失ったもののかわりか
たくさんの柿をもらったので
皮をむいて食べた
柿は
熱冷ましと聞いたような気がする
それならちょうどいい
微熱が
完全に冷めるように

一つ灯りの台所
考え ....
さて
己の望みはなんぞいや

近頃は
気楽を失っていたために
家の中には雨雲がおおっているようだった
気楽過ぎて
お人好しになってはけないと
知恵のない頭で
先手後手を考えていたせい ....
虹が出る夢を見た
とてもまるい
とてもはっきりと七色八色
好いことって
♪幸せな気持ちになることでしょう
なんで
あの人はそのことに気づかないんだろう
わたしは忙しくて面倒くさがりで
 ....
さびしい仔猫が眠る部屋

国道が近いから
救急車が何度も通る
そんな音のない時間や
一日がない

もしや
そんな日があるとすれば
耳を済ましてしまうかも知れない
わたしが生きている ....
何年たっても馴れない女

わかっています
気づかないふりも
微妙な逃げ腰も
そんなの別に
どうでもよくならないかな
風が強いせいにして

ラーメンくらい
奢れる女になりたい
 ....
墓場まで持っていく秘密があるということは
幸せなんだろうか
誰かには
ぽつりと
話してしまうかもしれないね
雪女の夫みたいに
ふとした
裏切り
そしたら
幸せが逃げていくんだね

 ....
イケメンの若い男子の手は
握ったら冷たくて
こんなに熱い
秋晴れの運動会なのにって
後で思ったけれど
夫以外の男と手をつないでいいものか
疑問に思った競技だった
まぁいいか
足が遅くて ....
ずっと すきだった

縁があるんでしょう
こんなところで遇うなんて

コンビニのガラスがくもって
おでんの匂い
声もかけずに知らない振り
マスクを脱いだら
真っ更な他人だよ
だけど ....
アスファルトがまた濡れはじめる
重ね着が正解の外出
こんなに寒いのに
リビングのサッシを開け放して
ひとりで焦って暑がっている
私の嫌いなひと
ノイズでしかない声に
頭痛がする
呼び止 ....
働く必要がなくなったから
辞めることにしたの

(なんだか ここにいても つまらなくて)


扉が閉まるのを見計らって
坂本君
いままでありがとう


関わったのは
この会社の ....
三日の休みの間
子どもじゃないから
会えなくても平気
平気な理由を
いくらでも創れるのが
大人
欲しいものが手に届く所にないと
怒ったり泣いたりするのが
惨めなだけ
君も
そうな ....
洗濯していると
泡がモコモコ
もりあがってくる洗剤がほしい
その泡をすくいとって
吹きとばすのが楽しみ
だったのに

二層式洗濯機

でっかい箱の洗剤を
わたしにプレゼントしてく ....
黄金に実った麦畑は
刈られるのをまっていて
私は
ずっとこのまま
黄金でいてほしいと思っていた

時は止まらない
緩やかにすることはできても
そう信じたい
その術を想い描いても
急 ....
一日の終わりに
デニッシュパンを食べたら
甘かった
泣きたくなった
泣き方を忘れたので
泣けなかった
泣くと息が苦しくて
死んでしまいそうになるから
泣くのを止めてしまったのかもしれな ....
ふたつのチェリー

台詞を間違えた
さくらんぼって
すき?
なんて言うはずじゃなかったのに
さくらんぼって
食べられる?

ゼリーにとじこめられた
ふたつのチェリー

なんだか ....
なにか食べたい
あまいあまいお菓子が食べたい
昼間デパートで見た
おいしそうな匂いのするクッキーが食べたい
でも
わたしにはお金がなくて買えなかった
あまいお菓子が食べたい
幸福な気持ち ....
さよなら
といってしまうと
追いかけてこないこと
わかるから
エレベーターの中の
25秒間を
感じることに使うべきだったって
偶然は
つくってみるもの

ねえ
と問いかければ
 ....
恋人を攫われないように
わたしを睨む目
それは未来には盲目な若い女の目
あっしには
係わりあいのないことでござんす

昨日と今日
午前と午後の
状況の変化
生まれるもの死ぬもの
手 ....
隣にいるこの物体はなんだ
恋焦がれていたものの
正体は
息をしている人間
だけど
豆腐みたいに壊れやすい
私は手も足も出せないだるま状態
なんだか微妙
私もまた
この人からは
未確 ....
なんにもない

