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おぼろ月の夜
一日のためいきが霧となって森を覆っている
初夏の日差しにうたれた葉は
産毛をひらき 月のひかりを浴びている

森の奥
鼻を濡らした一頭の獣が立つ
におい立つ皮膚に  ....
 頭の中は常に混とんとしている。思考を切り刻んで並べてみれば、なにもさしたる問題はないのかもしれないのだが、何もできないでいる。と言っても、何もしないわけではなく、それなりに勤務仕事に出、家業も請けた .... 世間はみな混沌としていて、自分だけが一匹の名も無い虫のようにぽつねんと枯草の上に立ち尽くしているような、そんな朝である
川は雪代で水量は増し、次の季節を急かすように流れている
雪に抱かれて冬に体を ....
 まったく仕事のない家業の室内で、山に行かない日はひたすらネットフリックスを鑑賞し、厭になると動画サイトを見る、現代詩フォーラムを徘徊し気になる作品にポイントを付与。そのほか、時折自分のための料理を作 .... 恥ずかしくらい若かった
初秋の街角から立ち込める金木犀の香り
今でもその匂いを求めてさまようことがある
その、樹木のある家を見たこともなく
たぶん老人が住んでいたのであろうか
おそらく猫もい ....
朝方は雨に近いみぞれだったが、いつのまにか大粒の牡丹雪となり
真冬のような降りとなっている
誰にけしかけられるでもなく、雪は味気なく空の蓋を開けて降り出したのだ


すべての平面が白く埋め尽 ....
 二月については多くを語ることはできないくらい煩雑で混沌とした月であった。豪雪であり、闘いでもあり、不毛な労働と出費が続いたという形跡がある。だがしかし、本当に雪が多かったが、過去にさかのぼって記憶を .... ヒーターの三時間ごとの自動消火を知らせる音源がまた聞こえている
あれからもう三時間も経ったのだと
日の長くなった乳白色の外を見る
あれをやらなければならない
これもやらなければならないと思って ....
けたたましく暖かくなってきていたここ数日であったが、夜明け前から雪になり、すでに10センチくらいの雪が積もった。

二月は、損しか生まない労働が日々を埋めた。

ここ何回かの休日は、除雪に明け ....
宇宙のひとかけらを持ち帰ることができたような日って何なんだろう、それってどんな風な心境の事を差すんだろう
一筋の光みたいなものが一瞬眉間の端から突き抜けていくようなことがあるんだけれど、そんな感覚な ....
 天気はさほど悪くなく、三日に一度の山スキーが可能な日ではあったが、前回の山行で古傷であった膝の痛みが発症し、さしあたり体を痛める遊びは慎むべきなのではないかと山スキーはやらない日とした。
 ここ一 ....
曇天の上側には太陽があることなんて信じられない。私は朝五時から午後一時までの勤務を終え、こうしてぼんやりと外の曇天を眺めている。曇天には重量があると思っていて、このやるせなさと、なんとはなしの失意感は ....  昔の事というのはひどくキラキラしていて、内臓や脳味噌が泡立つような気持ちになっていた気がする。
 年末から年始にかけてはスキー場に急ぐスキーヤーたちが雪煙を上げながら、山村の県道を疾走していたもの ....
雪明かりの中、ひさしぶりに散歩に出る
獣たちの足跡が点在し、ときどき走っては敵に怯えるように急ぎ足になったり、少ないながらもその痕跡が塗されていた
時折、小声で独り言で事を説明する私は酷く滑稽であ ....
冬のよそよそしさは今に始まったことではなく、そう、僕が少年の頃から冬が生まれて、春になると死んでいった
春になると雪の墓場がそこら中にあふれていて、それすらも五月の若すぎて、痛々しいするどい風にさら ....
 今冬、二度目の除雪をした朝であった。相変わらず重い雪で、スノーダンプには少ししか入れることができない。ただ、一回目の時よりも重くなく、除雪機で難なく飛ばすことができた。
 先月二十九日に事業所を一 ....
マガモがシベリアからやってきてはにぎやかに鳴いている
人造湖に多くの渡り鳥達が群れていた
赤い大きな橋のたもとにあった古い山小屋旅館は解体されて
長い年月に蓋がされた

