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うすい影がゆれている

くちばしで
虫をついばむのだけど
やわらかな影であるから
獲物はするりと逃げてしまう
 {引用=命でなくなったものは
もう命には触れることができない}
それでも ....
      裏庭に面した
   ガラス戸をあけると
冬のあいだ 我慢していた
   レィスのカァテンが
    待ちわびたように
 それは見事な波を創って
        (そして
   ....
日射しにぬるむ木蔭に焼かれた
横たわるしろい肌
くるぶしを舐める犬の舌のざらつき
渇いていく唾液とこぼれる光は
すこやかにまざるばかりで手放しかたを忘れながら
あたまをなぜてやる

季節 ....
ふたつの気持ちが重なって
消えてしまうことは
よくあることで
ガロイ先輩の
割れないたまご理論と
チブラさんの
割れるたまご理論と
のあいだで僕は
ふたりのたまごをあたためていた

 ....
    いつの間にやら
      できていた
    玄関先は・・・
 
    冷たくなってる
      コンクリに

    曲がりくねった
     割れ目が二本
 蟻の棲 ....
 ブランコや滑り台やら
   ジャングルジムが

    さつきのひかり
      フルにうけ
    子すずめたちに
      よびかける

ひなたぽっこにおいでょ
      ....
廃屋になっているのに
ばらの蔓が家中を取り巻いて
賑やかに花を咲かせているのでしょう

公園では透明な子どもたちが
鎖の浮き出たぶらんこで遊びながら
漂う香りをぱくぱく食べています

 ....
さて今日も花が咲き
往来はあざやかな灰色
卵を割る指に思いが絡まって

( )

シャツを洗い シーツを洗い くつ下を洗い
はがれ落ちる自意識をかき集めてくり返し洗い
 ....
       うれしいよぅで
       あわれのよぅな
卒寿を過ぎた おひとりさまは

 手足を動かす 園児のよぅに
      (わが子か 孫にも
        等しい年代の
 ....
台所の窓辺に
葱だけが青々と伸びている
ほかの葉っぱたちは項垂れて
もう死にますと言わんばかり
葱だけが青く真っすぐ伸びて
葱好きではないけれど
すこし 
刻んでみたくなり 
ぱらりと ....
あのときのあこがれが
いつの間にか
ふりかえる場所にいる

今年も何事もなく
君の季節が
通り過ぎてゆく


知らずに
とは
言ってられない国になってゆくから
少しだけでも
 ....
内なる外が押し寄せて来る
外なる内が押し寄せて来る

誰もいない、繋がりはない 
白い空間奥まる深夜
圧迫され窒息する
深みへ奈落へ落ちてゆく
(揺れ震える肉の魂)
ぬらりと赤い舌に呑 ....
ひなげし 石ころ 傷んだ人参
これがちかごろのわたしだ
とにかくこのゆがんだ町から出るには
靴をはかなければならない
戻ろうとふりむけば世界じゅうの鈴がなるし、
出したはずの手紙で抽斗が ....
いつも日没は反覆だった


ごみ箱に弁当の中身を捨てる
箱の中
散らばった白飯が造花のように咲き
今朝解凍された惣菜がぽろぽろと転がる
(それだけしかないから)
誰にも見つからない ....
[line]

彼女が不可思議な行動を見せるようになったのは僕たちが同棲をはじめてから数ヶ月ほど経ったころだった。ある朝、肌を逆撫でるような寒気に目を覚ますと、あけっぴろげにされた窓からあざやかに ....
落ちた

りんごを拾うように

貝殻を拾うように

首を少しかしげてから

すくめるように

泣きながら寝るように

紅いほっぺたのように



文学なんてなかったころ ....
よるになると
ぴい、と音が鳴る
この部屋のどこからか
耳を澄ませる
出どころを
さがしあてようと
眼をつむり
耳だけになってみる
飼ったはずはない
けれどそれは
とりのこえに似てい ....
あかいあまいつぶつぶを
丸のまま吞み下したみたい
骨と皮だけの人たちが
剥き出す前歯と目玉
何かを食べているらしいのに
ぜんぜん美味しそうじゃない

地獄絵図の真ん中では
「こわくない ....
原人を教えてくれと
どっかで声がした
ジャワ原人と声がする
待ってくれノートに書くからと
また声がする

ここはどこかと思えば
高校の教室の歴史の授業中
そんなわけはなくて
リハビリ ....
ゆめの在りようを忙しなく描いては
愛おしく汚れて色付く指指
あたしたちは性懲りもなくなんども見つめあっては
数秒ずつの恋を終える

この世の輪切りを飾って悦に入るなよ
どんな隙間にも羽 ....
バイクのエンジンオイルを
そろそろ交換しようかと
久しぶりに別れた元夫から
連絡があったので
冬の晴れた日曜日に
前住んでた家の
近くの公園へと
バイクを走らせた

公園では野球少年 ....
高級カタログで見た望遠カメラ
小田急線で持っている人を見かけて
少しだけ羨ましかった

ある日 望遠カメラをくれるという人が現れて
私は有頂天で貰い受けた

ピントの合わせ方も ....
          {引用=

 (君、あの鞄は君に似合うが荷物になるかもしれない。
 (なぜなら、荷物とわかるには一度持ってみなけりゃわからない。
 (鞄がお荷物とわかったならばただのクズだ ....
北へ

 南へ行こうと思う
 さよならと
 背を向けて



        梅林

         もう一度振り返ると
         梅の花にも似合わぬ
        ....
底辺の突端で
まいしんしけるは
てゆりんのはまのね
寄せては返す波
もみもまれ
もまれもみもみ
もみもみはまれなり
もまれまもうしるけんは
しんけい
さいぼう
たいりょくの三拍子
 ....
男二人抱えて
車に乗せる
一人は助手席でもう一人は後ろに
アタシはマントをドアに挟まないように
素早く手のひらにおさめる
全力アクセルであのいつもの坂をゆく
と同時にドリフトで着地する ....
富士は日本をしたがえて

フルスイングする屹立だ

ぼくは涙をしたがえて

外灯もゴッホの星月夜

富士は地球をしたがえて

フルスイングする精密だ


ぼくらは今夜宇宙の片 ....
糖蜜工場が爆発したことによって
甘い蜜たちが
静かに街を流れ出しました
その粘度たるや
もう人の手にはおえない類のものです
アスファルトの上の蜜はそのまま冷えて固いかさぶたとなり
土の上の ....
照るもる
本懐セルカ試合
もうてんの
ぱっついちのちの
本懐セルカ試合
らーめん
チャーハン
餃子の安穏
経て経て
のいちのやりとり
それがにちにち
じゅうねん
にじゅうねん
 ....
ゆめで会いにくるくまたちがほんとに好き
ないものをもっていて
あるものは置いてくるから

蝶蝶りるりる鳴いて、
ここはまだゆめなのだとおもったとき
わたしの足はまだらでした
嘘とほん ....
七さんの自由詩おすすめリスト(1187)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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はれるや- 次代作吾自由詩417-1-30
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