たとえば 

いま抱えている自分と他人の関係について
どうにも腑に落ちないこと
それを 
はっきりと確認しないまま時に流されること幾久しく
その無念さといったら
一生の三分の一を無駄にし ....
賽ほどの欠片を
銀のフォークですくい取り
口に含ませ
乳臭さと緑の苦さを舌の上にひろげる
果実を浸けた酒を
少量流し込み
絶妙の味覚を堪能
欲していた分だけの
至福

肉が食べたく ....
水平線の空の向こう

遠くの遠くの山向こう

微かに明るいのは

大火事ですか

それとも戦争

ああ

街の明かり

ずいぶん大きな街ですね

あれが『東京』って云う ....
あんたの言葉 わかんねぇ

あんたの大事 わかんねぇ

なにがいいのか

わかんねぇ

拘る意味が

わかんねぇ

まったく さっぱり 

わかんねえー!

あたしが  ....
この町の美化のために みんなの友情のために

コスモス堤防を作ろう


そうだ
夏前だったんだと思う
一人一本ずつ一列に並んでコスモスの苗を堤防の上に植えた

秋には
風に波打つよ ....
ひとつの大きな箱に
丁寧に整理して 


いつまでも
持ってゆこうと思うんだ


たくさんでもないけれど


だって
たった 4年だもの


そういえば
この車も ぬい ....
四日間
昼も夜も流されていった
誰の目にも触れずに
ぼくの姿は水の中
ビニールでもなければ
人形でもない

痛くても生きていたかった
怖くても待っていた

どこにも行くところがなか ....
A型の彼女や彼にとっては大事な 
10円 20円の差が
1秒 2秒の差が
私には別に気にならなくて

ただ

私の中では量りかねるところにいる
彼女や彼がいてくれるお陰で
筋が通らな ....
変わり果てた幼い子供の
検死解剖のあと
きれいに拭いて
裸に服を着せたのは誰ですか


泣きましたか


止めていますか


目の前にある


それは


ただ目の ....
男が
いやらしさを見せ始めたと
敏感になる

嫌悪の前触れかもしれない
そう思い始めると
男にとっては悲劇だ

私の中で感じてきた
多くの男の性ともいえる 
類似するいやらしさ
 ....
焼き鳥の大蒜が
半生だったのか
食べると
中心が苦くて
口の中がすこし
痺れている

口の周りが
大蒜エキスとたれでベタつくので
ぬぐい取りたい

なんだか
この味と匂いで
 ....
報道関係者 照明機材 中継車 忙しなく出入りする 
逐一携帯で話す 
身分証明を首から提げた 異質者たち
捜索隊のバスは連なって 
無言で帰る 


小さな手を
つないだ手を ぎゅっと ....
秋刀魚のはらわたの味を思い出し

それはやはり

新米ではなく一年置いた白米ご飯

ほくほくと温かい甘みを堪能

秋刀魚の皮は青銀色に光るけれど

焼くと金色も加わる箔になる

 ....
三くちめの酒が血液を消毒してゆく

鼓動とともに

先端まで廻ってゆく

私の血は

ずいぶんと汚れていたのだろうか

滲みる

私に合う薬はこれなのだろう

蒼い炎で燃え ....
虹の下をくぐり抜けてしまったよ

いま
気がついたんだ
願い事が叶っていたことに

ありがとう
願い事が叶ったら
それでお終いじゃないんだね

だって
いまは虹の向こう側
色の ....
とても不思議なのだけれど

秋の蟋蟀や鈴虫のように 
羽で鳴く虫の
あの艶やかな音は
なぜにあんなに高く響くのだろう

あんなに小さな
触れれば儚げな羽なのに
擦り合わせて出す音の仕 ....
25時になるよ

泣いてしまいそう

もう

今日を閉めなければ


今朝のニュース
殺された子
慟哭する父親
崩れる母親

私も泣いた
ティッシュで鼻水拭いた


 ....
米の粒が 口の中で踊る

舌の上で散らばる

噛み応えのある 少し硬めの粘り

嗚呼..