昨日今日、ほぼ今年最 ....
 九月末にカメムシ防除の消毒をしてもらうのだが、あいかわらず彼らはその予防線を突破し室内に入り込むのである。しかし、彼ら自体の悪臭と薬物の作用でほとんどの単体は家屋に侵入後絶命、若しくは瀕死の状態で仰 ....  目が覚めると異様なほど口中の渇きを感じることがある。一滴ずつ唾液腺から舌で唾液を促し、口中の渇きに唾液を塗りたくる。いったい俺の体はどうなってしまったのだろうか?そんなことを最近感じる。
 鏡の中 ....
 めずらしく熟睡したようで、うっかり二時四十五分の目覚まし時計を停めてしまい、気がついたらすでに三時を過ぎていた。あたふたと準備をし、食後に飲む薬をポケットに忍ばせ、慌てて大便をする。洗顔、寝起きのス ....  たしか午前一時半ごろであっただろうか、稲光りとともに強い雨と強烈な尿意で目が覚めた。
 昨晩は客の膳が遅くなり、床に入ったのは八時半ごろであった。まさか一時半から起きるわけにもいかず、少しでも眠れ ....
 朝からむっとした湿度を感じていた。汗が出るか出ないかの瀬戸際の不快感と、速乾性のフィットした肌着が体に食いつき、不快感の相乗効果を呈していた。
 昨日、家業は妻に頼み、登山道除草の三つ目の山域にか ....
読点の無い散文詩のように
ひたすら遠くへ限りなく続くかのような山道を刈る
それは、その行為はいったい何なんだろうと
我ながら思ってしまう
幼い自分、青年期の自分、雑多な怨念、過去の病的な行いや ....
 腰は骨を再生でもしない限り良くはならない。だが、ここのところストレッチなどで腰痛はほぼ無い状態と言える。つまり、私は連日勤務で森に分け入っている。山林の灌木や小径木を刈り払っていく除伐と呼ばれる作業 .... 張り裂けた夏の青空の向こうから
ミンミンゼミの声がしている
エアコンの水滴が窓の外側に滴り落ちて
きっと外はまだ暑い

小さな町の病院の診察室で
まるで終わりの始まりのような説明を受けてい ....
 ポットから熱い湯を注ぎ、インスタントコーヒーを啜る。ここ数日カルキ臭がする。とくに体がコーヒーの苦みを欲しているわけでもなく、便通を促すためだけに口にする処方薬のような感覚だ。疲れた時、インスタント .... 梅雨の明けない早朝、雨は少し降っていて
私は散歩するのをやめていた
できれば行きたくないな
という気持ちを後押しするように、小雨ではあるが
雨はひび割れたアスファルトに落ちていた
ふと昨日の ....
未だ幼木の胡桃の木の後ろには籾乾燥施設があって
霧はそれらを囲むように包んでいる

疲労という疲労は
体のあちこちに固形物のようにしこりとなってとどまり続け
筋肉や腱を蝕んでいるような気がす ....
一匹のイワシが大海の中で、何かを思考しながら泳いでいる
あまりにも複雑な海の水はとても塩辛くて、飲んでは吐き
体内をおどるように走る塩辛さに眉をひそめながら
それでも彼は泳ぎ続けるのだ
まがい ....
耳をすませたことがある
遠い宇宙のささやきだった気がして
ふと星々が混雑した夜空は
まるでにぎやかな物の怪のいない屋台村のようで
深々と夜はふけ
いたずらに星々はふるえていた

家の傍に ....
七さんの山人さんおすすめリスト(104)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
闇の獣- 山人自由詩7*25-5-25
味気ない朝- 山人散文(批評 ...7*25-5-12
一匹の虫のように(四月最後の日に)- 山人自由詩5*25-4-30
物語は終わり、別な物語がまた始まる- 山人散文(批評 ...8*25-4-20
金木犀- 山人自由詩13*25-4-11
初雪- 山人自由詩11*25-4-3
冬が終わり現実の春が来る- 山人散文(批評 ...5*25-3-20
十六時- 山人自由詩11*25-3-19
休日- 山人自由詩11*25-3-3
冬はまだ続くみたいだ- 山人自由詩9*25-2-17
なごり雪のような雪が舞う真冬のとある日曜日- 山人散文(批評 ...5*25-2-1
曇天の重量- 山人自由詩15*25-1-24
冬の静けさ- 山人自由詩6*25-1-8
冬のにおい- 山人自由詩19*24-12-31
もうひとつの越冬- 山人自由詩7*24-12-23
冬の思い出- 山人散文(批評 ...3*24-12-7
初冬の夕刻- 山人自由詩15*24-11-24
越冬- 山人散文(批評 ...6+*24-11-2
疎林- 山人自由詩10*24-10-11
二〇二四年九月二十八日- 山人散文(批評 ...4*24-9-29
夜明け前の雷雨- 山人散文(批評 ...5*24-9-19
午後からの雨- 山人散文(批評 ...4*24-9-15
のびやかに九月は流れていた- 山人自由詩10*24-9-9
それでも私は山に向かう- 山人散文(批評 ...6*24-8-31
午後4時- 山人自由詩6*24-8-20
初秋- 山人散文(批評 ...6*24-8-12
ハナアブ- 山人自由詩9*24-7-17
霧の朝- 山人自由詩11*24-7-2
群れ- 山人自由詩9*24-5-11
黄砂の朝に- 山人自由詩5*24-3-30

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