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青空が広がり
底無しの彼方が口を開く

眩暈する、
シンギュラリティが地平に

(ああ、右手の老婆と左手の子供
ハンドルをどちらかに切らなければならないとしたら?)

海百合が揺れ
 ....
時折
君の身体から星が発生した
君はいつもそれを
無造作に僕にくれた
――君は星が好きだから
そう云って微笑っていた

何故身体から星が発生するのか
君自身も知らなかった
――何故だ ....
嘘が本当を含んでいた

感情論に任せた自らを責めても
雪は降り積もる

白い世界に
雑言ぽつり

(この雪が根雪になればいいのに)

嘘に蓋をして
忘れた頃に芽吹く
泥にまみれ ....
  一


写真におさまる声はないのに
いつまでも聴こえてくる
花がひらく唄
雲がきえる叫び
沖にとどろく神なり
それから、あなたの唇のネガ

どれもいまは違うものになって
どこ ....
長い眠りのあとで
あれは祈りだった

あれは、
ふるく、弱く、新しく、ふるえて、断固として、長く、みじかく、とおく、ごく近く、ギターのようで、空のようで、波打ち際で、空洞で、退屈で、さわが ....
二〇一八年十二月一日 「詩」


 若いときに書いたものを、文学極道の詩投稿掲示板に投稿した。30代だったろうか。はてさて40代か。ぼくは、自分のすべての作品を一つのストーリーにまとめよ ....
高くて、広くて、硬くて
人工美にかこまれ
あなたがつかむもの
さめない夢

甘くて、柔くて、叫ばない
つるされた肉片
あなたがかむもの
人工の夜

空へと指をひろげる
人もまたひ ....
やわらかい土に落ちた
家の影に
夜明けの前からやって来た
霜柱が永らえる。

昇った蔓が
黄色に朽ちて、
這われた街路樹は
もう葉っぱを落として
とっくに裸になっていた。

揺れ ....
手のひらにすっぽり
おさまった石
しばらく握りしめていた
握るものがあるだけで
力をぐっと込められた

あなたに渡すと
温かいと言う
返してもらうと
たしかに温かい

わたしの手 ....
月までの
長い階段を
上ってる
永遠みたいな
道のり

階段端で
休んでいると
月側から下りてきた
子供が隣に座る

何も言わずに
じっと私を見てる

腕時計を外して
 ....
二〇一八年十一月一日 「現実」


 現実はきびしいね。だけど、がんばろう。がんばる仲間がいれば、だいじょうぶ。


二〇一八年十一月二日 「考察」


ぼくというものを媒体として、 ....
猫。いのちのぬすびと。天秤をゆらす。無邪
気な狩人。爪をひそめ。音をひそめ。夜走す
る獣。ちいさくて幸い
蜘蛛。お寺のお裏に住むおとな。かわいた唇
で咬む。純真で多淫。空洞をゆるさぬ観測手。
 ....
かまぼこのカーブはいつまで美しいだろうか

遠くに霞んでいるトンネルの入り口
小雨が降りはじめ暗い匂いがする 
黒く濡れた何かが静かに入ってくる

そんな車からさっと降りた
姉さんは真っ ....
浅瀬で溺れるわたしたちが
いつか 深く
息をできるように
重いぬかるみを這ってさ
乾いて 乾いて
流した涙が
日々を伝い 夢を伝い
川になったとき
この体がいるのは
優しい  ....
二〇一八年十月一日 「楽しくくたばれ!」


楽しくくたばれ!


二〇一八年十月二日 「断片」


 ぼくは何も言わなかった。ひと言も口にすることができなかった。何
を、どう言 ....
二〇一八年九月一日 「葉山美玖さん」


 葉山美玖さんから、小説『籠の鳥 JAILBIRD』を送っていただいた。クリニックに通う女の子の成長物語だ。会話部分が多くて、さいきん余白の少ない目詰ま ....
跳びはねる
君のちいさな掌のくぼんだ池から