ご飯 

うまいよ

美味しいよ


山のように盛ろう もっとお代わりしよう
 ....
なんて轟々と風が吹く

許されるなら
風の中に立ちつくし 
空を流れる雲を
姿を変える様を
こころゆくまで見ていたい

いつの間に
私は
誰に許しを求めてる 
何に諦め
譲るの ....
掲示板も閉じられたまま
あの人は
もしかしたら 死んでしまったのかしら
最悪を考えてみる

書かれない日には
きっと どこかへいっているんでしょう
寂しいのが何より嫌な人だし
へそ曲が ....
雨降りの夜だし

風景は
同じかたちのまま 年取っていくし

私は 
早く生理が終わらないかと 日にちを数える

身体中 微熱で覆われて熱いから 
粘膜の中の飴は すぐに溶ける

 ....
東京に行ってみたい

しかし
一人で東京どころか 上野にも行けない

南には 一人で行けない
グリーンの窓口がなければ 切符も買えない

上野に行ったならば
あの人と デート出来るだ ....
二十五年ほど前に 迷って手に取った この詩集は
町の 今はもうない本屋の棚の 高い場所にあった
ジュニア文学とかなんとかいう 厚手の本が並んでいて 
『ビルマの竪琴』と
どちらにするか悩んだけ ....
今日は
ヒゲを剃らなくては 

下腹に「うんーっ」と力を入れれば
自然に快感がやってくる

人間らしい 当たり前のことに
今朝は ちいさくも感動した

ヒゲを剃るということは
自然 ....
9月は

臨月の母の腹に 私がいたのでした

空気が風が 金木犀色に満ちて

稲穂は波うち

大群のトンボの羽光らす 黄金の夕焼け

そのとき

ほんの暫く 時間が止まる

 ....
家の近くに 新しい街灯がついて

それは 

擦りガラス越しに見ると

まるで

満月のように明るかったので

気がついたのだけれど


この町には

街灯がたくさんつい ....
ぼろぼろにちぎれたスリッパを履いていたら、

「お願いだから、それはやめてくれ」と言われて、

つい、

「はい」なんて 答えてしまったけれど、

いいじゃない、べつに

他人に見 ....
あなたのタイムマシンに乗せて 

セピアの光の中に つれて行って案内して 

オーロラの道を通って 斑雲の中にぬけ

蒔絵のような地の上に ふわりと落ちて 街中を彷徨い歩いても 

精 ....
親子丼の玉子とだし汁

うーん、

煮込みカツでもいい 玉子とじ

うーん、

明日の夜

独りで食べたい

ファースト・フードの店で

ときどき 国道

トラックの走 ....
いつまでも履かれない靴下が

階段にころがっている


カルピスの

ブルーが目を引く

やっぱり青が好きだと思う


汗をかいたグラスの

カランカランが

眠気を誘 ....
蒼木りん(846)
タイトル カテゴリ Point 日付
胸に抱えて未詩・独白2*04/9/28 0:21
blue cheese未詩・独白004/9/25 0:36
夜空未詩・独白1*04/9/24 0:55
明日 あんたに告ぐ未詩・独白0*04/9/23 23:44
ふるさとの町未詩・独白0*04/9/22 0:33
たどる未詩・独白1*04/9/21 9:58
早く迎えに来てほしかった未詩・独白1*04/9/20 23:13
Oh!未詩・独白1*04/9/18 23:37
幻は見ない未詩・独白4*04/9/17 1:21
インスタント男と女未詩・独白1*04/9/17 0:27
大蒜に未詩・独白0*04/9/15 23:28
つぐむ未詩・独白3*04/9/15 0:56
てばさ未詩・独白1*04/9/12 23:06
天井未詩・独白0*04/9/12 0:53
虹の下をくぐって自由詩3*04/9/11 23:13
虫の声未詩・独白1*04/9/11 21:58
今夜はやけに冷たい床未詩・独白1*04/9/9 1:47
自由詩2*04/9/8 0:30
しがみつくのはやめて手を離せ自由詩2*04/9/8 0:14
アルコールで顔を拭く未詩・独白1*04/9/6 1:54
林檎を食べる未詩・独白3*04/9/6 1:30
東京に行ってみたい未詩・独白4*04/9/4 11:48
あの頃の未詩・独白1*04/9/4 2:32
したいこと未詩・独白1*04/9/3 8:42
9月自由詩6*04/8/31 0:07
街灯未詩・独白5*04/8/28 23:16
クッ未詩・独白4*04/8/26 22:46
時の旅行自由詩004/8/26 8:37
玉子とじ未詩・独白0*04/8/25 23:48
裸足未詩・独白1*04/8/24 10:10

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