なんにもない


あたしには 何にもない

あの人たちは 楽しそう
だけど あたしには
何にもない

朝おきて
お弁当つくって
食器洗って 洗濯干して
間に ....
告げれば赦されない

雨がまだ止まない

わたしは
わたしのために生まれてきたのだと
抜かせばづうづうしい

ならば
人のために尽せているのかと
問う

答えはいつも二通り
 ....
ヨークベニマルはいい所だ
昼には良いものがたくさん売っているし
にんじんじゃがいもたまねぎ99円だし
夜には
昼に手が出ないものが安くなっているし
駐車場には心地よいBGMが流れてるし
み ....
宇都宮へ行くときも
帰るときも
今日は晴れていたから
ボーっと運転していた
ラジオの
ショートストーリーを聴きながら
頭の中で場面を想像して
そんなことさえ
じゃまされずに済むひとり
 ....
馬鹿っぽい
酔っ払いの愚痴話に
あきれて
すぐに話題を変えたくなるけれども
それで酔っ払いの心の問題は
解決しないので
あえて
その問題の中に
ダイビングしてみよう
酔っ払いは嫌いだ ....
朝 目覚めると
夫が洗濯物を干していた
私がやる
と言うと
風邪は大丈夫かと
言葉尻苛立ち気味に訊く
熱がないから私がやる
と言うと
干すのを止めて
自分の煎れたコーヒーを
うまい ....
今日が決戦の日だ
そんなときでも
明日からのことを考えている
メモ用紙に
ぬかりないように
わたしは
臆病者
臆病な人の匂いを嗅ぎ分ける
臆病者の種類もさまざま
わたしは
気が付か ....
服を脱ぐと
地獄絵図の中の悪人みたいな身体
わたしは
ずっといい人間だと思ってきたけれど
強くなろうとしているうちに
身体はすっかり老人になってしまった

いつ死んだって
いいとは言え ....
わたしはきもちわるいおんな


起きてカアテンを開けたら
月が光っていた
満月になっていくのを
たのしみにしている
満月はいつ
その日に最高の夢を
叶えたい
何度でもできそうなこ ....
四十路をすぎたわたしに
「きれいね」
と言われることが
たびたびあって
とくに意識していないけれど
そう見えるのであれば
思い当たる節は
かすかな恋心を隠していることか

想うに成ら ....
いつまで
私はここで働くんだろう
そんなことをふと思う
なんでもない日
今日は何曜日

馬の合わない人
褒めてくれる人
利用するだけの人
気のありそうな人
競ってくる人

新人 ....
蒼木りん(846)
タイトル カテゴリ Point 日付
柿をむく自由詩209/11/22 0:27
夕日自由詩209/11/15 21:14
いえない自由詩109/11/3 23:05
いる自由詩609/10/29 13:57
なれ自由詩109/10/28 13:03
前夜自由詩309/10/23 22:50
運動会終わった自由詩5+09/10/22 14:04
アンタの世話になんかならない自由詩109/10/14 11:55
parasite joker自由詩109/10/8 21:49
赦してね自由詩809/8/10 23:52
みじんこ自由詩309/6/5 22:36
泡がモコミチ自由詩309/6/4 22:05
麦畑自由詩509/5/29 8:53
無題自由詩209/5/26 23:22
ふたつのチェリー自由詩109/5/24 23:18
あまいあまい自由詩309/5/23 23:52
上昇25秒自由詩509/5/23 0:08
ガーゼ自由詩109/5/19 23:28
未確認物体自由詩109/5/7 22:15
なんにもない自由詩009/5/2 23:18
花散る自由詩309/4/25 0:21
清正美自由詩109/4/14 23:41
桜は桃色じゃない自由詩609/4/4 0:13
酔っ払い自由詩209/3/26 0:43
けもん自由詩209/3/19 22:09
メモ自由詩009/3/6 10:23
光と影自由詩309/2/24 23:43
_自由詩009/2/17 13:35
もうすぐ春が来る自由詩209/1/29 22:24
働く自由詩109/1/27 23:37

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