跳びはねる
その透明な小魚たちのまだ汚れていないが


跳びはねる
雲間からひろがってゆく青空と太陽にむかって


跳びはねる
 ....
きみがとつぜん
海がみたいと言ったから

 きっと寒いよ?と言ったのに
 小さく あったかいよと言い返されたから

ひとのいない砂浜が
どこまでも続いている

 どこまで行くの?と聞 ....
またも
命の終わりを
確かめないまま
次元を移り
確かでないまま
始まっているその生

大きな樹木の
枝分かれの先
枝先どうしは
互いを知らない

ある枝が死んでも
 ....
二〇一八年八月一日 「どくろ杯」


 いま日知庵から帰った。帰りに、セブイレで、きんつばと、玄米茶を買った。寝るまえの読書は、なんにしようかな。きょうのお昼には、金子光晴の『どくろ杯』のつ ....
ちいさな、迷いの、
みえない、
硬い、戸惑いのプラスチックを、
決断の、とがらせた指さきで、
突きやぶって、
それから、送信の、まるで火災報知機のボタンを、
ほんとうに、
押してしまった ....
穂渡りの君が
口笛を吹く

錦糸町にお蚕さんの面影を重ねてみる
ほら
そんなふうに季節を忘れた町に
探している何かを求めている
探している


穂渡りの君が
嘘をつく

 ....
白い波頭が押し寄せ
次から次に押し寄せ
崩れ去ってゆく
跡形もなく

私たちは 私たちは
何処から来て何処へ去るのだろう?

白い波頭が押し寄せ
次から次に押し寄せ




 ....
二〇一八年五月一日 「迷惑メール」


 迷惑メールが何通もくるのだけれど、いま見たら、「ワンナイトラブでかまいません。」と書いて、女の名前で書き込んであるの。笑っちゃった。こんなメールに返 ....
寒さがやさしく悪さして
濃い霧がおおっていた

蜂のくびれにも似た時の斜交い
あの見えざる空ろへ
生は 一連の真砂のきらめきか

四つの季節ではなく
四つの変貌の頂きを有する女神の
 ....

僕たちの半分は 燃え残り
がらくたを 集めはじめた
不完全なまま 笑ったり
食べたり 愛した

頂点の すこしだけ手前で
自我をもった がらくたが
誰かのかわりに 泣きはじめた ....
二〇一八年四月一日 「孤独の円盤」


 きょうから河出書房新社の奇想コレクションシリーズの第2弾、シオドア・スタージョンの『不思議のひと触れ』憶えているのは、異色作家短篇集の『一角獣・多角 ....
洗濯物が溜まるので
夕方まで洗濯機を回す
(日差しが格別透き通る日
 遠くを選挙カーが通る)
乾燥まで回すと
匂いがちょっと嫌なので
乾燥かけず外に干す
外はもうすっかり暗いので
夜空 ....
大通公園の花壇に面した歩道の脇にしゃがみこんでいたおれの前に男は
白昼、立ち止まり、コートのポケットからスマートフォンを取り出しておれに
差し出した。おれは手を伸ばして薄いそれを受け取った
傍ら ....
二〇一八年三月一日 「ぼくは、あなたの大きなおっぱいで終わりました。」


 きょうも寝るまえの読書は、チャールズ・ボーモントの短篇集『夜の旅その他の旅』のつづき。なんか40年とか50年まえの小 ....
七さんの自由詩おすすめリスト(1322)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
謹賀新年、おめでとう(一つの見取り図)- ひだかた ...自由詩9*22-1-1
星_座- 塔野夏子自由詩18*22-1-1
根雪- TwoRivers自由詩8*21-12-30
写真_二篇- soft_machine自由詩221-12-27
眠り- はるな自由詩421-12-27
詩の日めくり_二〇一八年十二月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩14*21-12-27
夜々- soft_machine自由詩5*21-12-24
動かない旅路- asagohan自由詩3*21-12-22
手のひらの石- 木屋 亞 ...自由詩4*21-12-21
panorama- mizunomadoka自由詩1521-12-20
詩の日めくり_二〇一八年十一月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩12*21-12-20
未図鑑- soft_machine自由詩421-12-19
運動_それから- ふるる自由詩1021-12-18
青空- はるな自由詩721-12-17
詩の日めくり_二〇一八年十月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩12*21-12-13
詩の日めくり_二〇一八年九月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩14*21-12-6
あまだれ- 本田憲嵩自由詩521-12-5
「海に行こうと思ったのは」- ベンジャ ...自由詩11*21-12-5
大樹の枝先- シホ.N自由詩221-12-4
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洗濯物が溜まるので- オイタル自由詩8*21-11-1
まンりき- ゼッケン自由詩521-11-1
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