲み出る灰色のインク ....
 なぜこんなきつい仕事を請けてしまうのだろうか?自問自答しながら私は三条市吉ヶ平に車を走らせていた。
 次週に請け負った、二名の宿泊込み歴史の道八十里越道ガイドの仕事であったが、気分はまったく乗らな ....
古い教室の机の落書きのように
六月は音も無くひっそりとしている
机は時々降る雨音に聞き耳を立てて
暗い机の隅に棲む名もない蜘蛛と
会話を楽しんでいる

すでに廃校となった校舎の屋上で
昔 ....
 今日でゴールデンウイークが終わる。こういう期間に家業がないと落ち込むのだが、昨今のスキー場閉鎖やコロナ禍ということもあり、暇なことに慣れてしまっている。それでも暇ながら五泊ほどの客が居たと言えば居た .... 情景は語彙を求めていたが、それはただ、うなだれて瞼をとじていた
季節は何度も密会を続け、新しい季節が生まれ、産毛を生やしている
空気の隙間を鵯の鳴き声が斬り裂いていく
列島は黄金色に包まれている ....
記憶の旅をすることがある
降り立った駅では君はまだ幼くて
ディズニーランドで迷いかけて
私を見つけて半泣きしていた

おとうさんと呼ばれた時代があった
記憶は珠玉でいたましい
せつなく傷 ....
 三時四〇分に目覚め、家業宅へ移動中、雨は降っていなかった。四時半に表に出ると霧雨よりも少し大きめの粒の雨が降っていた。散歩を課していた。雨のため、歩くのをやめるという選択肢もあったが、いくぶん濡れる ....  
 十二月から三月いっぱいは無人駅の除雪作業員として、ごく早朝の勤務があり、あまり深い睡眠を得ることができなかったが、四月に入りそれがなくなり、割とよく眠れているのではないかと思う。
 家業、山 ....
 一日の襞をなぞるように日は翳り、あわただしく光は綴じられていく。
万遍のないあからさまな炎天の午後、しらけきった息、それらが瞬時に夜の物音にくるまれる。光のない世界のなかで、何かを照らすあか ....
地球が終わりの日
外ではモンシロチョウが飛んでいた
私の中ではすべてが終わり
平穏な終焉が訪れようとしていたのだ
何時如何なる場面でも脆く落下しそうな形態で
モンシロチョウは飛んでいた
  ....
蒸す日だった
私たちは山林の中の枯葉の上で
一服をしている
同僚の、ほぼ禿げた頭部が汗に光り
涼風が渡っていく

目の前の葉では
太さ一ミリに満たない、尺取虫が
長い首を伸ばし ....
七さんの山人さんおすすめリスト(75)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
黄砂の朝に- 山人自由詩6*24-3-30
屋台- 山人自由詩5*24-3-19
誕生日- 山人自由詩12*24-2-20
雪の降る、音。- 山人自由詩5+*24-1-15
冬の時計- 山人自由詩12*23-12-19
冬を旅するために- 山人自由詩7*23-11-26
冬の匂い(捨てられた林道で)- 山人自由詩6*23-11-13
十六年ぶりに包丁を買う__冬待ち_二作品- 山人散文(批評 ...9*23-9-14
晩夏- 山人自由詩12*23-8-16
- 山人自由詩13*23-7-5
動けずにいる- 山人自由詩9*23-5-29
夜明け前の朝- 山人自由詩6*23-3-3
美しく雪が降る- 山人自由詩10*23-1-21
蛞蝓と私- 山人自由詩7*23-1-14
善光寺参り- 山人散文(批評 ...4*22-12-4
スズメバチ(SS私小説)- 山人散文(批評 ...1*22-9-21
町のスーパー- 山人自由詩4*22-8-15
山の細道- 山人自由詩6*22-8-10
強い雨の後の曇天- 山人散文(批評 ...5*22-7-23
ネット詩人A- 山人自由詩8*22-6-7
獣臭- 山人散文(批評 ...4*22-6-5
六月- 山人自由詩5*22-6-3
ホオジロと会話した朝- 山人散文(批評 ...3*22-5-8
四月最後の静かな朝- 山人自由詩6*22-4-30
記憶の宝物- 山人自由詩8*22-4-28
残雪の朝に降る霧雨に似た雨- 山人散文(批評 ...2*22-4-22
夜明け前を歩く- 山人散文(批評 ...5*22-4-9
夜_- 山人自由詩5*22-4-2
モンシロチョウ- 山人自由詩3*22-3-31
山林にて_'18/05- 山人自由詩3*22-3-30

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