すべてのおすすめ
君は正座をしながら
アイロンをかけている
脂っこいものや甘いものを
食べ過ぎてはだめ
そうやってしわを伸ばしていく
部屋を出るときは
必ず鍵をかけてね
そうやって生地を裏返す
平積みに ....
手のひらに乗るような今日
ニュース垂れ流し
季節はずれの雪
できなかったお花見
デリートキーが消耗
立ち止まれない、
色とりどりのマスク
冬物十割引
道ゆく手荒れ
傷のないランド ....
家に帰ってきたお父ちゃんが
おまんこしか言わなくなった
昨日まで真面目な人だったのに
でもそういうこともあるのかなと思った
人間いろんな面があるし
急に別の面が顔を出してもおかしくはない
....
花が咲いていた
透明な花だった
不安げに 宙を見つめて
静かに淡く咲いていた
その花を殺すために
私は今も生き続けている
毎日を 拾い集めて
私は今も生き続けている
音 ....
話して 話しつづけて
話しても仕方の無いことを
病院の屋上から見えるもの
遊ぶ犬たちのことや
食べられてしまった飼い兎のこと
売薬の無駄遣いで喧嘩しても すぐにほぐれて
直らない足の痛痺れ ....
じっと海中を見つめ
掴み上げるその指先から
海があふれ
魚が泳いでいく
じっと海中を見つめ
掴みかかるその魚の輪郭に
無数の影が拡がる
走っていく
指先が輪郭に触れ ....
*
芝生の上で
むっくり起き上がる
一枚の落ち葉
長い間のしかかっていた重しが消え
身体も乾いた
深呼吸すると
葉脈の透けた胸にも
風が流れ込んでくる
もう一 ....
風、が
向こうの山から降りてきて
体を抜けて
そしてまたあっちに流れてく
風の粒、のなかに
きっかけは無かった
駅も、バス停もない
親だけが、年を取ってる気がしていた ....
兵隊蟻の隊列
ポテトチップスの欠片
吹く風、生暖かく
蹴散らせ!踏み潰せ!
整然とした生の営み
獰猛な死への傾き
俺は天を仰ぐ
二本の巨人の足となり
口だけじゃんと言われても、何度も、何度でも
1
祈りを忘れてしまう夜がいくつもあります
誰かが亡くなったことを耳にしない日はないというのに
ハンバーガーを食べながら
我が ....
水に濡れたまま
雨にうたれている
妻が傘の下からタオルをくれる
いくら拭いても
濡れタオルだけが増えていく
妻は可愛い人
こんな時でも傘には入れてくれない
濡れタオル屋でもや ....
窓の外に友人がいた
多分、窓などなかったのだ
お茶菓子も随分と出さなかったが
窓がなかったのだから
とても気は楽になっていく
何がそんなに友人なのだろう
適度なりに酒を酌み交わ ....
消え入りそうだったんだ
夜明け前に
悪夢で目覚めると
孤立に窒息して
消え入りそうだったんだ
そんなとき
何気なく手を差し伸べてくれる隣人が居た
「水が欲しいんだろ」
って、ト ....
小学校にうさぎ小屋があった時代、少女していた。
アニメーションキャラクターに似せた前髪、宝箱で溶けてく紙せっけん。
春生まれは生まれつき体が咲いている。蕾んでる時間もなく滲んでて、体はいそ ....
引き出しの中にも眠る
掬われないまりうすの舵
印影の消えた朱肉をいつまでもはなさない
無駄に広がる玄関の扉開けば山河原の礎石が
角松と放置されたここには誰も居ないという証なのだ
盥いっぱ ....
{引用=
どうすればいいのか
わからない
貝の中で
泣いていた
日
それから
いちど海がかれて
空がおちて
ながくもないとしつきを
二億年と少しへだてて
....
25
さよならさえも言えない
あの人は
何と戦っていると言うんだろう
その瞳に映る空には
青
が見えない
26
どこまでも続きそうなきれいな道路を走る
ど ....
君の顔が懐かしくなる
静謐な冬の午後三時
僕は最寄りのコンビニで
アイスコーヒーを飲んでいる
誰も居ないイートインに
西陽が優しく射し込んで
無数の影が踊っている
自分の影もその内に ....
13
ぼくのこころは
ふ
ってはずれて
べっくうさんやのほうに
ぷかり ぷかり
とんでった
14
喧嘩太鼓の音に
いくつもの魂がひとつになって
一際高 ....
1
毎年この日の夜には
上原君の星が話しかけてくるはずなのに
今年は何も聞こえてこなくて
見上げても光が揺れることもなく
なあ、もう忘れちゃうよ
と、小さく嘘をついてみた ....
1
コミケの意味さえも知らずに、そこでは生身
のラムちゃんが見れると聞いたのもので。中
味も知らない冊子を所定の場所にドンと置く
と、待ってましたとばかりに、とは言え、一
言 ....
家に帰ると
母がひとり
猫背になって
ゲームをしていた
昔
この部屋に
子供が集まって
みんなでゲームをしていたなって
なんとなく思い出し
急に泣きたくなった
見えていないから指先に触れて
輪郭を描く
知りえないものを
自明と思い込み
書き足さなければならない線など
もうないと
絵の具を塗る
好きな色
みなさんにお馴染みの色
私だけに
見 ....
けんけんぱらん
けんぱらん
みぞれ落つ昼
とんとんとんとんとん
だれもいないやね走る
甘いお茶
ちっとも
おもしろくない午後だったのに
いま ....
いもうとがきらきらした布に縺れて笑っている。わたしの知らない時間を束ねて。むかしのはなしをしよう、と言って連れ出した、四十分も無言で歩いて、ぐったりしたわたしをよそに笑っている。いもうとは清潔な幻 ....
雪のことを知っていますか。「誤解しないでくれ」と言っていた海賊とは無事に地獄で会えましたか。こちらはもうすぐふぶきです。海に降る雪が紙吹雪のようなのと、あなたは言っていましたね。紅白の小林幸子をいつも ....
中村くんとは小学二年のクラス替えのときに出会った
中村くんは絵の天才だった
井の頭公園で学年写生大会があった時に描いた彼の孔雀の絵
僕はそれを観せてもらって圧倒された
画用紙から今にも跳び出し ....
{画像=191217132857.jpg}
{引用=
例によって言葉+イラストの組み合わせで詩をつくる試みです。題名も作品のうちになっております。
題名の役割は、昔は単なるラベル、中身の ....
本名も知らない男に胸を揉まれてる間
スタバの新作フラペチーノのことを考えていた
チョコレート味の氷に
粉々のクッキーがまぶしてあって
ホイップクリームがたっぷり絞ってある
とても美味しそ ....
バスを待っていると
昨年死んだお父さんが縄をもってやってきた
電車ごっこの相手を探していると言う
せっかくだから車掌をやることにした
もともと小さいお父さんは
死ぬ前にさらに小さくなった ....
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