嫌っていたものの中で暮らしている

これって
皮肉っていうんだろうか
もう
どうでもよくなっている
拘っても
嫌がっても
どうしようもなく受け入れなくてはならないことがあるから

 ....
みどり色の通帳を持って
図書館の入り口が窓口の
こども銀行

わたしはいつも
青いお札だった

毎回
千円を積む子は
社長の息子

せんせいを
ママと
まちがえて呼んだ

 ....
あしたも
そのあしたも来るということを
簡単に信じちゃ
いけなかった

その言葉は
重ねた過去からの
甘い憶測で
あしたが今日までと変わらないなど
保障されない

懐かしさは
 ....
あした
死刑を待つような気分の夜をあきらめて
もう死んでもいいやと
睡魔に身をゆだねる
いくつも死んでいるはずなのに
あしたも
そのあしたも生きている

分厚い小説の
だらだらとした ....
残念なのは
黒電話の
権利を持てない
プッシュ回線の我が家であったこと

麹に漬かりすぎた
茄子やらかぶたち
もうすぐ
病人がやってくる

母が苦労したのは
四十後半
わたしは ....
さよなら
わたしの一日よ

結婚しているので
恋愛もできません
そんな人たちばかりです

ぼろの雑巾になるまで
それが
この国です
「私大変なの。」
「だけど、あなたも大変ね。」と
言うことにします

「お前も大変なんだね。」
「俺もだよ。」と
必ず後につける

なんだかそういうの嫌だから
生きている間に
夜行列車で
紺色の夜が明けてゆくところを
見てみたい

生きている間に
見られるだろうか

生きている間に
絶対にこれだけはやる
ということ
はやくみつけておこう ....
きょうは
やけに電話が鳴り
訪問者が多かった

以前に
外構の見積もりをお願いした人が尋ねてきたとき
早く工事をお願いしたいのだけど
いろいろと
入用があって
それに
今度親がいっ ....
ロンドン二階建てバスが
あまりに堂々と通ろうとするから
止めてやりました
乗客も警察も私が異常者だと思うでしょう
私が乗客なら
そう思うかもしれない
聞いてみないと分からない
話さないと ....
萎れて帰る我が家の庭に
散ることのない
名も知らぬ紅のもみじ

さわさわ揺れて
ただ
さわさわと揺れて

それは母の
贈りもの

この言葉のどれも
そのもみじを見るわたしのここ ....
外の水道が壊れて
水しぶきをあげているのを見て
世界が水没するような恐怖に襲われたんだよ

まだ小学生だったからね

空に大きなヘリコプターが来て
そこから平隊服の人が降りてきて
この ....
切れた小指もそのままにして
向かった先の
目の前の人の名前が思い出せない

違う名前が頭を占領して
本当の名前がその下に隠れている

脳内では
働き手の高齢化で仕事の進みが好くない
 ....
醤油が
涙の味に思えて
よく考えたらそれは
だしつゆで
涙には
だしがきいているのだと
気がついたわけだ


