ぬけてぬけてすっこぬけ ちょん 、
まだまだ移ろい揺らぐらしき季節の
知らぬまにまに目の前やら頭の上
はらはらひらひらはらはらぱさり
(時空の伴奏、緩やか垂直に切り裂きて)
....
紫陽花は、雨の季節に、静かに生まれました。
ひと粒ひと粒、雨のしずくを、その葉と花びらに受けるたびに、紫陽花は、まるで涙でできた水のお城のように、透きとおって光りました。
ある、ひっそりと ....
むかし、北の山あいに、たったひとりだけ色のちがう鬼がいました。赤鬼でも青鬼でもありません。その鬼の肌は、冬の曇り空のような――淡く沈んだ灰色でした。
仲間の鬼はみな、虎の褌を締め、強さのしるしの ....
スターターピストルが鳴った
言葉がフライングしても
やり直そうとしない
怒号や罵声が飛ぶ
失格になった
おかしな未来がゴールで揺れている
一度発した言葉は
なかったことにはできない
....
天使たち 舞い降り
大地蹴る午前三時
また誰か人 、
独り引き取られ
涙の一粒に 光滴
寄り添い響き合い
新たな苦難と安らぎに向け旅立つ
この深夜に 光の帯の街並み 、
何処ま ....
○「独居老人」
いるか いないか
いないか いるか
玄関は閉まっている
カーテンは開いている
新聞はポストの中
いるか いないか
いないか いるか
戸をたたいても反応なし
声をか ....
寂れた窓は動かないふりをし
ひたすら外に目を向けていた
季節の香は失われ
残酷なほどに生をむさぼり続けた
虫はいない
寂れた窓にとって
そういう喧噪ははなはだ懐かしく
色合いの違う風に吹 ....
朝顔が知らないうちに、ひそやかに蔓をのばしていたので、
庭の人は一本の竹をそっと添え木にたててやりました。
その晩のことです。
夜は早くからしんとして、星はどれも遠くで息をひそめ、
虫 ....
陽は少し高く登り、白さが緩み始める
まだ静かな住宅街を歩いていく
土手を登って見えるのは広く穏やかな河川だ。
「川と言えばこんな感じだろ?」
買い替えた自転車の試し乗りには遠すぎるサイクリ ....
デフリンピックの初めて日の目を浴びた障害物競走で
披露される前にはがれおちてしまったマスキングテープ
幾年もかけて磨きあげてきた模様は内側に巻かれたまま
障害を越えて百メートルコースを彩ることな ....
罪が確かに罪ならば
罰があとから刺さるから
レ、ミゼラブルのジャンバルジャン
呆れて笑ってくれるだろう
ひとりで生きていくことが
幻想だって知っている
昨日や今日の悲し ....
ブォーンと唸る吸引音
君は戦場にいるみたいだ
急に居場所をなくす僕
いつもよりヒステリックな音に聞こえるのは
気のせいかな
掃除機襲来
空いてる部屋へ
右往左往
怒ってる?
....
+
すこしずつ、ぼくもレモンになってゆく。米津玄師は気持ちの面で、ぼくの親戚だ。気持ちの落ちつきは得難いものだ。おんがくをお聴きする。
◯
ラジオをお聴きすることでも繋がりの輪に ....
うっすら陽の射す
細雨降りしきるなか
歩み続ける
暗から浮き上がる明の
黄色く
明から浮き立つ暗の
青く
朝を迎え夜に至り
また独り時の 逆流す
醜いものに美しきもの
全て ....
○「潮騒の町」
┅┅ ┅┅ ┅┅
私は潮騒の町を
ゆっくり
どこまでも
歩いて行きたい
┅┅ ┅┅ ┅┅
繰り返すさざ波を聞きながら
ゆっくり
どこまでも
歩いて行きたい
┅ ....
○「選択社会」
自動販売機の前に立つと
僕はいつも選択に迷う
喉をうるおすだけなのに
多くの選択肢がある
ある時面倒くさくなって
パッと見てパッと押したら
飲みたくない飲み物だった
あ ....
毎日、浜辺に少年が座るようになったのは、いつの頃からだったのでしょう。
秋の空はどこまでも澄み、風はもう冬の気配をまとっていました。
ただ、寄せては返す波だけが、ほんのすこしあたたかく聞こえていま ....
張りつめた銃声の
重くのしかかる 緊迫が、
涙となって
少しずつほどけていく
野生の 最後の それが亡くなった報告は
他に行き場もなく 認定された
蔓延する
殺戮に悲 ....
+
ヘイ。創造性があるのに、なにしけてんだよ。まことに勝手ながら、ぼくは「きみ」とお友だちになることに決めたからな。
◯
ひとり旅をするっていって、ぼく(ももちゃん)のことをうざ ....
一つ、私という肉身の無常
貫く力動の凄まじさ 、
意識の内なる光響、倍音重ね重ね
ぐわぁんぐわぁんぐわぁんぐわぁん
木霊しつつ光輝白銀の 爪痕残し遠去かる
タップしたら入れる世界で
羽根を伸ばしても
影に溶けている現実が
どこまでも追いかけてくる
放っておいても
いつかは向き合わなければならない
笑ってしまうほどの深刻さが
滑稽だな
....
その日わたしたちは
明るいうちに別れた
陽の高いうちのさようならは
夜よりも錆びてはおらず
明け方よりも健全で
互いの悪口なんて言わない
だからわたしは
これが さいごだなんて
考 ....
わかちあう
べきなのだろう悲しみも
ふたりはいつもひとつだからな
そんな声
聴こえて夜のひとり寝の
低いベッドに座りこむ冬
生きかたの
ベストを決める ....
六十八匹の鈴虫を埋めた墓を
母の庭帚が一掃した
落ち葉をしだくような
笑い声に見合う顔を思い出せずにいる
まだ蝶結びができなかった
大雪を抱えた空の下
厚いコートにナイーブな獣を隠 ....
○「人生」
人生は
問題解決学習である
さて今回は
神社の大麻販売問題
大麻とはお札のことだが
割り当て販売である
一部千円で15枚来ている
30世帯もない自治会で
こんなに売れるわ ....
冬、まだ生き続けている。とても大きなオオクロバエ。窓ガラスに張り付いたまま。もはやほとんど動かない。指さきを近づけてみてももはや俊敏に飛び立つこともしない。それはまるで、もう十分に生きてきたから、みた ....
硬派、なんて四角い発泡スチロールの断片のようなものだ。恋心、という風神にいとも容易く巻き上げられて、何度も同じような軌道をぐるぐると巡らされるのだから・・・。
村はずれの一本の冬道に、街燈はじっと立っていました。
雪はさらさらと降りしきり、夜は息をひそめています。その静けさは、まるで遠い昔、この世がまだ素朴だった頃の記憶を遠くに思い出させるようでした。 ....
もう書かずにはいられない
思いめぐらすラブレター
通学途中カドの文房具店
生まれて初めて便箋に手を伸ばす
心の中はパズル模様
パズルを解き明かし
....
+
どこにもいないとおもいました、それでも、きちんと生きています。
◯
お部屋からおそとにでると空気の甘さにびっくりするようになりました。吸ったあとに吐く息が甘いのです。気だるさ ....
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