だしつゆかけて
菜の花を茹でて食べた

しばらく泣いていないので
 ....
あと
十年ぐらいしたら
誰にも咎められないだろうと思うけど

それじゃ
いまの気持ちがかわいそう

家出してみたくなった

誰でもない人は
つまりは
誰からも護られないのです
 ....
それはあらゆる菌の成長を
促すだけ促しておいて
後で殺すための
湿ったせかい

何か作用している
眼に見えない
空気中の
地中の
水中の

死ぬか生きるか迫られたら
他の事なん ....
キャベツの葉っぱの間に挟まって
寝てるから
用があるなら
モンシロチョウに訊いて

なんとなく
そこなら
よく眠れて
いい夢が見られそうだし

人間はもう
いいわ
軽いけど水み ....
105円で
たいていのものをそろえられる

紫色の穴あけパンチだって買える
うれしい

相談者はほしいけど
この歳で
「お友達」なんていらない

そうでしょう?
ダーリン。

 ....
寝不足で
車の中で寝てしまった
倒れかけて目覚める
哀れな姿

明日のために
義理を立て
今日の自分のために
美味しい物は
隠れて

ずいぶんと
遠慮がちにしていたから
友達 ....
夜道に影ができて
月が出ていることに気づく
私が見ている月
月も
私を見ていた

気がした
哀しい
哀しい気がしているだけ
疲れた
それは気のせいじゃないけど

自分のために
 ....
雨がつづいて
あきちゃった


藤も観に行けない
菖蒲も観に行けない




借金ばかり



お母さん


遠分
そっちには
帰んないから
死んだかと思ったでんでん虫が
生きていて
家の壁に這っていた

脱皮したのか
少し大きくなっていた
気がした

殻のおくで
じっと
この季節を待っていたんだ
殻が壊れなくてよかっ ....
雨ばかり

雨計り

雨 ばか り


雨にぬれた自転車はかわいそう

首をまげて耐えている

でも

道のわきに捨てられた自転車は

ずっと

横倒しのままで

 ....
ゴムまりで遊んだこと
ある?

今のゴムまりって
透明できれい
ハリがあって
つかむと気持ちいいね

こんなおっぱいだったらいいなぁ


遊びすぎたのかな
元気がない
わたし ....
もう二週間も風邪を飼っています
金柑の蜂蜜漬けをなめながら
喉を宥めたい希望も
親もなければ
金もないので 叶わず
神様に祈るのは
私の所為で
駄目になりませぬよう に

月は
減 ....
嗚呼もう
栗の花が咲く時期なんだろうか さくらは
もう終わったんだっけ
そう 5月だ
鯉のぼりも しまう日
四十を前にして
耄碌したものだ
お弁当を忘れたのも
あさってに気づく
たと ....
じっとしていても
じりじり
お金は差引かれていくのです

今夜は
月明かりがないから
パソコンの画面がいちだんと
眼に刺さります

こんなに
慎ましく暮らすわたしのことを
少しで ....
「早く帰りたい」

ここは家だが
どこに帰りたいのか

わたしの帰りたい場所は
どこなんだ

水を一杯飲み干して
煙草を一本吹かしても
帰りたいところが思い出せない

ふとんに ....
ばかで
申し訳ないので
「ありがとうございます」
と言う
取るに足らないことでも
わたしに関わってくれたことに
「ありがとうございます」

煩わして
申し訳ないので
「ごめんなさい ....
私は料理が苦手ですと
胸を張って言えない世の中で
胸を張ると
偉そうに見えるので
それだけで
パスされてしまうので
お嫁さんになど
ならなければよかったかなと思いました
それさえ
認 ....
蒼木りん(846)
タイトル カテゴリ Point 日付
抹殺未詩・独白206/6/10 0:02
こども銀行未詩・独白106/6/9 0:31
ねむりひめ未詩・独白206/6/3 23:42
猿の惑星未詩・独白206/6/1 23:59
一億円未詩・独白006/6/1 14:17
ぞうきん未詩・独白106/5/30 23:48
重点未詩・独白206/5/30 0:54
生きている間未詩・独白006/5/28 21:54
体温未詩・独白406/5/27 22:27
ロンドンバスのバカ未詩・独白0*06/5/26 22:39
散らぬ未詩・独白206/5/24 22:32
りある未詩・独白306/5/23 23:56
きれる未詩・独白006/5/23 0:22
だし未詩・独白406/5/22 23:32
あやめ未詩・独白106/5/18 23:42
なめ未詩・独白206/5/18 0:28
つゆ未詩・独白406/5/17 0:20
そんな誤解未詩・独白206/5/13 22:16
入眠前未詩・独白206/5/13 0:40
未詩・独白406/5/12 0:43
あめ携帯写真+ ...206/5/10 8:43
駄目女とでんでん無視未詩・独白106/5/10 0:27
雨ばかり未詩・独白2*06/5/10 0:05
わたしのまりちゃん未詩・独白206/5/9 17:32
口にしない言葉未詩・独白306/5/6 23:09
こよみ 皐月未詩・独白106/5/6 22:29
じりじり未詩・独白106/5/3 21:15
帰りたいところ未詩・独白106/5/1 23:11
もう「ごめんなさい」と言いたくない未詩・独白606/5/1 10:24
ホットケーキ未詩・独白206/4/27 23:36

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 
0.1sec.